遺言で「葬儀はしないでほしい」とかかれていたらどうする?

遺言は故人から残された家族や親族、友人・知人に対して贈られる最後のメッセージです。近年では「死ぬための準備=終活」がブームになっていることもあり、遺言を遺して亡くなる人が増えてきています。ところで、大事な家族が亡くなった直後に発見された遺言書にもしも「自分の葬儀はしないで欲しい」と書かれていたらあなたはどうしますか?そもそもこの遺言は有効なのでしょうか。

遺言にまつわる基礎知識

「遺言」とは何か

   

遺言とは、広義には「故人が自分の死後のために遺したメッセージ」ということになりますが、法律的な意味に限ると「故人の死後の法律関係を定めるための最終的な意思表示」ということになり、遺言に法律的な効果を持たせるためには法律で定められた方式に則って遺言をする必要があります。

   

例えば「家族仲良く暮らして下さい」という遺言は法律的な意味を持たないので、どのように書かれていても問題はありません。そしてこれも立派な遺言です。一方で「自分の財産は全て長男に譲る」という遺言は相続財産の名義に関わる事項のため法律的な問題となり、法律が要求する形式で遺言書を書く必要があります。

 

法律的に有効な遺言書とはどのようなものか

   

民法では遺言の形式を「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つと定めています。ただしこれとは別に病気等の理由で死期が迫っている場合や、遭難中の船舶の中で死亡の危機にさらされている場合などで例外規定が設けられています。

   

それぞれの遺言の方式によっても要件は厳格に定められていて、例えば最も簡単に書ける「自筆証書遺言」では「遺言者がその全文、日付、氏名を自書して印を押さなければならない」となっています。つまり例えば「パソコンで書かれている場合」「確定的な日付が入っていない場合」「署名がない場合」などは法律的な要件を満たしていないために無効、ということになります。

 

遺言にはどのようなことを書いてもいいのか

   

遺言には何を書いても構いません。何も相続財産のことに限らず「夏休みは必ず家族で旅行に行くこと」「お正月は必ず家族全員が実家に集まること」などでも全く問題ありません。 ただし「法律的な効力を持たせることが出来るもの」としては以下の10個に限定されています。それが「認知」「財産の処分すなわち遺贈と寄付行為」「後見人、後見監督人の指定」「相続の廃除およびその取消」「相続分の指定または指定の委託」「遺産分割方法の指定または指定の委託」「遺産分割の禁止」「相続人相互の担保責任の指定」「遺言執行者の指定または指定の委託」「遺贈減殺方法の指定」です。 これら以外のことを遺言書に書くのは自由ですが、法律上の効力はありません。もちろん相続人(=遺族)が被相続人(=故人)の遺志を尊重することは出来ます。

「葬儀はしないで欲しい」という遺言の受け止め方
 

法律的には無効

   

もし仮に「葬儀はしないで欲しい」という遺言があったとしても、法律的には意味がなく、無効です。なぜなら法律的に効果を持たせることが出来る10個の項目のどれにも当てはまらないからです。    つまり相続人がこの遺言を守る必要はなく、遺言に反して葬儀をしたとしても誰からも咎められたり、訴えられたりすることはありません。例え遺言書自体が法律の求める書式に則って作成された有効なものであっても、です。    法律的には意味はなくても、遺言には何を書いて自由です。残された家族としては遺言に書かれた内容を尊重してあげたいという道義的な責任感もあるでしょうから、遺言通りしてあげることもまた自由です。「葬儀はして欲しくない」と遺言に書かれていた場合、葬儀をするのかしないのかは遺族の判断次第、ということになります。

 

「葬儀はしない」という選択肢

   

一般的に「葬儀はしない」ということの意味は、仏式でいえば通夜や葬儀・告別式はせずに直接火葬場へ行って火葬を行う、ということになります。火葬場では火葬を行う前に「火葬式」という簡単な式をしますので、実質的にはそれだけで故人を送る、ということになります。

   

実は最近このような「直葬」(火葬場に直接送る)という形式で最期を済ませるケースが増えてきています。理由は様々で、遺言で「葬儀はしないで欲しい」と書かれているケース以外には「葬儀を行うのが煩わしい」「葬儀費用がない」「故人に愛着がない」「無宗教者だから」といったものがあるようです。    故人に遺志にせよ遺族の意思にせよ、葬儀をするしないは自由です。しかし葬儀をしない場合はいくつかの問題に注意が必要です。 最も大きいのが「親族や知人の理解を得られるかどうか」です。いくら故人が「葬儀はしないで欲しい」と言っても、親族の中にはそれでは「体裁が悪い」と考える人もいるでしょうし、「しっかりと最後のお別れをしたい」と考える親しい友人や知人もいるでしょう。周囲の状況を確認せずに故人の死後すぐに火葬してしまうと、後々になってトラブルを招く可能性があります。また、もしもお墓が菩提寺にある場合はそのお寺で(そのお寺の僧侶を呼んで)葬儀をしないとお墓に入れない可能性があります。他にも現実的な問題として「火葬をするまでの間は遺体をどこに保管しておくのか」ということがあります。そもそも死後24時間は法律で火葬が禁じられていますし、それ以降であっても火葬場が混雑している場合は数日間待たされることは普通にあります。この間遺体を放置しておくと腐敗が進んでしまいますので、ドライアイスと共に柩に納めるなど防腐処理も必要になります。

まとめ

遺書に「葬儀はしないで欲しい」と書かれていた場合、大事なのはその裏にある遺言者の真意を考えることだと思います。「自分の葬式のためにわざわざ忙しい中大勢の人に集まってもらうのは申し訳ない」「最期くらいはひっそりとあの世へ行きたい」などと思って書いたのと、「葬式代の蓄えもないし、子供に金銭的な負担をかけるのは申し訳ない」と思って書いたのとでは多少意味が異なってくるからです。それにはやはり生きているうちに「死に方」について家族同士で話し合いをしておくことが大事だといえます。親の考え方を子が、子の考え方を親が把握しておくことによって、いざという時はより故人の遺志を尊重する形での「最期」に出来るのではないでしょうか。

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