弁護士に依頼する前に知っておこう!立ち退きの強制執行手続きの流れ・期間・費用について
立ち退きの強制執行手続きの流れ
まずは賃貸借契約の解除
賃料を支払わない賃借人に立ち退きの強制執行手続きを行うためには、まず、賃貸借契約を解除する必要があります。
賃貸借契約を解除しなければ、相手方が土地や建物に居座ってよい理由が存在することになるためです。
これは、当初の賃貸借契約をどのように契約していたかによりますが、賃貸借契約解除の意思表示を行うことなどによってその効果が発生します。
賃料を数ヶ月滞納することにより、何もせずに契約が解除されたとみなすこともあるかもしれません。
訴訟を提起して勝訴して強制執行へ
その上で、裁判所に賃貸契約の解除の訴訟と建物などの明け渡しの訴訟を提起し、それに勝訴する必要があります。
その勝訴判決により、「債務名義」(確定した判決書)や「執行文」(強制執行が可能であることを証明する書面)をはじめとした強制執行に必要な書類を取得します。
強制執行を行うためには、これらの「債務名義」などの法律で定められた書類が必ず必要となるので注意が必要です。
そして、立ち退きを要求する不動産の所在地を管轄する地方裁判所に、立ち退きの強制執行を申し立てます。
強制執行の申立てにあたっては、強制執行の申立書を提出します。
この申立書を提出するにあたっては、手数料や郵券のほか、上記の債務名義や執行文を添付する必要があります。
立ち退きの強制執行の申立てがなされると、裁判所の執行官から、土地や建物を占領している人に対して、明渡しの催告がなされます。
この催告期間を経過しても立ち退きがなされない場合、執行官によって強制的に立ち退きが行われます。
これを「断行」と呼ぶこともあります。
具体的には、執行官が連れてきた業者(執行補助者)が、土地や建物内部にある物品をすべて撤去して、強制的に明け渡しを実現します。
撤去された物品は、倉庫に保管され、立ち退いた人に返却されたり、廃棄処分されたりします。
立ち退きの強制執行手続きの期間
まず、裁判を起こして勝訴するまで、地域によっても必要な期間は異なりますが、訴訟提起から判決まで2ヶ月程度、それが確定するまで14日かかりますので、3ヶ月程度が必要となります。相手方が不服のため、控訴した場合はさらに長期間がかかります。
さらに、判決確定後、執行官に立ち退きの強制執行を行わせるところまで進める場合、申し立てから3~6ヶ月以上かかるのが通常です。
よって、すべての手続きを終えるまでには、半年以上を要することは覚悟する必要があります。
立ち退きの強制執行手続きの費用
立ち退きの強制執行手続きの費用について、まず、裁判を起こすための費用が必要です。
訴訟の提起のためには、訴訟の対象物によって必要な印紙代が変わってきます。例えば、所有権に基づいて建物の明け渡しを求める場合、建物の価額(固定資産税評価額)の2分の1が訴額になります。
この訴額に応じて、印紙代が決められています。訴額の金額にもよりますが、訴額500万円以内であれば、印紙代は3万円以内になります。その他郵券料などの諸費用も必要です。
そして、立ち退きの強制執行手続きについての費用も当然必要となります。
強制執行手続きがすべて完了すると、当該手続きに要した費用が確定します。
その費用については、執行補助業者への費用や物品の廃棄費用も含めて、強制執行の申立人が裁判所に対して支払う必要があるのです。
強制執行の申し立てにかかる費用については、各裁判所によって金額が異なるようですが、平均的には、一部屋について借り主一人の明け渡しを求める場合には6~8万円程度かかります。
建物や退去を求める人の数によって金額が増額されます。
また、執行補助業者の費用は、撤去・搬出する物品の数量によっても変わってきますが、一般的に、1LDKなら30万円程度、3LDKなら40~50万円程度とされています。
このほか、弁護士に依頼する場合には、依頼する内容や期間に応じた弁護士費用がかかります。
弁護士に相談・依頼するにあたって
立ち退きを求める強制執行手続きを完了するまでには、これまで説明したようにかなりの法律的な手続きをクリアする必要があることになります。
これらを素人で行うことは、かなりの労力をつぎ込まない限り難しいといえるでしょう。そのため、できる限り弁護士に依頼することをお勧めします。
また、これまで説明したとおり、裁判から強制執行まで全てを行うためには、かなりの期間と費用が必要になります。
場合によっては、裁判所を利用せずに賃借人と示談や和解を行うことによって、早期に出て行ってもらったほうが、得になる場合もあります。その手続きを有利に進めるためにも、弁護士に依頼するのが必要といえるでしょう。
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