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延命治療を拒否したいとき。必要な書類とは?

介護・医療 2015年10月13日 閲覧数:9032

医療技術の進歩によって、延命治療も高度になってきました。しかし、過剰な延命治療が行われることで、本人に苦痛がもたらされるだけでなく、終末期に多大な負担を家族にかけることも増えています。そのようなことを懸念して、延命治療を予め拒否したいと望む人が増えています。延命治療を拒否したいとき、どのような書類が必要なのでしょうか。

日本尊厳死協会から配られるリビングウィル

延命治療を予め拒否したいと望む人たちの支援を早くからしてきたのが、日本尊厳死協会です。自分らしい人生の終わり方をしようという人たちの自由意志を尊重する立場から、同協会では入会に同時に「尊厳死の宣言書」というA4版の用紙を入会者に送っています。通称「リビングウィル」です。 延命治療を自らの意思で拒否するということを宣言した文書が印刷されており、年月日と自署を記入するだけで済みます。自署の下に家族が署名捺印することも多いようですが、特別にそのような欄が用意されているわけではありません。 そのため、患者の意思と家族の意思が食い違っていた場合、延命治療が行われることが少なくありません。家族に1人でも延命治療の差し控えや中止に反対する人がいた場合、訴訟に発展することを恐れて、医師は延命治療を行います。延命治療の差し控えや中止には、家族全員の了承と医師の同意が必要です。

公証役場で作成する尊厳死宣言公正証書

公正証書とは、本人が間違いなく意思表示したものであるということを公証人が保証した文書です。原本は公証役場に保管され、信用性が高い文書と一般にみなされています。 公正証書という制度を用いて延命治療の拒否を予め表示した文書が、尊厳死宣言公正証書です。尊厳死を望む人で、尊厳死宣言公正証書を作成する人が、近年増えてきています。現在用意されている雛形には、同意している家族についても記載がなされ、延命治療の差し控えや中止を行った医師の免責に関しても明記されています。そのため、尊厳死宣言公正証書を提出した場合、医師が尊厳死を許容する割合は、約95%との調査結果もあります。

最終的には医師の判断に委ねられる

患者の自己決定権を尊重すべきという見解は、徐々に広がってきています。平成12年には、宗教上の理由で輸血を拒否した患者の意向を無視して医師が輸血を行ったという事案で、最高裁判所は患者の自己決定権を尊重しなかったとの理由から損害賠償を認める判決を下しています。 そのような司法判断を受けて医療現場でも、患者の自己決定権を尊重しようという流れは広がっています。ただし、家族の意向が本人の意思と食い違っている場合、延命治療の差し控えや中止が殺人罪に問われかねないだけに、尊厳死を許容するかどうかで、医師は慎重な姿勢を保つことが多いようです。 尊厳死に関する法律は現在日本にはありません。民法では、遺言できる意思表示を限定列挙していますが、尊厳死については触れられていません。遺言にしても、公正証書にしても、作成にあたっては、本人の精神が健全な状態にあることが前提になっているため、認知症を発症した後では、単独で有効な意思表示は行えません。 尊厳死宣言公正証書を示しても尊厳死が許容されなかった約5%には、現場で苦悩する医師たちと、揺れ動く家族の姿が凝縮されています。本人が意思表示できない状況では、家族が本人の意思を尊重して担当医師の責任をできるだけ減らすという姿勢が求められます。

尊厳死に関する法律がない現状では、どのような書類を用意したとしても、担当医師が同意しなくては、延命治療を完全に拒否することはできません。一人の人間の死を前にしたとき、その場を共有する全員が納得できるような配慮を文書という形でするとしたら、少なくとも家族全員の了承が得られているということを明示した文書が求められるでしょう。

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