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遺産相続で裁判になった実例、判例をご紹介

裁判、調停 2015年12月4日 閲覧数:3856

遺産相続においてはいくつか裁判になった例もあります。ここではそんな裁判の実例、どのような結果となったかの判例についていくつかご紹介していきます。

遺産である建物が、相続開始後にも使われていたので裁判(最判平8.12.17) 

相続をするとすべての財産が共有になります。争われた事案を簡単にすると、Aさんが亡くなりBさんCさんが相続人になったとして、AさんとBさんが住んでいた建物にBさんが一人で住んでいたところ、Cさんが共有持分権を侵害されたとして賃料相当額を不当利得として返還請求を求めたものです。

原審(高裁)の判断は?

高裁では「自己の持分に相当する範囲を超えて本件不動産全部を占有、使用する持分権者は、これを占有、使用していない他の持分権者の損失の下に法律上の原因なく利益を得ているのであるから、格別の合意のない限り、他の持分権者に対して、共有物の賃料相当額に依拠して算出された金額について不当利得返還義務を負うと判断して、被上告人らの不当利得返還請求を認容すべき」として、Cさんの請求を認めました。

これに対して最高裁は異なる判断をした

最高裁は、「共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と右同居の相続人との間において、被相続人が死亡し相続が開始した後も、遺産分割により右建物の所有関係が最終的に確定するまでの間は、引き続き右同居の相続人にこれを無償で使用させる旨の合意があったものと推認されるのであって、被相続人が死亡した場合は、この時から少なくとも遺産分割終了までの間は、被相続人の地位を承継した他の相続人等が貸主となり、右同居の相続人を借主とする右建物の使用貸借契約関係が存続することになるものというべきである。」として、不当利得返還請求を退けました。

他人の添え手で作られた遺言書は有効なのか、をめぐって裁判(最判昭62.10.8)

他人の添え手による補助を受けてされた自筆証書遺言が「自筆」といえるかについて争われました。

最高裁の判断は?

「自筆証書遺言は遺言者が遺言書の全文、日附及び氏名を自書し、押印することによつてすることができるが(民法九六八条一項)、それが有効に成立するためには、遺言者が遺言当時自書能力を有していたことを要する」とした上で、

「右にいう「自書」は遺言者が自筆で書くことを意味するから、遺言者が文字を知り、かつ、これを筆記する能力を有することを前提とするものであり、右にいう自書能力とはこの意味における能力をいうものと解するのが相当」とし、

「本来読み書きのできた者が、病気、事故その他の原因により視力を失い又は手が震えるなどのために、筆記について他人の補助を要することになつたとしても、特段の事情がない限り、右の意味における自書能力は失われないものと解するのが相当」として、自筆証書遺言の要件を満たすことを判示しました。

死亡退職金をめぐっての裁判(最判昭62.3.3)

財団法人の理事長である父が亡くなり、母親に対して支払われた死亡退職金について、子が分割するように請求して裁判になった事例です。

最高裁判所はどのように判断したのか?

最高裁は、「死亡退職金は、Dの相続財産として相続人の代表者としての被上告人に支給されたものではなく、相続という関係を離れてDの配偶者であつた被上告人個人に対して支給されたものである」として、子らの請求を退けました。

見つかった遺言書を捨ててしまった場合、それが利益目的でなくても相続の資格を失うのか?をめぐっての裁判(最判平9.1.28)

相続人の一人が遺言書の破棄隠匿行為をしたのですが、その目的が相続に関する不当な利益を目的としないものであったときでも891条5号にあたるのか?ということです。

最高裁はどのように判示したのか?

まず、891条5号の趣旨が「遺言に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して相続人となる資格を失わせるという民事上の制裁を課そうとするところにある」とした上で、「遺言書の破棄又は隠匿行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、これを遺言に関する著しく不当な干渉行為ということはできず、このような行為をした者に相続人となる資格を失わせるという厳しい制裁を課することは、同条五号の趣旨に沿わない」として、891条5号の適用はされず、相続欠格にあたらないとしました。

相続回復請求権の時効をめぐっての裁判(最高裁判所昭和53.12.20)

事案は複雑なのですが、端的にまとめると、共同相続人の一人が除外された状態で相続手続きが行われました。

そのことを知っていながら5年後に除外されていた人からの請求については相続回復請求権の請求として5年の消滅時効にかかるとして排斥されるのか?という事が争われた事案になります。

判例では以下のように判事されました

『共同相続人の一人甲が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分につき他の共同相続人乙の相続権を否定し、その部分もまた自己の相続持分に属すると称してこれを占有管理し、乙の相続権を侵害しているため、乙が右侵害の排除を求める場合には、民法八八四条の適用があるが、甲においてその部分が乙の持分に属することを知つているとき、又はその部分につき甲に相続による持分があると信ぜられるべき合理的な事由がないときには、同条の適用が排除される。』

最高裁判所昭53.12.20の判例の結論は?相続回復請求権として時効になったのか?

この案件では、共同相続人の一人を排斥していることを、他の共同相続人が知っていました。

そこで、884条の適用が排除され、排斥されていた相続人は相続権を主張することができた事案になります。

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