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遺言執行者とは?相続人との関係、選任方法まとめ

遺言書 2015年12月4日 閲覧数:904

遺言執行者とは、遺言で示された内容を実現するための手続きを行う人のことをいいます。具体的には、遺言書の内容にそって、相続財産を管理し、不動産名義や銀行預金口座名義を変更したりします。


このページでは、遺言執行者の具体的な権限、業務内容、選任方法などについてお伝えします。

遺言執行者は誰がなるのか?

遺言執行者は遺言書で指定するか、または家庭裁判所が利害関係人の請求によって選任することができます。

一般的には、遺言書で指定することがおすすめです。遺言者のいろんな思いを、将来遺言執行者になる人に伝えておくと、遺言執行者がその思いを形にしてくれます。

遺言で指定する場合

遺言書で指定されているのがもっとも簡単でよいと思います。
遺言書に遺言執行者を特定の者に指定する文言をいれるのです。
例えば、以下のような文面となります。

第○○条
1 遺言者はこの遺言の遺言執行者として、弁護士○○○○を指定する。

2 前項の遺言執行者は、遺言者の不動産、預貯金、有価証券その他の債権等遺言者名義の遺産のすべてについて遺言執行者の名において名義変更、換金・換価処分、解約等の手続をし、また、貸金庫を開扉し、その内容物の収受を行うなど、本遺言を執行するために必要な一切の権限を授与する。

この場合において、必要があるときは、弁護士、その他の専門家にこの遺言の執行に必要な行為の全部または一部を委任することができる。

3 上記遺言執行手続きについて◯◯に対する報酬として金◯○○○○を支払うものとする。

遺言執行者として遺言書に指定されていた者は、相続開始後、就任を受けるかどうか承諾をする必要があります。

遺言執行者が承諾したくない場合には、拒絶することも可能です。

裁判所の選任による場合

もし、遺言書に遺言執行者に関する規定がない場合には、家庭裁判所にて遺言執行者選任の申立てを行います。
申立てには以下の書類が必要となります。

  • 家事審判申立書(遺言執行者選任)
  • 遺言者の死亡の記載のある戸籍
  • 遺言執行者候補の住民票または戸籍附票
  • 遺言書写し又は遺言書の検認調書謄本の写し
  • 利害関係を証する資料(親族の場合,戸籍謄本(全部事項証明書)等)


以上の書類を準備して家庭裁判所に持って行くと選任の申し立てが可能となります。

なお、遺言で遺言執行者が指定していたとしても、その者が遺言執行業務を拒絶した場合にも、裁判所による選任が必要になります。

また、遺言執行者になるべき人が死亡、解任、辞任、資格喪失などの事由が生じた場合も同様です。

具体的には何をするのか?

遺言者は、相続人がそのまま遺言執行者になる場合はともかく、亡くなった方のいわば代理として遺言を執行する権限を持ち、様々な手続きをしてくれます。

もっとも、あくまで遺言書の内容にしたがって手続きをするのですから、相続人の指示どおりに行動できる権限はありません。財産をこの家ではなく、こっちの土地がいいといっても、そのようなことはできませんので、ご注意ください。

財産の目録をつくる、報告をする

財産の目録を作り、相続人に交付してくれます。手続きの進み具合についても報告してくれます。

財産目録は、不動産のほか預貯金、退職金、自動車、株式、家財道具一式などすべてについて記載がされます。

これにより、全体の相続財産額も明確になります。

財産目録を作成するということは、当然ながら、財産の調査を行うことが前提ですので、どちらかというと財産調べは大きな仕事といえるでしょう。

財産の名義を書き換える

遺言の内容に沿って、預貯金や株、不動産などの名義を書き換える手続きをしてくれます。

特に銀行預金口座の閉鎖手続きや名義変更手続きは必ずといっていいほど必要な手続きになります。

相続人による銀行窓口での手続きは煩雑なものではありますが、遺言書をもって遺言執行者が手続きを行う場合には手続きはスムーズに行うことができます。

このように、遺言執行者は、遺言書の中で単独でこれらの名義書換えなどの権限を付与されますので、相続人からの委任状なしで遺言執行者の名で行うことができるのです。

ただし、不動産登記については、遺贈の場合はともかく、相続人への相続の場合には遺言執行者の名において手続きを行うことができません。

これは、裁判例による事例があり、相続と同時に相続財産は相続人のものとなっているので、遺言執行者はタッチできないということのようです。

ただし、遺贈は相続時に財産移転が生じるものですから、遺言執行者は手続きすることができるのです。

なお、この不動産移転登記(相続登記)は、通常は、①相続人が自ら、または、②代理人が委任状をもらって、または、③司法書士に頼んで法務局で登記申請を行うことになります。

財産の売却をする

株や不動産などの財産を売却して現金化してくれます。ただし、明確に遺言書に記載されていることが必要です。

不明瞭だと、売却処分の権限があるのかどうか混乱しますので、この文面の作成には専門家に相談されるのがおすすめです。

その他

遺言執行者は以下のことも執行できます。

  • 認知
  • 推定相続人の廃除・取消
  • 遺産分割方法の指定
  • 寄付行為
  • 遺贈

このうち、認知や推定相続人の廃除・取消については必ず遺言執行者が必要で、相続人が行うことはできません。

また、遺贈や遺産分割方法の指定、寄付行為については遺言執行者の指定がない限り、相続人が行うことができます。

相続人ができるものもあるのですが、遺言執行者が指定されている場合には、遺言執行者にお任せするのが良いでしょう。相続人の一人が手続きを進めることで相続人間での争いの元になる可能性が十分にあります。

遺言執行者には相続人か専門家が適任

指定がなかった場合には、遺言執行者を指定せずに相続人全員が協力して行うということも可能です。しかし、たくさんの財産があったり、また複雑な手続きを相続人全員の印鑑を揃えて行うのは、骨の折れる作業となります。

ですから、基本的には遺言執行者を選任するのが望ましいです。

遺産がそんなに多くない場合には、当該財産を相続した(遺贈を受けた)人が遺言執行者になってもよいかもしれません。特に預金の名義書換えなどは、相続人がなって手続きを進めることも可能です。

もっとも、相続人が複数おり、不動産などの財産の処分や分配を行う場合には、公平性、公正性を保つためにも、相続人ではない第三者の専門家を指定することが望ましいです。専門家だと、手続きも早くスムーズに完了することも期待できますし、早く終わると争うまでもなく手続きが終わってしまいます。

遺言執行者への報酬は?

財産の額や手続きの煩雑さによって決まり、相続財産から支払われますが、通常は、遺言書の中に報酬の規定を記載しておくことをおすすめします。

報酬規定は、一定額による規定の仕方のほか、手続きの工数に従った規定の仕方、相続財産額に応じた規定の仕方などがあります。

専門家に依頼する場合には、財産の状況によりますが、工数や相続財産額に応じた規定の仕方になることがあります。

遺言書で報酬が記載されていない場合は、相続人全員との間で報酬を相談することになります。話し合いがつかない場合には家庭裁判所で決めてもらうことになります。

まとめ

遺言執行者は、遺言書に従った相続手続きを行う者です。

具体的には、以下のことを行います。

  • 相続人及び受遺者へ就任通知を提出する
  • 財産調査をしたうえで、財産目録を作成し、相続人及び受遺者へ交付する
  • 受遺者に対して、遺贈をうけるかどうかを確認する
  • 遺言認知がある場合には、役場に戸籍の届出を行う
  • 不動産の相続登記を行う(遺贈の場合)
  • 相続財産の管理、換価処分など必要な行為を行う
  • 相続人廃除の遺言がある場合には家庭裁判所に廃除の申立を行う

また、遺言執行の報酬については遺言執行者と相談確認をしてみてください。

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