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公正証書遺言がおすすめの理由と書き方、作成方法のまとめ

公証役場で作ってもらう、法的効力の強い遺言です。

遺言書 2015年12月4日 閲覧数:594

公正証書遺言とは、公証役場で作成する遺言書のことです。遺言書は自筆で作成することも可能なのですが、専門家始めあらゆるところで公正証書遺言を勧められます。

この記事では、公正証書遺言のおすすめの理由と、その書き方・作り方などについて解説していきます。公正証書遺言がよいのか自筆証書遺言がよいのか、公正証書遺言で作成するときのポイントなどがお分かりになればとおもいます。

公正証書遺言とは?
 自筆遺言では問題がある
 遺言書を作るメリット
 公証証書遺言のこれまでの作成件数
 公証証書の特徴
公正証書遺言のメリット
 効力の高い公正証書遺言を作成できる
 聴覚や言語に障害がある場合でも作成できる
 公正証書遺言は見つかりやすく、破損もしない
 すぐに遺言が執行され、銀行預金が凍結されない
 不動産登記の移転が可能
公正証書遺言のデメリット
 自筆証書より費用が高い
 証人を用意する手間
公正証書遺言書に書ける内容
 ●●に何割の財産を渡す。(相続分の指定)
 ●●に不動産を渡す。(分割方法の指定)
 ●●には相続させない。(相続人の廃除)
 遺留分は請求しないように。(遺留分減殺請求方法の定め)
 お墓は●●に。(祭祀主宰者の指定)
 死後●年間は分割を禁止。(遺産分割の禁止)
 遺言執行者は●●に。(遺言執行者の指定)
 付言(残された家族に対する言葉)
公正証書遺言の作り方・書き方・作成方法
 相続人の確定
 相続財産の確定
 だれに何をどの程度相続させるかを決定
 遺言の文面を決定
 必要書類の用意
 本人に認知症の診断がおりている場合
 証人の用意
 公証役場における作成手順
 公証証書のとした場合の手数料
 専門家に依頼した場合の報酬は10万円から
まとめ 遺言書は公正証書遺言がおすすめ

公正証書遺言とは?

自筆遺言では問題がある

公正証書遺言とは、公正証書として公証役場で作る遺言書のことです。ここにいう公証役場は、法務省法務局管轄の役場で、裁判官や検察官を経験した専門家が公証人として配属されている役所です。

公証人の役割としては公的な立場で、公平・中立の観点で契約書などの証明や認証をすることです。遺言書や不動産の契約書、離婚の契約書など様々な契約書を公正証書として作成・認証してくれます。会社の設立時に定款を認証するのも公証人です。

公証役場で作成された書類は公的な書類となり、信用力がぐっと高まります。ここで作成された書類をもとに強制執行を行ったり、登記申請が可能になったりします。

ところで、遺言書には自筆で作成できる自筆証書遺言があります。確かにこの遺言書も法律上有効なものとして認められています。

しかし、以下の2点で課題があります。

自筆証書遺言の課題

一つは、自筆証書遺言をそのまま手続きに利用しても、預金の名義書換え、登記名義の書換えなどが認められない点です。認められるためには、裁判所に出向いて自筆証書遺言の検認手続を行う必要があります。この手続では、相続人全員が顔を揃える必要がありますから、手続きが面倒な上に、争いのたねになる可能性もあるのです。

二つ目は、自筆証書遺言は本人が手書きで作成する方式なのですが、本人の自筆かどうか、書いたときに認知症を患っていなかったかどうかなどの疑いが生じる点があります。このような疑いが少しでもあると相続人間の争いとともに、遺言無効の裁判になってしまう可能性があるのです。

公正証書遺言ではこれらの課題がほぼ克服できます。

公正証書遺言を勧める理由

公正証書遺言のままで預金の名義書換え、登記名義の書換えなどが認められます。何しろ、法務局管轄の役所が作成した公の書類ですから、検認手続は不要で信用力が高く、銀行や法務局でそのまま利用できるので効力が強いといえます。

また、公証人が作成する際には本人の意思をしっかりと確認します。認知症の疑いがある場合や強制的に作成されているような場合には、公証人は作成をしません。

本人に、遺言能力が必要と法律上もとめられているからです。この遺言能力は本人の物事に対する判断ができる場合に認められますが、認知症を発症している場合には遺言能力を認めることは困難であるといえます。

ですから、本人に遺言能力がないと公証人が判断した場合には、公正証書遺言を作成しません。逆に、作成をした場合には、遺言の意思が確認された書面であるといえます。

そもそも公正証書遺言は公証人以外の他人が遺言書を作成するというものでもありませんから偽造などの問題が生じることもありません

以上のことから、自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言が勧められるのです。

なお、公正証書遺言は本人が公証役場に出向くことができない場合でも作成できます。公証人が病院や自宅へ訪問し、その場で本人の意思を確認しながら作成するのです。ただし、費用は通常の1.5倍かかります。

遺言書を作るメリット

ところで、なぜ遺言書が必要になるのでしょう?

法定相続人以外の者に相続させるため

「生前お世話になった方へ、少しでも相続財産を渡したい」そう思う方は多いと思います。しかし、例えば、自分に献身的に介護をしてくれた長男の嫁などは、「法定相続人」ではありません。

長男の妻や孫、内縁の妻など法定相続人以外の人に財産を相続させるなど、被相続人自身の意思を反映させた相続を行うために遺言書が必要となのです。遺言書がないと、被相続人の生前の意思は反映されません。
 

特定の財産を特定の相続人に相続させるため
また、もし被相続人が遺言書を残していなかった場合には、被相続人の財産は、亡くなった瞬間に相続人全員の法定相続分の割合で共有していることになります。

遺産分割協議は、相続人全員で行う必要がありますから、相続人全員の合意が得られないと、遺産分割協議はできません。相続人が複数人いる場合、相続手続きが複雑になり、相続人が増えれば増えるほど、意見をまとめることは難しくなります。
 

公証証書遺言のこれまでの作成件数

件数

1989(平成元)年

40,935

1993(平成5)年

47,104

1998(平成10)年

54,973

2003(平成15)年

64,376

2008(平成20)年

76,436

2012(平成24)年

88,156

2014(平成26)年

104,490

公証証書遺言を作る人はどんどん増加しています。とくにこの10年間では2倍近い伸びを見せています。

近年では相続にまつわるトラブルがテレビ・新聞・雑誌などさまざまなメディアで報道されるようになりました。相続トラブルを事前に防ぎたいと思う人が多くなってきたのが、遺言作成件数が増えている要因の一つでしょう。

加えて2015年からは相続税の対象も広がり、相続について考えなければいけない人が増えてきたのも要因といえます。

年間で亡くなる方は120万人以上いらっしゃいます。それから考えると、自筆(手書き)で作っている方を含めても遺言を準備されているのは10%程度かもしれません。

なお、欧米では遺言の作成率が50%を越えているといわれています。また、エンディングノートの件数も増えており、遺言もまだまだ拡大していくでしょう。
 

公証証書の特徴

公正証書は自分で保持するものに加えて、原則20年間は作成した公証役場でも保管されています。遺言の場合は遺言者の存命中は20年以上保管してくれます。

電子データでも保管されているので検索もできますし、自然災害などによって公証役場が被害を受けたとしても安心なシステムになっています。

公正証書の原本、謄本、正本

原本

公証人が作成し、本人及び証人二人の印鑑を押して完成したものです。

公証役場に保管されています。

謄本

原本の内容を全部写した書面です。本人に渡されます。

正本

手続き上で原本が必要となったときに、公証人などが作成した原本と同じ内容の書面です。

公正証書遺言のメリット

効力の高い公正証書遺言を作成できる

すでに述べた通り、公正証書遺言は国によって選ばれた法律の専門家である公証人が作成し、法的に有効性の高い文章である公正証書として作ってくれますので、書き間違いなどがない「内容は法的にほぼ完璧」な遺言書を作ることができます。

本人の意思を確認したうえで、様々な適切なアドバイスをもらうこともできます。

従って、書かれた内容に問題があって遺言が実行されない、といったことは絶対になく最善な遺言書となります。

聴覚や言語に障害がある場合でも作成できる

例えば、酸素ボンベが外せない方であっても、耳が聞こえない方であっても専門の通訳を通すことや筆談をまじえて会話が可能であれば作成できます。

ご本人の意思が確認できればよいため、方式は柔軟に対応可能になります。

公正証書遺言は見つかりやすく、破損もしない

公証役場に原本がそのまま保管されるため、手元の正本・謄本が紛失・滅失した場合でも公証役場で謄本(写しの意味)を発行してもらうことができます。

また、相続発生時には公証役場のシステムで遺言があるかどうかを簡単に検索できるため、相続人にとって見つかりやすい仕組みになっています。

すぐに遺言が執行され、銀行預金が凍結されない

すでに公的な文書として認定されているため、
自筆証書遺言のように裁判所で検認手続を経る必要がなく、
相続開始時に手続きがスムーズに進みます。
銀行預金も解約・払い戻しの手続きをすることができます。

不動産登記の移転が可能

上記文章に関連しますが、特に遺産分割協議書を作成する必要もなく、相続による登記移転が可能となります。なお、不動産登記の移転には、公正証書遺言の他に相続関係説明図と登記申請が必要で、それ以外には戸籍や登記簿などの必要資料で十分になります。

公正証書遺言のデメリット

自筆証書より費用が高い

公正証書として作成してもらうための費用がかかります。費用は相続財産額に従って変動しますが、相続財産が5,000万円以内なら10万円以内で作成できることが多いと思われます。

なお、病院や自宅への訪問の場合には、通常の費用の1.5倍となります。

証人を用意する手間

遺言を作りたい自分以外の証人を2人以上、一緒に立ち合ってもらう必要があります。
何のつながりのない第三者でかまいませんが、相続人になる予定の人、そして未成年者は証人になれません。
 

公正証書遺言書に書ける内容

●●に何割の財産を渡す。(相続分の指定)

お子さんの誰かや、配偶者など、相続人になる人たちにどの程度の割合の財産を渡すかを書くことができます。

「1/3をAに」のように割合を書いたり、「Bに一切を相続させる」と全てを渡すように書いたりできます。

●●に不動産を渡す。(分割方法の指定)

財産には銀行預金や不動産、株などいくつかの種類があると思います。

「不動産をAに」など特定の財産をそれぞれ指定することもできますし、「AはそのかわりにBに○○万円を払う」という代償分割の指定などもできます。

●●には相続させない。(相続人の廃除)

相続人になる予定の人が、「重大な虐待、侮辱、非行」などをしていた場合、相続人からはずすことができます。

遺留分は請求しないように。(遺留分減殺請求方法の定め)

本来もらえる相続割合よりも低かった場合に、その相続人が遺留分を請求できる権利があります。

これは、自筆証書遺言でも公正証書遺言でも変わりません。

公証人はできるだけ、この遺留分を侵害しないような文言にしましょうとアドバイスをしてくれます。中には、それでも遺留分を請求しないでほしいという文言にこだわる方もいらっしゃいますが、強制力はありません。

後々にもめる原因にもなりますので、遺留分は侵害しない内容にしましょう。

お墓は●●に。(祭祀主宰者の指定)

お墓や仏壇などを誰に守ってもらいたいか、葬儀や法事などを誰にやってもらいたいかを指定することができます。

死後●年間は分割を禁止。(遺産分割の禁止)

5年以内であれば、分割をさせない(相続をさせない)ことを指定することが可能です。

遺言執行者は●●に。(遺言執行者の指定)

遺言の内容どおりに手続きをすすめる「遺言執行者」を指定することができます。相続人のうちの誰かでも構いませんし、士業などの専門家でも構いません。

できれば、専門家がおすすめといえます。

遺言執行者は、財産目録を作成し、実際に相続財産の名義書換えなどの手続きを行いますので事務処理に慣れているのが望ましいといえるからです。

また、専門家などの第三者が遺言執行者に就任すると、相続人間での手続き条のトラブルにもなりにくく、公平公正で迅速な手続きが可能になります。迅速な手続きがなされると、更なるトラブルを防ぐこともできます。

なお、財産ごとに遺言執行者を分けるということも可能です。

A不動産については長男が相続し、B不動産については次男が相続するという場合があるとします。この場合、A不動産は長男が遺言執行者に、B不動産は次男が遺言執行者に指定することも可能なのです。

付言(残された家族に対する言葉)

家族に対する思いや、財産の分け方の理由など自由に記載することができる付言というのがあります。公正証書遺言の中身ではありませんが、残された家族にとっては、本人の思いを知る重要な記述であることは間違いありません。

付言における記載は財産の分け方などの理由となりますので、記載がある方が後々の相続手続きにおいて争いを防ぐことも可能です。

公正証書遺言の作り方・書き方・作成方法

実際に公正証書遺言を作ろうと思ったら、行政書士・弁護士・司法書士等に依頼をして以下のプロセスで進みます。

相続人の確定

遺言を作りたい方の戸籍を用意し、だれに相続させるのかを特定します。これと同時に法定相続人(法律上認められる相続人)も調査しておくことも望ましいです。法定相続人は遺言者の戸籍謄本等から調査ができます。

相続財産の確定

遺言を作りたい方の財産を確定させます。銀行の預金通帳、不動産の謄本、株などの取引明細、といった資料をそろえます。

だれに何をどの程度相続させるかを決定

法的な点を考慮しながら、資産の配分を決定します。なお、相続税の支払いや不動産の処分なども考慮した相続分割案ですとよりよい遺言書となるでしょう。

遺言の文面を決定

相続人、相続財産、その割合が決定したならば、すべてを文面に書き出します。なお、実効性を高めるために遺言執行者を指定しておくことをおすすめいたします。

必要書類の用意

必要書類は以下の通りになります。

必要書類

収集窓口

本人の印鑑登録証明書

住所地の市区町村役場

本人と相続人の関係を証明する戸籍謄本、改製原戸籍など(すべて)

本人または相続人の本籍地の市区町村役場

相続人以外の第三者に遺贈する場合にはその第三者の住民票

第三者の住所地の市区町村役場

固定資産評価証明書または固定資産税納税通知書

不動産所在地の市区町村役場

預金通帳の銀行名、支店名、口座番号等

本人所有の通帳

※なお、口座番号は口座を特定して相続させる場合に必要であり、特定する必要がない場合には口座番号は不要です。

不動産の登記簿謄本

不動産所在地の法務局

※不動産の記載をする場合には登記簿謄本の情報に基づく必要があります。それ以外の情報では認められません。

証人の運転免許証などの証明情報と職業情報

証人から交付してもらい、当日も持ってきてもらいます。

本人の実印と証人の認印

証人の認印は実印でなくともよいです。

公正証書の費用

現金で用意します。

本人に認知症の診断がおりている場合

本人に認知症の診断がある場合ですが、そのままでは遺言能力がないとして作成が難しくなってしまいます。

しかし、認知症の症状にも程度があります。軽度な場合には、本人の意思表示が可能な場合が多いと思われます。

一般的に、遺言能力があるかどうかについては、「遺言の内容が、遺言者の保有する財産の量、種類、受遺者との関係、財産の配分の内容等の事情によって多様であるため、個々の事案ごとに、遺言者の遺言当時における判断能力の程度、年齢、病状、前後の言動、日頃の遺言に対する意向、遺言者と受遺者との関係等の事情を考慮し、遺言の有効・無効によって利害関係を受ける者の間の利害の調整を図りながら判断される」といわれています。

ですから、公証人としては、本人の意思を尊重し、残していくべきとの考慮のもと、本人の意思表示に問題はない旨を記載がある医師の診断書を条件に作成する場合があります。

認知症だから難しいと判断するのではなく、軽度な認知症の場合には、専門家と相談しながら作成が可能か公証人に聞いてみるのも一つです。

ただし、公正証書遺言であっても、遺言能力がないとして否定された裁判例もありますので、ご注意ください。

証人の用意

公正証書遺言を作成する場合には、証人が2名必要になります。専門家に遺言書作成を依頼する場合には、その専門家ともう1名を用立てしてくれますが、自分で探すこともできます。

ただし、以下の人は証人にはなれません。

・未成年者

・推定相続人、受遺者及びその配偶者並びに直系血族

・公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇人

 

特に、推定相続人や受遺者及びその配偶者、直系血族は、財産をもらう立場にある者またはそれと同等といえる者なので、証人にはふさわしくありませんね。

公証役場における作成手順

公証役場に連絡をし、訪問する日時を決定します。

当日は、証人2人とともに訪問し、原則としては以下の手順に従って作成します。

(1)遺言者が公証人に遺言の内容を口述、公証人は内容を書き取る。

(2)公証人は書いたものを遺言者および証人に見せて確認。各自が署名捺印。

(3)公証人が署名捺印して原本を保管し、正本と謄本の交付を受ける。

ただし、実際には、(1)と(2)については、あらかじめ作成していることがほとんどです。直接公証役場にいって作成する場合には、何度か公証役場に通って案文を作成することになるでしょう。

行政書士、司法書士などの専門家を利用した場合

行政書士、司法書士などの専門家に依頼した場合には、以下のような手順になるでしょう。

(1)専門家が本人の遺言の内容を確認し、遺言書の案文を作成するとともに、本人に内容確認を行う。

(2)内容確認がされた遺言書の案文と必要書類を公証役場に提出し、公証人と内容確認を行い、公証人に案文を作成してもらう。案文が作成されたら本人に再度確認する必要がある。

(3)本人と公証人から確認とれたら、公証役場への訪問日時を確定する

(4)公証役場では、具体的には以下の流れで手続きがすすむ

  (ⅰ)印鑑登録証明書と実印を照らしあわせて間違いがないかどうか、本人かどうかを確認する

  (ⅱ)本人から再度、遺言の内容を話してもらう

  (ⅲ)公証人が公正証書遺言の内容を読み上げ、本人に確認する。

  (ⅳ)問題がなければ本人及び証人二名が原本に署名捺印をする。

  (ⅴ)公証人から公正証書遺言の正本と謄本の2通の交付をうける。

  (ⅵ)公証役場の手数料を支払う。

専門家を交えた場合には、専門家が戸籍謄本や不動産全部事項証明書など必要書類を収集したり、公証役場との間を取り持ってくれますので、だいぶ楽になることでしょう。

なお、専門家に依頼してから公証役場での作成までは早いと1週間程度、遅いと1ヶ月半程度かかる場合があります。これは、必要書類の収集や遺言の内容の難易度、さらに公証役場の混み具合などによって影響します。

公証証書のとした場合の手数料

公証役場で公正証書を作るためには、手数料がかかります。遺言の場合は相続財産の額など、目的とする金額に応じた手数料がかかります。

この相続財産の価額ですが、財産を分ける相続人ごとにかかる計算になります。

相続財産の価額

(目的の価額)

手数料

100万円以下

5000円

100万円を超え200万円以下

7000円

200万円を超え500万円以下

11000円

500万円を超え1000万円以下

17000円

1000万円を超え3000万円以下

23000円

3000万円を超え5000万円以下

29000円

5000万円を超え1億円以下

43000円

1億円を超え3億円以下

4万3000円に5000万円までごとに1万3000円を加算

3億円を超え10億円以下

9万5000円に5000万円までごとに1万1000円を加算

10億円を超える場合

24万9000円に5000万円までごとに8000円を加算

日本公証人連合会ウェブサイトより)
 

この他に相続財産が1億円までの場合には遺言加算という特別手数料として11,000円が加算されます。なお、祭祀主宰者のように目的価額を算定できない場合には、目的価額を500万円とみなされます。

発行する公正証書(ただし横書)の枚数が3枚を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます。

具体例

本人の相続財産が7500万円。相続人二人の息子のうち長男に5000万円の不動産、もう一人の次男に2500万円の不動産を相続させる旨の遺言。なお、祭祀主宰者として長男を指定。遺言執行者は指定しない。

長男の手数料43000円+次男の手数料23000円+祭祀主宰者の手数料11,000円+遺言加算11,000円=88,000円

従って、公正証書遺言の枚数が3枚を超えない場合には、88,000円が費用となります。

専門家に依頼した場合の報酬は10万円から

行政書士や弁護士、司法書士に公正証書遺言の作成サービスの依頼を検討される場合、どのようなサービスでいくらぐらいの報酬か知りたい方もいらっしゃるかと思います。

 

サービスは概ね以下のような内容となります。

  本人からの遺言書の趣旨をヒアリング

  必要書類の収集

  相続分割のシミュレーション及び課題の抽出

  遺言書文案の作成

  公証役場との折衝

 

この中で特に重要なことは、分割シミュレーション及び課題の抽出と改善提案というところになろうかと思います。

遺留分を侵害していないかどうか、概算でも相続税がいくらぐらいかなどを提案してもらえる専門家が望ましいといえます。

 

報酬額ですが、一般的には10万円程度からになります。

それより安い場合には分割シミュレーションや課題の抽出といったサービスが足りない可能性はあります。

その上で、相続財産価額に応じて報酬額は上がる傾向があります。

なお、弁護士の場合には最低価額は20万円程度からになります。一般的には行政書士や司法書士のほうが安価といえるでしょう。

まとめ 遺言書は公正証書遺言がおすすめ

遺言に関する争いになった最高裁判例は主に自筆証書遺言の作成に関してです。それくらいほとんどの事例が自筆のものなのです。また日々相談業務を受けていると、自筆証書遺言の有効性について争いたいという内容の相談が寄せられます。

高齢になればなるほど、また急な病気でペンを持つことすらかなわない状態になればなるほど、元気であった頃の筆跡での字を書けなくなります。そうなると筆跡の鑑定で争いが生じるような事も発生するかもしれません。

相続分に不満のある相続人としての最初の選択肢は偽造を疑って遺言を無効とすることなのです。自筆証書で作成されたものについては、その要件が備わっていなければ簡単に無効とされてしまいます。

ですから遺言書をしっかり作りたい方は公正証書遺言をおすすめします。

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