配偶者控除が廃止!?専業主婦への影響を解説
制度改正の流れの中で大きな話題となったのが、配偶者控除の廃止。発端は2014年政府税制調査会の発言でした。でも、今後どうなっていくのかについてはいまだに明らかにされていない状況です。これまであった配偶者控除とはどんなものだったのか、廃止された場合の家庭への影響はどれだけか。わかりにくいけれど、とっても気になる配偶者控除廃止について見ていきましょう。
配偶者控除とは?
夫の被扶養者となっている奥さんが働きに出る場合に、収入を「年間103万円以内」にするという話を良く聞きます。この103万円とはどこから出てきた金額なのでしょうか。
配偶者控除というのは、扶養者である夫が配偶者の収入に関して、38万円の控除を受けることができる制度です。(高齢者・障害者以外の場合)
配偶者控除の対象となるのは、配偶者の年間所得が38万円以下の場合です。この38万円以下というのは、パート収入から給与所得控除65万円が差し引かれたものを指します。
つまり、103万円というのは奥さんがパート収入を得ていることを前提とした際の、夫が控除を受けられる上限ということになります。税法に記載されている金額ということではありません。
配偶者控除が必要ない、と言われている2つの理由
既婚女性のライフスタイルの変化
配偶者控除廃止の大きな理由としては、2つほど挙げられます。ひとつは、既婚女性のライフスタイルの変化です。配偶者控除はもともと、専業主婦や家庭に入った後パートで働く主婦を想定して策定されています。
しかし結婚後もそれまでと同様の仕事を続け、フルタイムで働く女性が増加している現在、103万円という控除額の枠は働く意欲の抑止につながりかねないといわれるようになってきました。
少子高齢化で労働力が不足している時代にあって、労働時間や収入金額を気にせず女性にも働いてもらわなければ、国として成り立たなくなるという懸念があるのでしょう。
扶養外で働く女性との不公平の是正
また現行の制度では、妻が103万以下の給与収入である場合、夫が38万の基礎控除を受けた上、本人も38万の配偶者控除を受けるという二重控除になっています。
妻が扶養外で働く家庭との不公平感が、配偶者控除廃止によって是正されるという見方が、もうひとつの理由となっています。
配偶者控除がもしなくなったら・・・どのぐらい影響がある?
所得税と住民税が5万~20万程度負担増
現在の配偶者控除制度では所得税は38万円ですが、住民税の控除では33万円です。廃止された場合、増税額はこれらの控除に税率をかけた金額ということになります。
所得税の税率は、収入により5%~45%。住民税は一律10%です。年間で5.2万(38×5%+33×10%)から20.4万(38×45%+33×10%)も現状より負担が増えることになります。
具体的な年収別では、次のような増税になります。
夫の年収 |
廃止後の増税額 |
300万円 |
5万2400円 |
500万円 |
7万1000円 |
700万円 |
10万4500円 |
1000万円 |
10万9000円 |
これだけ見ると、非常に大きな増税となり、家計への負担は相当なものです。103万円の枠がなくなったからといっても、妻の収入をいきなり増やすことのできる家庭はまれでしょう。
平均で見ると、各家庭でひと月あたり4
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