老老介護の現場はどのようになっているのか?
老老介護というのは、近年日本で社会問題にまで発展している介護問題とされています。日本の平均寿命は世界的に見ても長命になっていて、長生きしている人が多いのが特徴的です。そこから発生する問題となっているのですが、兄弟や姉妹、夫婦などで片方が要介護者になった際に、もう1人が介護をしているという状況のことを老老介護と呼びます。中には親子で介護をしているケースも少なくありません。例えば、親が90歳、子どもが70歳というようなケースでも介護サービスに頼らずに親の介護をしているということが挙げられます。このような状況で、地域の介護施設や介護支援施設を頼れば何とでもなる状況が多いのですが、経済的な問題や「家族のことは家族で面倒をみたい」という考えの方が多いために、結果的に取り返しのつかない問題にまで発展するケースも多くなっています。特に介護者が高齢化している状態になると、要介護者を介護するということの他に、自分の状態を完全に把握しておかなければなりません。そうしないと、ミイラ取りがミイラになるというような状況が発生してしまいます。特に高齢者になると、身体に異変を感じ無いのに病気が進行してしまっているというような状況が頻繁に発生してしまいますので、要介護者のケアだけではなく自分のケアもキチンと行わなければいけません。
全国で多発している老老介護問題
近年、日本が高齢化社会になってきたこともあり、老老介護が行われていることが多くなってきました。その結果、介護者が介護疲れから要介護者を殺害してしまったり、一家心中してしまったりと取り返しのつかない深刻な問題に発展するケースも多くなっています。このような事態になってしまう原因の一つに「認知症」が挙げられます。認知症というのは、記憶や認知がスムーズに出来なくなってしまう病気となっていて、現在のところ完治することがないとされています。認知症になってしまうと、家族が他人のように感じてしまったり、ほんの5分前にしたことでも思い出せなくなってしまったりするということが挙げられます。そうなると「他人に介護をしてもらっている」というように要介護者が認識してしまい、暴言や暴力、幻覚や妄想などの症状が出ることもあります。これらの対応は専門家でも難しいとされていて、家族という間柄でも簡単に対処できる問題ではありません。このような問題に対処するために、地域の介護サービスを利用するということが大切になっています。
老老介護の共倒れのリスクを少しでも軽減させるために
老老介護をしている人の多くは「誰かに頼りたくない」、「自分たちだけで何とかする」というような強い意識を持っている人が多いです。この考えについての是非は問いませんが、この考え方には大きなリスクがあります。それは「人間は、それほど強くない」ということです。強い意志を持っていることは尊敬に値しますが、意固地になってしまう必要はどこにもありません。周りにSOSを発信するということは悪いことでも恥ずかしいことでもありませんので、自分が辛いと感じたのなら、周りに相談するということが大切です。日本という国には、介護や福祉といったサービスが充実していることが挙げられます。相談をして受け入れられないということもなく、万が一のリスクを無くすために様々な取り組みが行われているので、本当に困っている時には役所や介護施設に相談をするということが大切です。
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