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隠し子(婚外子)の相続差別問題とは?

法定相続人 2015年11月17日 閲覧数:375
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2013年12月4日に国会で「民法の一部を改正する法律」が成立し、同月11日に施行されました。この法律によってどこが改正されたのかというと、民法900条の「遺産相続における法定相続人の法定相続分」についての規定です。

1. 法定相続人の法定相続分とは

相続人は誰になるか

民法では法定相続人と法定相続分が規定されています。
まず法定相続人ですが、常に法定相続人になれるのが被相続人の配偶者です。
そして第一順位の法定相続人が子や孫といった直系卑属、第二順位の相続人が親、祖父母といった直系尊属、第三順位の相続人が兄弟姉妹、甥、姪となっています。
第二順位以下の法定相続人はそれぞれ上位の法定相続人がいない場合に限って相続権を獲得します。

相続する割合はどうなるか

法定相続分は他の法定相続人の有無によって変わってきます。法定相続人が1人のみであれば当然全額を1人で相続します。配偶者と子の場合、配偶者が2分の1、子が2分の1となります。配偶者と直系尊属の場合は配偶者が3分の2、直系尊属は3分の1となります。配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合は配偶者が4分の3、兄弟姉妹は4分の1となります。 もしも子や直系尊属、兄弟姉妹が複数人いる場合、それぞれ頭数で割ることになります。例えば相続人が配偶者と2人の子どもの場合は配偶者が2分の1、子が4分の1ずつになります。

婚外子は相続で不利だった

ここに例外規定が2つ存在しました。1つが「父母の片方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、両方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1」というものです。 そしてもう1つが「非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1」というものです。2013年12月4日に民法900条から削除されたのはこの部分です。 嫡出子というのは「婚姻関係にある男女から生まれた子」のことです。つまり夫婦から生まれた子です。それに対して非嫡出子は「婚姻関係にない男女から生まれた子」のことです。非嫡出子は母親との関係は分娩の事実により法律上の親子関係が成立しますが、父親との関係は認知により成立します。嫡出子の父親との関係は「母の夫が父親である」と推定します。

2. 法律改正の背景

そもそもこの法律が改正されるに至ったきっかけは、2001年7月に死亡した東京都の男性と、同じ年の11月に死亡した和歌山県の男性らの遺産分割を巡る家庭裁判所の審判で、「非嫡出子の相続分を嫡出子の半分と定めた民法900条の規定が日本国憲法第14条に定められた法の下の平等に反する」として訴えられたことです。

どちらも家庭裁判所、高等裁判所ともに民法900条の非嫡出子の相続分についての規定は「合憲」と判断し、非嫡出子側の相続人が最高裁判所に特別抗告していました。
これを受けての2013年9月4日に最高裁判所大法廷で行われた家事審判の特別抗告審において、14人の裁判官の全員一致で「違憲」とする判断が下されました。

最高裁判所が違憲と判断した理由は、非嫡出子の出生数や離婚件数、再婚件数の増加などがあって近年の婚姻や家族のあり方について国民意識の多様化が大きく進んだこと、諸外国で非嫡出子の相続差別が次々と撤廃されていること、1996年に法務大臣の諮問機関である法制審議会で相続分の同等化を含んだ民法の改正大綱が答申されたこと、国内でも同等化に向けた議論が起きていたこと、などを挙げた上で、子どもにとって選択の余地がないことを理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重して権利を保障すべきだ、という考えが確立されてきているから、ということでした。

非嫡出子の法定相続分についての規定が憲法違反である、という争いは、1995年に「非嫡出子法定相続差別事件」で最高裁判所大法廷は「合憲」という判断を下し、これが踏襲されてきました。この時から実に18年を経て「違憲」という判断に至った、ということになります。

3. 法律改正の影響

改正された民法900条の規定は、最高裁判所で違憲判断が出た翌日の2013年9月5日以後に開始した相続について適用されます。

2001年7月1日以後に開始した相続については、既に遺産分割が終了している場合を除いて、嫡出子と非嫡出子の相続分が同等として扱われることになります。

これは違憲判決のきっかけとなった家庭裁判所の審判における相続が2001年7月に発生したものだからです。つまり非嫡出子の相続分が嫡出子の半分、という規定が遅くとも2001年7月時点では違憲だった、という判断です。

一般的に最高裁判所で違憲判決が出されると、その後同じ種類の紛争は最高裁判所が示した判例に則って処理されることになります。そのため2001年7月の時点で既に違憲状態であったのであれば、それ以降に発生した相続のうちこれから遺産分割協議が決定されるものについては最高裁の判例が準用されることになるわけです。

一方で2001年7月1日以降に発生した相続であっても、既に遺産分割協議を終了しているものについては覆ることはありません。これは最高裁判所が「既に遺産分割が終了しているなど確定的なものとなった法律関係を除く」と判決で言及したから、です。

4. まとめ

以上の流れによって、現在は嫡出子も非嫡出子も相続においては全く差別されることなく、同等に扱われることになっています。多くの人が両者間の差別に長い間違和感を感じていましたが、ようやく法律が世の中の認識に追いついてきた、と言えます。
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