S.Y様の相続体験談:知らない姉妹・親戚がたくさんいた

相続をする時には亡くなってからの相続と亡くなる前の相続があります。もし相続に関係する人たちの同意が得られるのであれば、生前に相続をした方が良いでしょう。

すこしヤヤコシイ話なのですが、昨年親戚の伯父が無くなりました。
伯父には姉妹がいましたが70年以上会ったことの無い腹違いの姉妹です。高齢だったこともあり、相続権者を探しているうちに連れ合いだった叔母が亡くなってしまいました。生前にわずかばかりの情報を集めましたが、参考になるような内容ではありませんでした。もちろん2人とも遺言状などを書くようなことはなく静かに息を引き取ったのですが、あとから真実が分ってきてとても面倒なことになったのです。

やっとのことで探し出した伯父の姉妹はすべて亡くなっていました。でも嫁ぎ先で生まれたその子供たちがいたのです。4人の姉妹にそれぞれに子供がいて、相続権者は一気に10人増えました。もちろん会ったことの無い人たちでしたがその子供たち10人を探し出し、伯父の死亡を知らせました。ところが親戚であるはずの伯父の存在さえ誰も知らなかったのです。

実は情報を収集している段階で薄々こんなことになるだろうとは考えていました。これには歴史的な深い理由があって、当時は明治時代で一夫多妻制が認められていたらしく、伯父が生まれた大正初期でもその風習は続いていたようです。

伯父も含めすべての子が妾宅の子だったようで、正妻には子がいなかったのです。ですから親戚づきあいどころか、自分たちの親はその妾宅の出身だったことも隠して、一度養子に出てそれから嫁いで行ったのでしょう。皆それぞれに存在は知っていても、知らないで過ぎた70年の間に亡くなり、伯父の死後わずかな遺産のために嫁ぎ先を巻き込んで蒸し返してしまったのです。

しかも叔母には相続分が2/3ありますので1/3を伯父の姉妹の子10人で分けることになりました。ところが個人情報保護法のせいなのか詐欺ではないかと疑う人まで出てきて、相続者である同意がもらえずに随分と面倒な思いをしました。

伯父も叔母も長く施設で暮らしていたのでわずかな遺産しかなかったのですが、その伯父の1/3をおよそ1/10にした相続のためにアチコチの親戚の家で家族会議が開かれたと聞き、諸般の事情がある人こそ生前に遺産を分割しておいてほしいと思いました。

ちなみに私は叔母方にあたり、伯父方の戸籍謄本を取り寄せる時にも菩提寺に問い合わせするにも関連性がない事から情報収集まで大変苦労しました。個人情報保護も大切ですがルーツを探してみようなどと言う気持ちは今後一切起きないだろうと思ったほどこの遺産分割には苦労したと思っています。

オール相続からのコメント

勘違いをされているかと思いますが、兄弟・姉妹の法定相続分は3分の1ではなく4分の1です。よって親戚である甥っ子、姪っ子達の相続分も4分の1ですね。
体験者様のように、昔は複雑な家系をお持ちの家が多かったと思いますので、親戚関係をきちんと調べておくことが大切です。

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