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遺産相続の遺留分とは?意義と遺留分の計算方法を分かりやすく解説!

最低限もらえる権利を遺留分といいます。

遺留分 2016年4月14日 閲覧数:1844

相続について、どの財産をだれに配分されるのかを考えるときにぜひ知っておきたい言葉があります。それは「遺留分」といわれるものです。この記事では、遺留分について解説していきます。

遺留分(いりゅうぶん)とは?

遺言があれば遺言上で誰にどれぐらいの財産を相続させるかを指定することができますが、法律上で「最低これだけは元々の法定相続人に対して残してあげなさい」という割合が決まっています。
それが遺留分です。

このような権利が認められているのは、相続はある意味生活保障であるという点と、遺言者が築き上げてきた財産の中には相続人のおかげである部分があるという点を考慮したからです。

最低限保障されている、主張できる割合が遺留分

たとえば配偶者と子ども一人がいる場合、両者ともが法定相続人になります。

しかし配偶者だけに100%相続させたいと考えて遺言を残したとすると、子供には財産が相続されないことになってしまいます。

法律上では、本人の遺言を尊重しつつも、決められた法定相続人には最低限の割合を保障しています。
この場合は子どもは4分の1については遺言内容にかかわらず相続できる権利があるのです。
この4分の1のことを遺留分といいます。

遺留分の具体的な割合計算

もし、被相続人が遺言書で第三者にすべて財産を相続させるとします。この場合の相続人のケース別の遺留分の割合は次のとおりです。

ケース1: 配偶者と子ども

遺留分はそれぞれ配偶者が4分の1子どもが4分の1です。

全体の半分について遺留分の対象となり、その対象の中を法定相続割合に応じて、案分します。法定相続割合は配偶者と子供ではそれぞれ半分ずつになるので、以下のような計算式になります。

1/2(全体の遺留分割合) ×  1/2(法定相続分) = 1/4

なお、子供が二人いる場合は、子供同士で按分になりますから1/8になります。

ケース2: 配偶者と親

遺留分はそれぞれ配偶者が3分の1親が6分の1です。
全体の半分について遺留分の対象となり、その対象の中を法定相続割合に応じて、案分します。法定相続割合は配偶者と親ではそれぞれ2/3、1/3ずつになるので、以下のような計算式になります。

妻の分 1/2(全体の遺留分割合) ×  2/3(法定相続分) = 1/3

ケース3: 配偶者と兄弟姉妹

遺留分はそれぞれ配偶者が2分の1兄弟姉妹はありません

この場合には、兄弟姉妹に遺留分がないために妻が1/2遺留分を取得することになります。

ケース4: 親のみ

遺留分は親全体で1/3となります。

もし両親が存命の場合には、その半分ずつが遺留分となりますし(1/6)、実父母と養父母すべて存命中の場合には、それぞれが1/3の1/4、つまり1/12が遺留分ということになります。

遺留分の計算方法

それでは割合が分かったところで、具体的な遺留分の計算方法に入っていきましょう。以下のようなプロセスで計算をしていきます。

ここでは例として、

・父親、母親、息子1人、娘2人
・父親の財産は不動産が3,000万円、現金が2,000万円の合計5,000万円。

の場合で、もし父親が亡くなった場合の遺留分の計算について説明していきます。

計算方法1.生前贈与を受けていた分を相続財産に足す(持ち戻し)

相続人の誰かが、マイホームを買ってもらったなど生前に贈与を受けていた場合は、その分の金額を相続財産に加える「持ち戻し」を計算しなくてはいけません。

例) 長女が結婚資金として300万円を出してもらっていた: 5,000万円+300万円=5,300万円。

ただし、遺留分を侵害することを知らない場合には、1年以内の贈与に限られます。侵害することを知らないで行った、1年以上たった贈与は持ち戻しは認められません。

なお、不相当な対価でなされた場合にもこの贈与と同じ考慮がなされます。不相当な部分を加算します。

計算方法2.債務(借金など)を引いて相続財産の額を確定させる。

借金がある場合には相続財産の額から差し引きます。

例) 不動産の銀行ローンが500万円残っている: 5,300万円-500万円=4,800万円。

計算方法3.遺留分割合を掛けて、個別の遺留分金額を出す。持ち戻し分は差し引く。

算出した相続財産に、それぞれの遺留分をかければ個別の遺留分が計算できます。持ち戻しを受けた相続は、その分差し引きます。

例) 母親の遺留分: 4,800万円 × 1/2(遺留分) × 1/2(法定相続分) = 1,200万円

例) 長男の遺留分: 4,800万円 × 1/2(遺留分) × 1/6(法定相続分) = 400万円

例) 長女の遺留分: 4,800万円 × 1/2(遺留分) × 1/6(法定相続分)-300万円 = 100万円

例) 次女の遺留分: 4,800万円 × 1/2(遺留分) × 1/6(法定相続分) = 400万円

遺留分の侵害

遺留分の金額が計算できたら、それをもとに話し合うことになります。

もし遺留分の金額よりも少ない額しかもらえないようであれば、

遺留分 - もらう予定の額 = 遺留分侵害額

として足らない額を請求することができます。

遺留分を無視した遺言は無効?

遺留分を侵害するような遺言でも、遺留分を行使するかどうかは相続人次第です。
ですので、このような遺言も法的には有効です。
有効であることを前提にして次の遺留分減殺請求を行うのです。

遺留分を侵されていると知ったら

相続人であるあなたが遺留分に満たない財産しかもらっていない場合、どうしたらよいのでしょうか?

実は、遺留分は受ける権利のある人が主張しないと効果がありません
遺留分を侵害された人が遺留分を取り戻すことを遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)といいます。
あなたは遺留分減殺請求をすることで、遺留分相当の財産を受け取ることができます。

減殺請求の方法1 内容証明郵便と交渉

実際の遺留分減殺請求は内容証明郵便を使って実行することが多いです。
ご自身で、この請求をすることも可能ですが、行政書士、弁護士などの専門家に相談してからが良いでしょう。

なお、遺留分減殺請求は内容証明郵便で送ってからは相手と交渉することになります。そのまま支払ってくれるのであればよいのですが、一般的にはもめるケースが多いと言われています。

とくに、先方からかなり安い金額での譲歩を求めてくる場合には、交渉をやめて裁判所での調停を行うべきと思われます。

減殺請求の方法2 調停

裁判所にて調停員とともに話し合いをするのが調停です。遺留分の請求は法律上当然に認められるものですから、基本的にはほぼ認められることでしょう。

減殺請求の方法3 訴訟

調停でももつれた場合には、裁判となります。調停で納得のいかない場合ですね。

請求金額が140万円を超える場合と超えない場合で訴えを提起する裁判所が異なるのでご注意ください。前者は地方裁判所、後者は簡易裁判所となります。

遺留分減殺請求には時効がある

ただし、この権利には時効があり、「遺留分を侵害していることを知ってから1年、または相続が開始してから10年」となります。

そもそも亡くなったことを知らなかった場合は10年ですが、通常は遺言などで相続割合を知るときなので亡くなったときから1年以内と思っていたほうがいいでしょう。

遺留分は生前に放棄ができる

配偶者と子どもが法定相続人だったとして、「母さんが全部受け取りなよ」と、子供も配偶者が100%相続を受けることに賛成しているケースもあります。
そんなときには逆に遺留分は邪魔になってしまうため、遺留分をそもそも生前に放棄しておくことが可能です。
ただし口約束などでは認められず、家庭裁判所での手続きが必要ですので、弁護士などの専門家へ相談しましょう。

遺留分減殺請求の注意点

遺贈と贈与が複数あった場合は

  • 遺留分がない人への遺贈と贈与が両方あった場合には、まず遺贈から遺留分減殺の対象になります。

  • 対象となる遺贈が多数あった場合には、その割合に応じて遺留分減殺がなされます。

  • 遺贈に対して遺留分請求をしてもまだ足りない場合には次に贈与されたものが対象となります。

  • 対象となる贈与が多数あった場合には、直近の贈与から遺留分減殺の対象になります。

なお、贈与というと生前の贈与を思い浮かべる方も多いと思いますが、死因贈与といって、「なくなったらあげる」というものも含まれます

遺留分として受け取る財産に決まりはない

たとえば、相続財産が不動産のみの場合、その遺留分請求をすると、遺留分として不動産の一部を受け取らなければならないのでしょうか?
答えは、不動産でなくても構いません。金銭を受け取ることで遺留分減殺請求が解決されます。

遺留分減殺請求を受ける側の人の立場であれば、遺留分減殺請求に備えて、遺留分相当額の金銭を用意することで、不動産を引き渡さなくて済みます。

相続でもめないためには

遺留分の問題は、被相続人が遺言書をのこした場合に表面化します。よくありがちなのは、すべての財産を入籍していない後妻に渡すであるとか、子供の一人をのぞいて他の子供たちに相続させるであるとかいう場合です。

確かに、遺言者の思いとしてそのようにしたいのはわかりますが、のちのち遺留分のもめごとで困るのは、その相続人である当事者です。

自分の家族である相続人を信頼したいのはわかりますが、亡くなったあとのことはその時になってみないとわからないものです。

ですから、遺言書を作成するときには、必ず遺留分を確認し、遺留分対策をした上で作成しましょう。

具体的には以下のような対策案があります。

・遺留分を侵害しないように財産の分け方を考え、遺言書にあらわしておく。

・遺留分減殺請求がされることを前提に、遺留分の金額分の預金や保険を残す

・あらかじめ、遺留分権利者に遺留分放棄をしてもらう。

実際に対策を行う際には、遺言書作成時に専門家にご相談ください。

遺留分の計算方法について相談事例

私の主人には前妻がいます。前妻との間には子どもが1人います。主人は遺言書に、不動産は妻である私に、現金1,000万円は前妻との子どもに渡す、と書くようです。この場合の、前妻の子どもの遺留分はいくらでしょうか?

行政書士先生の回答⇒前妻の子どもの遺留分は1/4です。不動産の金額次第ですが、仮に2億円の不動産だとすると、この不動産の遺留分だけでも5,000万円となります。

 

まとめ

遺留分とは、聞き慣れない言葉ですが、相続でもめる場合はこの言葉が原因となっているケースが非常に多いです。

既に相続が発生していて、遺留分が気になるときはまずは弁護士に相談するのが良いでしょう。弁護士であれば、相続人間での遺留分の紛争解決についてのアドバイスを受けることができます。

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