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遺言状の保管方法・保管場所まとめ

遺言書 2015年11月30日 閲覧数:898

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遺言書は、自分が亡くなった後に「何を」「どうして欲しいのか」といった希望を残された家族に対してお願いをするためのものです。

一般的には財産分与、つまり遺産分割に関する内容を書き遺すためのものと解釈されますが、葬儀の方式や連絡をして欲しい人、お墓に関することなどを書き遺すことも多いです(ただし法律的な効果を持たせられるものについては民法上の指定があるので注意が必要)。

よく遺言書を捨てられたり改ざんされたりすることを恐れるあまり、遺言書の存在自体を秘密にしていたり絶対に見つけられないような場所に隠していたりする人がいますが、これは遺言書の目的を考えると良いことではありません。なぜなら被相続人が自ら保管していた遺言書は、残された家族が遺言書を見つけて開封してくれない限りその内容が実行されないからです。

遺言書には3種類ある

遺言書というのは厳密に言うと法律上以下の3つに分類されます。

1. 自筆証書遺言

自筆証書遺言は、自分で書いて自分で保管するタイプの遺言です。

メリット

  • 遺言書を書いたことや遺言書の内容を誰にも知られることがない
  • 思い立った時にすぐ作成出来る
  • 費用が一切かからない


デメリット

  • 専門家や第三者のチェックが入らないので、遺言者の死後に遺言書の内容を巡って何らかの揉め事が発生した時に、遺言書が求められる法律的な要件を満たしていないために「無効」となる可能性がある
  • 保管場所を忘れたり、遺言書を(故意にせよ過失にせよ)捨てられてしまう、開封されて改ざんされてしまう、といった保管上の問題がある
  • 自分の死後、誰にも発見されずに終わってしまう可能性がある
 

2. 公正証書遺言

「公正証書遺言」は、これは法務大臣によって任命された「公証人」に作成してもらうものです。

メリット

  • プロである公証人が作成する遺言書なので、書式や形式上の不備は絶対に起きない
  • 公正証書遺言は公証人役場で保管してくれるので、遺言書をなくす、改ざんされる、捨てられるといった保管上の問題ほぼありません。


デメリット

  • 遺言書の作成には証人2人を同行する必要があること
  • 費用が掛かる
 

3. 秘密証書遺言

秘密証書遺言は、自分自身で作成した遺言書を公証人役場へ持って行き、公証人に「遺言書の存在」のみを公証してもらうものです。公証人は遺言書の内容には一切関与せず、その遺言書がどこの誰が作成したものであるかを証明するのみとなります。

メリット

  • 遺言書の内容を第三者に知られることなく自分だけの秘密に出来る
  • 遺言書そのものは自分が書いたものに間違いないことを保証してもらえること


デメリット

  • 公正証書遺言と同様に証人が2人必要
  • 費用が掛かる
  • 保管は自分自身でする必要があるので、保管上の問題が生じる可能性がある
  • 内容や書式に法律上の不備があっても誰も指摘してくれないので、自分の死後に遺言書の有効性が問題になる場合がある


以上3種類の遺言をご紹介しましたが、「遺言書をどこにどうやって保管すれば良いのか」という心配は、どのように相続人に伝えるのかによって検討が必要となります。
 

遺言書をどこで保管するべきか

どこで保管するべきかを考える際、一方において、遺言書をオープンにしておくという考えもあります。この場合、皆が納得した遺言書であることが前提と思います。しかも、皆で内容がわかっていてお互いに知っていれば偽造されることもなく、もっともスムーズな相続手続きになるでしょう。

他方で、遺言書をオープンにすると争いになるため、やはり秘密にしておきたいという方も多いです。
特に、自筆証書遺言と秘密証書遺言は、内容についてほとんど誰にも知られない点メリットはあります。しかし、自らの責任において保管をしなければいけないわけですが、遺棄や改ざんを恐れて自宅の中の見つかりにくい場所に保管しがちです。そうすると、自分の死後に発見される可能性が低くなります。

これでは、元も子もないので、そのため自宅以外の場所で保管することを強くお勧めします。が、どうしても自宅で保管したい場合は家族や親族の中の信頼出来る誰かに遺言書のありかを伝えておくべきです。

銀行の貸金庫

自宅以外の保管場所として最もポピュラーなのは「銀行の貸金庫」でしょう。ほとんどの都市銀行、地方銀行が各支店に貸金庫を設置しており、その支店に口座を持つ人に対して有料で貸し出しています。

貸金庫の大きさや費用は銀行によってまちまちですが、1番小さい引き出しタイプの貸金庫であれば1年間で2万円前後で借りることが出来ます。多くの銀行で、向こう半年分から1年分の費用を前払いという形で口座引き落としにする、というケースが多いです。

貸金庫の借主が死亡した場合、銀行は直ちにその貸金庫を凍結します。これは銀行口座が凍結されてお金が一切引き出せなくなることと同じです。そして貸金庫を再び開ける時は、法定相続人全員の同意がなければ開けることが出来ません。銀行の信用度の高さや貸金庫の堅牢性については触れるまでもありませんが、少なくとも遺言書の遺棄や改ざんといったリスクは(貸金庫の鍵やカードをきちんと保管している限り)ほぼゼロになります。

また、自身が亡くなった後も貸金庫を借りていたことは比較的すぐに発覚しますし、貸金庫があれば当然開けるはずですので、遺言書の存在に気づいてもらえるはずです。

専門家事務所

もう1つ保管場所として考えられるのが「弁護士事務所」や「行政書士事務所」です。

弁護士と行政書士はいずれも遺言や遺言書を専門領域にしています。自筆証書遺言や秘密証書遺言を作成する場合、遺言書の下書きをこれらの専門家にチェックしてもらうのも良いでしょう。そして事務所によっては作成したこれらの遺言書の保管サービスを提供しています。

また、遺言書の内容を執行する人を「遺言執行者」として指定することが民法では認められていますが、弁護士や行政書士に遺言書の下書き、保管及び遺言執行者の全てを依頼する、というのも1つの方法でしょう。

信託銀行

最後にあまりポピュラーではありませんが1つ保管場所をご紹介すると「銀行の遺言信託サービス」というものがあります。これは信託銀行のみならず普通の銀行でも行っているものですが、遺言書の作成、保管、執行の全てが含まれています。

この場合、遺言の作成は原則として公正証書遺言となります。遺言と遺言書に関する全てのサービスをワンストップで受けられるのが最大のメリットですが、弁護士事務所や行政書士事務所に同様の依頼をするのに比べて費用が高額になる点がデメリットです。

最後に

財産を遺して亡くなる人が遺言書を遺すのはある意味「義務」であると思います。そしてさらに、その遺言書の内容はともかく、存在を明らかにしておくこともまた「義務」だと言えます。

せっかく書いた遺言書が発見されないまま、その内容と違った形で法律関係が確定してしまうと、遺言者はあの世で非常に悔しい思いをするでしょう。後々になって遺言書が発見された場合、しかもその内容が実際に確定させた法律関係(遺産分割等)と異なっていた場合は遺族が後味の悪い思いをすることになります。周囲の状況を鑑みて、適切な遺言書の作成と保管を行いたいものです。

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