家族葬って何?費用、流れ、注意点など

ここ数年、新しい葬儀のスタイルとして「家族葬」が大きな人気を集めています。

ここではそのあらましとマナー、費用や注意点などについてご紹介していきましょう。

そもそも家族葬とは何か

厳密な定義はない

家族葬という言葉に明確な定義はありませんが、一般的には「家族等の近親者のみで行う葬儀」ということになります。故人から見て配偶者や親兄弟、子といった本当に近い人だけで済ませるのか、あるいはいとこや古くからの親友等も含めるのか、といったようなことはケースバイケースです。特定の宗教や宗派に限って行われるものでもなく、仏教でも神道でもキリスト教でも家族葬はあり得ます。

密葬との違い

家族葬はよく密葬と混同されますが、この2つは明確に異なります。どちらも近親者等による葬儀を経て火葬場で火葬するというところは同じですが、家族葬はそれのみで完結するのに対して密葬は後日改めて本葬を行います。また、最近は葬儀を行わずに直接火葬場に行く直葬というスタイルも増えていますが、「葬儀の有無」という点で直葬と家族葬も異なります。

どこでとりおこなう?

家族葬は自宅でも行うことが出来ますが、自宅で行うとどうしても近所の人に知られて弔問客が集まってしまうので斎場を利用するのが一般的です。今は多くの斎場で家族葬専用の部屋を用意していますし、大手の葬祭会社では家族葬専用の小さな斎場を用意しているところもあります。このようなところではエントランスに故人が生前愛用していた品々を並べたり、写真を飾ったりとかなり自由なアレンジが可能なことがあります。通夜と告別式の間には宿泊が可能なところも多く、夜通し故人のそばに寄り添うことも出来ます。

家族葬が人気を集める背景

ひと昔前までの葬儀というのは家族や親戚縁者の多くはもちろんのこと、プライベートの友人知人、会社関係の友人知人、ご近所の人などかなりの広範囲から参列者が集まって行われるのが一般的でした。これは故人にとっては生前ゆかりのあった多くの人たちとのお別れが出来るという反面、遺された遺族にとってはいくつか困った問題がありました。

葬儀にくる人数はわからない

例えば葬儀に参列する人数を確定させることが出来ない、という問題です。葬儀は基本的に「来る者は拒めない」のが現実です。一方で参列者を迎え入れる喪家は、ある程度会葬者の数を予想していわゆる「通夜振る舞い」と言われる料理や酒、あるいは香典返しなどを用意する必要があります。すると「思ったより来なかったから料理が大量に余った」「予想以上に人が集まったので酒が全然足りなかった」というような見込み違いが起こり得るわけです。前者の場合は当然余計な出費につながりますし、後者の場合は参列してくれた人たちへ料理や酒が行き届かずに失礼になります。これは結局「葬儀費用がいくら掛かるのか計算しにくい」ということに繋がります。

遺族が忙しくなる

あるいは「遺族が故人とゆっくりお別れをすることが出来ない」という問題もあります。特に交友関係の広かった人や会社等に在職中の人が亡くなった場合、非常に多くの参列者が集まります。中には遺族に直接声を掛けて励まそうと面会を求めて来る人も出てきますし、大きい葬儀は当日も何かと葬祭会社から運営を巡って確認や了承を求められることがあります。つまり本来であれば故人に最も近しい位置にいて最も悲しみの深い遺族が様々なことに忙殺されてしまうわけです。一般会葬者への対応が原因で遺族によるしめやかな別れがおざなりになってしまい、「気づいたら火葬が終わってた」というのでは本末転倒と言わざるをえません。

儀礼のコンパクト化という時代の要請

また、儀式や儀礼を出来るだけコンパクトにしたいという時代の流れもあるでしょう。これは結婚式や披露宴が昔に比べて簡素で内輪だけのものになりつつあるのと同じだと思われます。

家族葬を行いたい場合はどうしたらよいか

近年では葬儀社がプランを用意している

葬儀を出す場合に通常は葬祭会社に依頼をすることになりますが、最近では多くの葬祭会社で「家族葬プラン」のようなものを用意しています。家族葬を希望する場合は内容を吟味した上でこのようなプランを利用すると良いでしょう。斎場も家族葬向けの部屋を用意しているところが非常に多くなっていますので安心です。

プランがない場合は?

もしもそのようなプランがない場合は「近親者のみの家族葬にしたい」という旨を明確に伝えるべきです。そうしないと一般会葬者の数を見込んだ通夜振る舞いのお料理等を用意されてしまいますし、斎場の前に「○○家通夜会場」といった看板が出てしまいそれを見た人がお焼香に訪れる、ということが懸念されるからです。

家族葬を行う際の注意点

「気心の知れた身内だけで執り行うことが出来る」「よく知らない弔問客に対応する煩わしさがない」というように良い点ばかりが強調されがちですが、注意したい点もあります。

費用の問題

まず家族葬にするからといって葬儀費用が劇的に安くなるわけではない、という点。葬儀の費用は大きく分けて喪家、一般会葬者を含めた飲食に掛かる費用と、柩や祭壇といった葬祭用具一式や葬祭場の利用に掛かる費用とがあります。家族葬にすれば会葬者数は減るので前者については安く済ませることが出来ます。返礼品なども同じことが言えます。しかし後者は家族葬にしたからといって大きく変動するものではありません。家族葬でも柩は必要ですし、祭壇も必要だからです。

費用という点では「会葬者が少ない=お香典の数も少ない」ということも覚えておかなくてはなりません。家族葬の場合は葬儀費用を香典で相殺するということはほぼ不可能です。

呼んでほしかったという声

そして家族葬の場合は通常故人の死を最小限の人にしか知らせずに後日公表することになりますが、その際に「なぜ知らせてくれなかったのか」「どうして葬儀に呼んでくれなかったのか」と非難を受ける可能性があります。また、故人の死を知った人が後日自宅へお焼香に訪れたり、お墓の場所を電話で尋ねてきたりと思わぬ対応に追われることもあります。そのため、家族葬に呼ばなかった人たちへどのように故人の死を知らせるのか、というところまである程度考えておく必要があるでしょう。

家族葬のまとめ

葬儀というのは本来、故人に対して感謝や哀悼の誠を捧げると共に安らかなる眠りを願って行うものです。旧来の家族葬は時として社会儀礼的なセレモニーになってしまいがちでしたが、それに対して家族葬は「本来の葬儀の趣旨に立ち返った」という考え方も出来るのかもしれません。

とは言え現状では葬儀の一形態に過ぎず、特に地方においては家族葬自体が認知、理解されているとは言えない状況です。そのため家族葬を行いたい場合は周囲の理解が得られるのかどうかをよく考える必要があります。葬祭業者では家族葬を希望する人向けの生前相談会なども開催してますので、そういった場も活用して家族葬に対する理解を深めると良いでしょう。

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