不動産投資家必見!法人化するメリット・タイミング等 の全知識
将来の年金制度破綻も懸念される昨今、専業であれ、兼業であれ、不動産投資をされている方は、今ではすっかり珍しくなくなりました。
当初は個人の不動産投資家として「デビュー」されるのが一般的ですが、歳月が経ち、賃貸経営も軌道に乗ってくると、誰しも法人化を検討するようになるはずです。
このページでは不動産投資を稼業とするに当たり、法人化することのメリットや、法人化するのに適したタイミングについてお伝えいたします。
不動産経営を法人化するメリット・デメリットについて
不動産経営をされている方が法人化した場合、個人の場合と比べ、実際どのような違いがあるのでしょうか。順番に整理してみましょう。
適用される税率が違う
まず第一に注目すべきは、適用される税率が大きく異なることです。
個人は所得税、住民税が課され、法人であれば法人税と均等割り住民税が課されることになります。
課税所得が900万円を超えてくると、法人税率の方が割安になって有利ですから、法人化するメリットがあると言えます。
逆に、課税所得がそれ以下であれば、法人化は税率の面からはデメリットになる訳です。
損失の繰越処理ができる期間が違う
第二には、損失が生じた場合、その損失を繰越処理できる期間に違いが出ます。
個人では、不動産所得がマイナスになり、他の所得と合算してもマイナス状態の場合、その損失は3年間繰越処理できます。
ところが、法人では、その損失を何と最長9年間も繰越処理可能なのです。
個人と比べ、法人は丸々3倍も繰越処理ができる期間が長くなります。
このメリットは、経営上とても大きいものです。
譲渡所得に対する課税
第三には、不動産経営をしている物件を転売した際、発生する売却益に対する税率も、法人と個人とでは異なります。
個人ですと、5年以内に転売した物件の売却益は、短期譲渡所得の扱いになります。
現在の税率は、所得税が30%、住民税9%で計39%です。
保有5年超で転売すると、売却益は長期譲渡所得の扱いになります。
その場合の税率は、所得税が15%、住民税が5%の計20%です。
因みに、長期譲渡所得は、他の所得とは別枠計算となります。
他方、法人では、物件転売で売却益が生じても、個人のように別枠計算とはならず、所得に対して所定の税率が課されます。
従って、保有5年以内の短期で転売する際の売却益に対する税金は、法人税率の方が低くなり、法人化しているメリットがありますが、保有5年超の長期で転売する際の売却益に対する税金は、個人の所得税率の方が低くなり、法人化することはデメリットになります。
要は、ご自身の不動産投資のスタイルを考慮して、法人化の可否を決断する方が良い訳です。
減価償却費の取り扱い
第四に、減価償却費の扱いも個人と法人とでは異なります。
これは、金融機関から融資を受ける際の対策の違いも意味します。
個人の場合、強制償却とされており、所定の計算式に基づいて計算された年間の減価償却費は、全額を経費とすることが求められます。
他方、法人の場合では、任意償却となりますから、所定の計算式に基づいて計算された年間の減価償却費の範囲内で、経費とする金額を自由に決定することが可能になります。
ここは、明らかに法人化のメリットがあるところです。
なお、この減価償却の仕組みが、金融機関の融資審査を受ける際の対策に影響する理由ですが、個人では不動産所得がマイナスになっていても、強制償却ですから、利益を減価償却費で調整することは不可能です。
他方、法人であれば任意償却なので、利益を減価償却費で調整することが可能となります。
金融機関に対しては、利益が出ているPL(損益計算書)を提示した方が、言わずもがな融資を受ける上で有利なので、ここでも法人化のメリットは生きます。
保険料の取り扱いの違い
最後に第五として、保険料の扱いも個人と法人とでは大きく異なります。
個人であれば、どんなに高額の保険料を負担していても、保険料控除の上限金額までしか所得からの控除は不可能です。
ところが、法人になると、要件さえ該当していれば、負担している保険料の全額を控除することができますので、保険料についても明らかに法人化のメリットがあります。
更に、法人のメリットを活かせる最大の節税対策があります。
ズバリ、人件費の活用となります。
個人の場合でも、青色事業専従者給与として、ご自身の配偶者に給料を支払うことが可能なのですが、他所で勤務していると支払い不可となるなど、様々な制約があるのが実態です。
ところが、法人としての不動産経営であれば、家賃収入を得て利益が生じるのは法人ですから、ご家族に法人の役員となって仕事をしてもらえば、他所で仕事をしていても、利益を役員報酬としてご家族に支払うことが可能になります。
法人化するのに適切なタイミングはその人次第
このように、法人化することで、様々なメリットを享受できる不動産投資ですが、この法人化は、いつ、どのようなタイミングで踏み切るべきでしょうか。
結論から言えば、法人化に適したタイミングは、不動産投資の内容次第であり、人それぞれなのです。
例えば、不動産投資を始めて年数が経過し、家賃収入が相当大きくなっていたとしても、経費が多く嵩んでおり、利益が薄い物件を経営しているのであれば、現時点で法人化する意味はありません。
一般的にも言われることですが、法人化を検討する判断基準として、個人と法人との税率の違いが挙げられます。
個人と法人との税率が逆転する課税所得額は900万円で、課税所得が900万円超となれば、所得税と住民税との税率が法人税率を上回ります。
このタイミングで法人化するのが一つの考え方です。
ただし、これは専業で不動産投資をされている場合に限ります。
一方、サラリーマンが兼業で不動産投資をしている場合は、給与所得がある訳ですから、現在の年収ではどの位の税率なのかを、予め確認する必要があります。
言わずもがな、家族構成などに基づく所得控除金額によっても、課税所得は変わってきます。
サラリーマンでも、既に年収が1000万円の大台に乗っている方であれば、給与のみでも所得税と住民税を合わせた課税率が40%を超えているケースも多いはずです。
そこに更に、不動産経営での家賃収入が上乗せされることも考慮すれば、不動産投資に参入する当初のタイミングから法人化してしまい、法人として物件を購入する方が節税効果を期待できます。
ただし、法人化に適したタイミングは、購入する物件の規模によっても左右されます。
家賃収入が多くは生じない小規模物件であれば、個人の立場で購入しても、税率は低いままである可能性もあります。
これに対して、サラリーマンとしての年収は低い方であっても、家賃収入が多く発生する大規模物件を購入する場合は、当初から法人化して購入した方が、税金対策上賢いこともあり得ます。
まとめ
このページでは不動産投資家が法人化するメリットやデメリット、そのタイミング例をお伝えしてきました。
結論としては、その人の置かれている状況によるということになってしまいますので、是非専門家に相談をしてみてください。
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