遺体ホテルをご存知ですか?
「遺体ホテル」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。
「えっ、ホラー?」と思ったあなた、違います。
遺体ホテルは、火葬までに亡き人を宿泊させてくれるホテルのことです。今、じわじわと増えつつあります。
遺体ホテルは「安置難民」の救世主となるか
病院の霊安室を使える時間は1時間~2時間程度
病院で人が亡くなると、霊安室に移動となります。
ところがこの霊安室では、一般的に1時間から2時間ほどしか休むことができません。
「病院は人を治すところ」という位置づけから、どんな大病院でも霊安室の数は数えるほどなのです。
持ち家でない人は自宅に戻るのも難しい
病院を出た後は、自宅に戻ればよいという考え方もあります。
しかし、持ち家ならまだしも、マンションや貸家に遺体を休ませることは難しいですね。
葬儀社の安置室は葬儀をすることが前提
葬儀をするのであれば、葬儀社の安置室に連れていく手はあります。しかし、「直葬」つまり葬儀をしないことを希望する場合には受け入れてはもらえないでしょう。
霊安室がある火葬場は飽和状態
「葬儀をせずに火葬をするなら、火葬場に連れて行けばいい」という考え方はあります。
しかし、霊安室があるような設備の整った火葬場は今飽和状態です。
そして、基本的に郊外の公営火葬場は保冷庫や安置室を持っていません。
死後24時間待機できるように生まれた施設が遺体ホテル
火葬に関する日本の法律によると、死後24時間が経過しなければ、火葬をしてはならないのです。
ですから、病院で亡くなってから火葬されるまで、最低でも24時間待機できる場所がなければなりません。
そこで生まれたのが、遺体ホテルです。
都市部では、現在2割から3割ほどが葬儀をしない「直葬」を選ぶといわれています。
行き場がなくても、とにかく24時間はどこかへ安置されなければならない「安置難民」にとっては、なくてはならない存在でしょう。
遺体ホテルはいつからあるの?
元祖「遺体ホテル」は、ラスト・ホテル「ラステル」
日本に初めて故人向けのホテルができたのは2010年6月のことです。墓地及び葬儀業界に事業を広く展開しているニチリョクが「ラステル久保山」を横浜市にオープンさせました。
「ラステル」は「ラスト・ホテル」の意で、遺体安置所を初めて「ホテル」と位置づけた画期的な施設でした。供養業界の老舗であるニチリョクが、安置所で少人数葬儀をするという新発想のプランを打ち立てたのです。
ラステル公式サイト:http://lastel.jp/
元祖「非葬儀社遺体ホテル」は、「りすセンター新木場」
ラステルはシンプルな見送りができる施設ですが、あくまで葬儀を行う会社が運営しているため、安置室を出て他の会社で葬儀を行うということは不可能です。
安置している間、ゆっくり相見積もりをとりたい葬儀社を検討したいという要望を叶えるべく登場したのが、江東区に誕生した「りすセンター新木場」です。
りすセンター新木場は、生前契約などを行うNPOりすシステムが運営しており、葬儀社直営ではありません。
よって遺体をホテルに安置したら、複数の葬儀社から見積もりを取り寄せるなどしてじっくり検討することができます。
りすセンター新木場公式サイト:http://www.liss-net.net/hotel/
遺体ホテルをめぐる問題
地域住民とトラブルになるケースが発生
このような遺体ホテルの多くは、葬儀のプロや供養業界を勉強しつくしたNPOが運営しているため、近隣住民とトラブルになることはありません。
しかし、住宅地のど真ん中に作ってしまい、住民の苦情を浴びてマスコミ沙汰になってしまった遺体ホテルもあります。
法的には問題がない施設だとしても、やはり自宅の近くに突然遺体専門のホテルができてしまったら、誰でもビックリするでしょう。
迷惑施設だなどといってしまっては悲しいですが、事前の説明が必要なのは言うまでもありませんね。
消費者のジレンマが解消される日は来るか
地域に密着し、地元に愛されることの大切さを何よりも知っている葬儀のプロであれば、トラブルになるような施設を作ることはありません。
ただ、葬儀社を比較するためには、どうしても非葬儀社系の遺体ホテルが都市部にほしいところです。
しかし、非葬儀社系の会社が、人の密集する都市部に、トラブルなしで遺体ホテルを作ることはできるのでしょうか。
葬儀のプロでも、葬儀ホールを新設するのはそれなりに苦労することなのです。なかなか難しいでしょう。
葬儀社の安置室も遺体ホテルも使えないときの対処法
公営の遺体ホテルは人知れず存在する
実は、非葬儀社系の遺体ホテルは都市部にこそ存在します。
しかも、民営施設ではなく、公営の施設です。
なかなかその存在を知られない公営の遺体ホテルとは「公民館」です。
公民館のなかには、葬儀場として住民が使えるものがありますね。
なかには、通夜と葬儀と、連続して借りることができる公民館があります。つまり宿泊が可能なのです。
葬儀の形式は自由ですから、改まった通夜や葬儀をせずとも、ひっそり家族がお別れをするだけでもいいはずです。そして料金は格安でしょう。
ただ、公民館の葬儀場は安置だけを目的として作られているわけではありませんから、前例のないことは断られてしまう可能性もあります。
また、時間帯によっては病院から直接移動できませんし、連泊も難しいでしょう。
問い合わせる価値はありますが、困らせるだけだったらあきらめなければなりません。
遺体の車中泊は法律上は可能
実は、死亡診断書、あるいは死体検案書を携行していれば、遺体は家族の車で運ぶことができます。
遺体搬送をしてお金をもらうのであれば許可が必要ですが、家族が無償で運ぶぶんには問題ないのです。
つまり、遺体を家族が車でどこかへ運び、そのまま火葬の時間まで車中泊することは、法律上は問題ないということです。
あくまで法律上は可能なだけであり、車の中を一定温度に保つのは難しく、体液処理の必要も出てくるためおすすめはできません。
周囲の目もあります。しかし、遺体にまつわる様々な問題をクリアさえすれば可能なのです。
まとめ
このページでは遺体ホテルの存在と問題点、代替案についてお伝えしてきました。
もしものときに備えて、遺体ホテルについて知っておくとよいでしょう。
“
相続手続きを自分でやるための方法、相続に関する知識などの情報を発信しています。
副業、プチ起業、スキルアップにおすすめ!アート・クラフトの講師になれる認定講座
世界中で大人気、NYやLAでは「第2のヨガ」と呼ばれる新しいアート・DIYのレッスン方法を学んでみませんか?
副業、プチ起業、スキルアップにおすすめ、講師として教えられるようになる「ペイントインストラクター認定講座」「DIYインストラクター認定講座」の講師が全国で誕生中!