知っておきたい不動産基礎知識「公示地価」について分かりやすく解説

1 不動産の公示地価とは?

不動産の公示地価とは、国土交通省が全国で定めた基準とする地点(これを標準地といいます。)を対象に、毎年の1月1日時点の土地の1平方メートルあたりの価格を公示するものです。

全国の公示地価は、国土交通省のホームページから確認することができます。

公示地価は取引等様々な土地評価の目安となること

公示地価は、一般の土地取引の際の価格の目安としたり、不動産鑑定士などが土地を鑑定する場合や公共用地の取得価格などを決める際の参考としても利用され、様々な重要な役割を担っています。

また、相続税や固定資産税の評価の際の目安としたり、企業会計における資産の時価評価などにも利用されています。

もっとも、公示地価は、全国の隅々まで公示されているわけではなく、都市計画法で定める都市計画区域内を対象として公示される点に注意が必要です。地価が公示される区域のことを公示区域と呼びます。

また、公示地価は、偏りのない価格とされています。土地は、取引を行う人や法人によって様々な事情がある場合が多く、取引価格もこのような事情に影響されがちです。

しかし、公示地価は、そういった特殊な事情などを排除し、特殊な事情がない状態で自由な取引が行われた場合に通常成立すると考えられる価格なのです。

公示地価は更地評価で行われている

さらに、公示地価は更地評価で行われます。

たとえ標準地に建物などが建築されている場合でも、それが一切ないものとして評価がなされるのです。

なぜかといえば、土地の上に建物がある場合、土地の価格は通常安くなり、また、土地の上に立っている建物の古さや建築構造などによっても、土地価格は幅広く変動するためです。

こういった複雑な事情が影響してくると、土地の価格一律に算出しての比較すること難しくなるため、公示地価については、更地評価としているものです。

公示地価の標準値の選定

公示地価の作成にあたっての標準地の選定は、国土交通省の土地鑑定委員会が行います。

選定にあたっては、例えば住宅地や商業地のような同種の性質を持つ一団の土地から、利用状況や周辺環境などを考慮して、標準的だと考えられる土地が選ばれます。

標準地の地価は、周辺地域の地価の基準とされるため、特殊事情のある土地は対象から外されます

そのため、例えば、極端に狭い土地や、極端にいびつな形の土地は、対象から外されます。

また、標準地がその地域の標準的な土地であるか否かは毎年チェックされ、見直しが必要な場合には、新たな標準地が選定されます。

公示地価の作成方法

公示地価の作成にあたっては、標準地の1地点について、不動産鑑定の専門家である2人の不動産鑑定士が、個別に現地を調査・評価し、その周辺地域の取引事例やその土地の収益性などについての評価を行います。

この評価結果に基づいて、地点間や地域間のバランスなどを考慮し、国土交通省の土地鑑定委員会が、最終的に公示地価を決定します。

なお、様々な取引などにおいての参考・基準とされる土地の価格については、公示地価のほかにも、相続税や地価税の算定基準に利用される「路線価」、固定資産税や都市計画税などの算定に利用される「固定資産税評価額」、都市計画区域外の林地なども含んで算定される「基準地価」といったものがあります。

公示地価の利用方法と注意点

公示地価は、土地取引にあたっての重要な指標の一つとされます。

公示地価の注意点

注意したい点は、公示価格が、標準地という定められた地点の価格を表示したものなので、その近隣の土地を評価する場合、その評価対象となる土地の特殊事情などを考慮しながら価格を補正する必要があるという点です。

例えば、評価対象となる土地が、標準地よりも駅までの距離が近かった場合には、評価対象となる土地の価格は高くなります。

また、評価対象となる土地が、ガス・水道・下水道の整備状況などにおいて標準地よりも劣っている場合には、評価対象となる土地は安く評価されてしまうということになります。

また、不動産市場は流動的であって、土地の利用方法、需給バランス、時期、社会情勢、地域的な特殊事情などによって、土地の価格は大きく変動してくるものです。

具体的には、分譲マンション用の土地は、マンションの分譲価格から逆算して土地の取引価格が決まってきます。

また、都心の高度商業地は、商業ビルやオフィスビルなどの開発計画に基づく収益見込みによって算定された価格で取引が行われます。

このように、近隣の相場に基づく価格ではなく、その土地にどんな建物が建てられるかなどの特殊事情によっても、土地の価格が変動することがあるのです。

さらに、土地の間口が狭かったり、不整形であったり、急傾斜地であったりするなどの場合は、公示地価より相当安く取引価格が設定されることもよくあることです。

さらに、リーマンショックや東日本大震災などの市場に大きな影響を与える出来事があれば、実際の土地の取引価格は大きく変動しますが、公示地価の公表が1年に1回のため、このような急激な変化による影響が公示地価に反映されていないという現象もよくあります。

結局のところ、公示価格はあくまで参考程度にしかならないため、個別の土地の正確な価格を知りたい場合には、専門家に相談して、様々な事情を考慮した上での評価を行ってもらう必要があります。一方、その地域の土地の価格の相場がどの程度かを知りたい場合には、非常に有効なツールとなってくれるということです。

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