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2015年1月1日相続税法改正!日本の相続税率の変遷を振り返ってみた

相続税の申告 2015年11月26日 閲覧数:732
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2015年1月1日から、いよいよ改正相続税法が施行されます。
我が国において現行の相続税法が施行されてから実に6回目の大型改正となります。

日本における相続税の起源は日露戦争だった!

日本における相続税の歴史をひも解く場合、太平洋戦争の終戦を境にして「戦前の相続税」と「戦後の相続税」とに分けて考える必要があります。
 

戦前の相続税

日本で初めて相続税の制度が出来たのは1905年です。
この時相続税が創設された最大の目的は「日露戦争のための戦費調達」でした。
同じ時期に同じ目的で創設された税や増税された税はたくさんありましたが、それらの多くは「平和回復後には廃止する」という旨が明文化されていました。

しかし相続税については永久的性質の財源とする、とされ、現在にまで至っています。
これは恐らく当時の明治政府が模範としていたヨーロッパ各国では既に相続税が一般財源化していたため、それに倣おうとしたものと思われます。

肝心の税率ですが、終戦時点での税率は最低で1.5%、最高で55%となっていました。
ただし相続が「家督相続」と「遺産相続」とで分けられており、家督相続の場合はより有利な税率が適用されていました。
つまり親から子へ財産が家督相続される場合、相続税は非常に少なくて済んだということです。
 

戦後の相続税

戦前の相続税は税率の累進性が低いことや、贈与税の課税がないことなどと合わせて戦後GHQから「財閥への富の集中を助長し、格差を著しく助長するものだ」として批判されました。

その後のいわゆる「シャウプ勧告」と1950年の相続税法改正へと繋がっていきます。
これが前述の「戦後の相続税」で、今の私たちに適用されている相続税の元になっています。

民法における相続

また、相続について定めている民法も1947年5月2日を境にいわゆる「旧民法」と「新民法」に分けて考える必要があります。
 

旧民法

旧民法において相続とは「家督相続制度」、つまり家制度の下での相続が行われていました。

各家には「戸主」という者がいて、戸主が亡くなると一身専属的なものを除いた全ての権利義務を包括的に戸主の長男に相続させる、という形が原則になっていました。
もしも男子がいない場合は女子の最年長者が相続していました。
 

新民法

新民法は正確には1948年1月1日の施行ですが、それよりも前に施行された日本国憲法の民主的な方針を反映させるために家督制度は適用されず、新民法では家督制度は廃止されています。

なお、法定相続分について現在は
「相続人が子と配偶者の場合=配偶者が2分の1、子が2分の1(全員で)」、
「相続人が父母と配偶者の場合=配偶者が3分の2、父母が3分の1(2人で)」、
「相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合=配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1(全員で)」
となっていますが、これは1981年に施行された改正民法に基づくものです。

それまではそれぞれ
「配偶者が3分の1、子が3分の2(全員で)」、
「配偶者が2分の1、父母が2分の1(全員で)」、
「配偶者が3分の2、兄弟姉妹が3分の1(全員で)」
となっていました。

旧民法から新民法への移行、そして1981年の改正で遺産相続における配偶者の地位が向上しています。
 

相続税の最高税率は90%の時代もあった!

シャウプ勧告を受けて1950年に施行された相続税法では最低税率が25%、最高税率が何と90%と定められました。

これは5,000万円を超える金額を相続する場合に適用されるものでしたが、それまでの最高税率55%に比べてあまりにも高すぎるということで国会に法案が提出された際には反対意見も根強くありました。

しかし一部の人々に富が集中することは国民の生産意欲を削いでしまうこと、所得税を減税することによって全体のバランスをとること、といった点が重視され、最終的には成立、施行に至りました。

その後1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効し、日本が連合国の占領から独立を果たします。
その直後に早くも相続税法改正の動きがあり、最高税率は一旦70%に引き下げられました。

その後75%になり、1988年まで続きます。

税率の変遷

1988年の税制改正

1950年に施行された改正相続税法が次に大きな改正を受けたのは1988年になります。

この時の改正の大きな目的は、バブル経済の発展に伴う地価高騰の影響を受けて相続税の課税対象者が急速な広がりを見せたことから、それを抑制する、ということでした。
そのため基礎控除をそれまでの2,000万円から4,000万円に引き上げています。

また、税率についても下は200万円までの相続で10%の税率を課していたのが、400万円までの税率で10%とし、上は5億円超の相続で75%だったものが70%となりました。
 

1992年の税制改正

その後も段階的に基礎控除の拡大と税率の軽減が行われました。
基礎控除は1992年改正で4,800万円、1994年改正で5,000万円となって2013年まで続くことになります。
税率については最低税率である10%が適用される金額が1992年改正では700万円以下、1994年改正では800万円以下、2003年改正では1,000万円以下、と底上げされています。

もしも仮に1,000万円の遺産を1988年の改正前に相続した場合、税率は25%が適用されていました。

それが1998年改正後から20%になり、1992年改正で15%、2003年には半分の10%になったわけですから、基礎控除の拡大と合わせて考えれば最近まで減税傾向にあったことがわかります。
一方の最高税率は1988年改正で「5億円超で70%」だったものが1992年改正で「10億円超で70%」、1994年改正では「20億円超で70%」、2003年改正では「3億円超で50%」となりました。
仮に6億円の遺産を1988年の改正前に相続した場合は75%の税率、1988年改正で70%、1992年改正で65%、2003年改正で50%となります。

2015年改正では

基礎控除が下がった

2015年に施行される改正相続税法では、まず基礎控除額がそれまでの「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」から「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に変更されます。

これによって税金を納める必要のある人が増えることが予想されています。
また、税率も「3億円以下で30%」までは変わりませんが、その上が今までは「3億円以下で40%」、「3 億円超で50%」と2つだけだったものが「2億円以下で40%」、「3億円以下で45%」、「6億円以下で50%」、「6億円超で55%」と細かく区分される上に最高税率が12年ぶりに引き上げられることになります。

つまり基礎控除を引き下げることによって広く浅く課税を行うと同時に、多額の遺産を相続することになる人に対しては税率を上げてより多くの徴税を行う、というのが今回の改正の目的です。
 

相続税は地価に連動する

そもそも1988年に行われた最初の相続税法の抜本的な改正以降一貫して相続税が減税傾向にあったのは、当初は地価高騰による納税者の拡大を抑制するため、その後バブル経済が崩壊、景気が低迷し始めてからは税負担を軽減するためという理由がありました。
しかし現在の地価はバブル絶頂期に比べて7割から半分程度に落ち着いています。

我が国の相続における相続財産は土地の割合が非常に高いため、地価が下がっているにも関わらず高騰する地価に配慮した施策をそのまま放置すれば多くの相続者が相続税を免れることになります。
事実、今の日本では相続全体に占める相続税納税者の割合はわずか5%程度です。

この点においては基礎控除の引き下げはある程度仕方のないことと考える向きもあります。
しかし一方の景気は一向に回復する兆しを見せていません。
短期的かつ局地的にみれば回復している時期や業界もあるでしょうが、何よりも国民全体の意識レベルでは景気回復には至っていないのが現状です。

まとめ

少子高齢化と景気の低迷により国の税収が落ち込んでいる昨今の状況を考えると、比較的増税しやすい税金を増税することによって税収を増やしていくことが求められています。
相続税の増税によって国民の間に重税感が広がり消費意欲が減退し、景気全体の足を引っ張ることがないか懸念する向きも少なくありません。
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