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ニトリ、似鳥家の相続争い

ニュース・コラム 2016年1月20日 閲覧数:852
「お、ねだん以上。ニトリ」のキャッチフレーズで有名な家具製造小売最大手のニトリホールディングス(以下ニトリ)。その社長である似鳥昭雄氏が、父の義雄氏から相続した財産を巡って親族から訴えられたことは有名な話です。その規模や知名度から世間の注目を大きく集めることとなったこの事例は、生前の対策や遺言の大切さについて教えてくれます。

(似鳥家相続関係図)
 

ニトリの創業と発展

ニトリの社長の似鳥昭雄氏は、1944年樺太で生まれ、終戦後は札幌市で育ちました。昭雄氏は北海道工業高校を卒業後、札幌短期大学に進学し、北海学園大学に編入。
大学を卒業後の1967年12月に、「似鳥家具店」を札幌市にて創業しました。父や母、妹や弟もこの店で働きました。このころの似鳥はまさに家族全員で商売を行う個人商店そのものでした。
そして1972年、現在のニトリの前身である「似鳥家具卸センター株式会社」として法人に組織変更を行いました。ちなみにこの法人設立時の代表取締役は父の義雄氏でした。
その後2回の名称変更により株式会社ニトリとなり、2010年に持株会社に組織変更、現在のニトリホールディングスへと発展していきました。海外への進出など、近年の躍進はみなさんもご存じのとおりです。
 

似鳥家の相続

父・義雄氏の死亡

父、義雄氏は1989年7月12日に亡くなりました。その遺産のうち、母のみつ子氏が不動産を、弟や妹ら3人は現金を1,000万円ずつ相続しました。昭雄氏は故・義雄氏が所有していた株式会社ニトリの株式9万2500株と関連株1,740株を全て相続しました。
この相続は、1990年1月付の遺産分割協議書に基づきされたものであるとされていました。
 

母、弟娣からの訴え

故・義雄氏の遺産分割協議終了17年後の2007年になって、「遺産分割協議書に押印された実印は勝手に使われたものであり、この協議書はねつ造されたものである。義雄氏が相続したとされる株式の分割は未了であり、共同保有の状態である」との主張により、母と弟妹が昭雄氏を訴えました。
これに対し、昭雄氏は真っ向から反論。弟や妹は自分と母が合意した内容を了解し、その上で遺産分割協議書を作成し、実印も納得して押印したものであると主張しました。
 

一審判決は昭雄氏の勝訴

訴えの日から4年以上が経過した2012年1月17日、一審の判決が出ました。
裁判所はみつ子氏らの実印は様々な証拠や状況から、各人が持っていたか、みつ子氏に預けていた可能性が高く、その主張を認める証拠はないとしました。原告らの押印は各人の意志に基づくものとされ、昭雄氏の勝訴となりました。
みつ子氏ら原告側は、一審の判決は不服とし上告、現在は札幌高裁で二審中です。
 

兄弟間の不和、相続後のニトリの急成長

この裁判は、株式にかかわる事業承継について深く考えさせられます。弟の幹雄氏は2003年ごろからシンガポールの現地法人の経営方針をめぐって昭雄氏と対立、翌2004年にニトリを退職していたそうです。似鳥家の兄弟間にはどうやら不和があったようです。
当時ニトリは上場前で、その時価は今となっては不明です。ただ、今ほどの価値はなかったことは明らかです。
ニトリが1998年に株式を公開した当時の値段は508円、それが2006年には13,480円にまで高騰しました。
「あの時相続しておけば」そう思っても不思議ではありませんよね。
 

この裁判からの教訓

この裁判から学ぶべきことは3つあります。
 

1.中小企業経営者は、生前に後継者を選定しておく

身内だけで経営している中小企業の場合、代表者の生前に後継者をきちんと決めておくことです。代表者が元気なうちに関係者との話し合いの中で後継者を定めていれば、いざ相続があっても遺族たちが経営権をめぐって争うことは少なくなるでしょう。
今回の例での時代にはありませんでしたが、現在は円滑な事業の世代交代を促すための事業承継税制も整いつつあります。株式の生前贈与などを利用して早めに後継者問題に手を打つことで、相続発生時のトラブルを回避することができます。
 

2.遺言書の作成

株式の相続に限らず、相続人が複数あり、財産もそれなりにある場合は、生前に遺言書を作成しておくことで、相続開始後の遺族間のトラブルを防ぐことができます。遺言書には3種類ありますが、その中でも自筆証書遺言については要件を確実に満たし、無効とならないよう慎重に作成することが望まれます。
 

3.実印は各自で持っておくこと

相続に限らず、当然ですが自分の実印は自分で保管することが大切です。今回の事例では、実印を昭雄氏が遺産分割協議書に勝手に押したかどうかが争点になりました。相続に限らず、金銭の貸借など実印は大切な書類を作成する際に用いられるものです。
無用なトラブルを防ぐためにも、自分の実印は自分で持つということを心掛けておくべきでしょう。
 

まとめ

ニトリという有名な企業のお家騒動ということで、今回の事例は世間の注目を集めましたが、似たような事例は星の数ほど存在します。
決して他人事ではありません。
自分の配偶者や子供、孫たちが自分の死後も仲良く幸せに暮らしていくことができるよう相続対策は早めに始めておくことが大切です。
 
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