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遺留分減殺請求で弁護士に依頼する場合の全情報

遺留分 2016年5月19日 閲覧数:688

被相続人が遺言書を遺して相続が開始した場合に、自分の取り分が法律で定められた遺留分を侵害している場合には、遺留分減殺請求をすることができます。

遺留分を請求したい場合、または遺留分の請求を受けた場合には弁護士さんに依頼することになりますが、このページでは遺留分の仕組み、弁護士への依頼の仕方などついてお伝えしていきます。

目次

遺留分とは

まずは遺留分とはどのような権利なのかについての基礎知識をお伝えします。

遺留分とは

遺留分とは、わかりやすく説明すると、遺言で法定相続分と異なる相続が開始したときに、兄弟姉妹以外の相続人に最低限保障されている部分のことをいいます。遺留分を取り戻す権利のことを遺留分減殺請求権と読んでいます。

遺留分が存在するのは、相続人みんなのため

極端な事例として、亡くなった方の遺言所で「家と財産を全て第三者に譲り渡す」と書いてあった場合には、そこに住んでいる妻や子は困ってしまいます。このようなことは防止しなければならないという考え方により、遺留分は存在しているのです。

また、被相続人が築いてきた財産は、親族の貢献もあったはずということです。晩年妻や子らが介護をしていたような場合にはその分財産が減らずに住んだのです。被相続人が持っている財産には一定割合は相続をした人たちが助けた割合もあるだろうという考え方も遺留分が存在する理由の一つになります。

兄弟姉妹には、このような2つの考え方があてはまらないので遺留分は無しとされているのです。

遺留分の割合

そのような遺留分ですが、だれにどのような割合で存在しているのでしょうか?基本的なポイントは3つだけですので、それを押さえましょう。

ポイント1:原則は相続分の1/2

3つ目のポイントとして、原則は本来の相続分の1/2が遺留分となるということです。

ポイント2:遺留分は兄弟姉妹にはない

兄弟姉妹には遺留分はありません。

ポイント3:直系尊属のみが相続人になる場合には、相続分の1/3が遺留分となる。

2つ目のポイントは父母・祖父母といった直系尊属のみが相続人となる場合には、本来の相続分の1/3が相続分となることです。

 

遺留分の割合、具体例3つ

いくつかのケースで、具体的にいくらが遺留分なのかを考えてみましょう。

ケース1 配偶者と子供達の遺留分は4分の1

配偶者と子供たちが相続をする場合、法定相続分はそれぞれ1/2、遺留分はその1/2で1/4です。

ケース2 子供たち3人の相続なら、1人につき6分の1

配偶者がおらず子供達3人だけの相続なら、法定相続分はそれぞれ1/3、遺留分はその1/2=1/6です。

ケース3 配偶者と親が相続人の場合

子供がおらず、配偶者と親が相続人の場合、配偶者の法定相続分は2/3、遺留分は1/3です。

親の法定相続分は1/3、遺留分は1/6です。

遺留分の対象となる財産は、生前贈与も含む!

遺留分の対象となる財産は、亡くなった際の財産そのままではありません。以下のような計算を経て、遺留分の対象となる金額を出す必要があります。

相続財産から負債を引く

まずは、相続開始のときに有していた財産の総額から債務の全額を引いて、相続財産がいくらになるのか計算します。

生前贈与を加えて、最終的な財産総額を出す

次に、生前贈与については次のルールに従って相続財産に加えます。

・原則として相続開始前1年以内にした贈与

・贈与の当事者双方が遺留分を侵害すると知っていた贈与に関してはそれも計算に入れます。

これらの金額を加えることで、遺留分の対象となる財産総額が計算できます。

請求の順番は決まっている

遺留分減殺請求の順番は、1.遺贈 ⇒ 2.生前贈与 です。相続によって行われた遺贈と、生前の贈与が両方あった場合には、遺贈が先に減殺されます。

例えば生前の贈与が多額で、遺留分が相続時の財産だけでは足りない場合には、生前贈与を減殺していきます。

遺贈が複数ある場合には、遺贈の金額の割合に応じて減殺を行います。3人の相続人がいた場合、一人だけに遺留分を請求するのではなく、割合に応じて請求するのです。

また、複数の生前贈与がある場合には、亡くなった時期に近いほうの贈与から順番に減殺を行います。

遺留分請求されたら、お金で払う?不動産で払う?

遺留分は通常はお金で払うことが多いでしょう。不動産については、民法では共有持ち分として精算するのが原則ですが、実務上は売却するなどしてお金で払う場合が多いです。

仮に、遺留分請求者の遺留分が1/6だとします。相続財産が6,000万円の不動産である場合には、1/6相当の1,000万円の現金を遺留分請求者に渡します。

遺留分減殺請求のやり方

遺留分は確実にもらえる!

遺留分は法律が定めた最低限の権利で、たとえ遺言で渡さないように指定してあったとしても関係なくもらうことができます。

たとえば、長い間音信不通にしていて、葬儀にも顔を出さなかったような相続人でも、遺留分は請求すればもらえるのです。

遺留分減殺請求の大まかな流れ

1.遺留分減殺請求通知書を作成、通知する。
 具体的には内容証明郵便を出します。

2.交渉をスタート。

3.交渉がまとまらなかった場合、家庭裁判所で調停の手続き。

4.調停でも解決出来なかった場合には、地方裁判所で訴訟の手続き。

内容証明郵便を出す

まずは、遺留分減殺請求をする旨の意思表示をします。

意思表示をするといっても口頭で言っただけだったり、単なる書面を送った場合には、遺留分請求をされた相手方に「受け取っていない」と言われてしまいます。よって書面の内容、いつ着いたのかを証明してくれる配達証明つき内容証明郵便を利用します。

遺留分減殺請求の内容証明郵便の書き方の例

一般に横書きで記載する際には、1行20文字の26行で作成することが、弁護士や行政書士等士業が出すものの標準方式です。

「通知人」は送る人、つまりは自分の名前を書きます。「被通知人」は送り先、請求相手の相続人の名前を書きます。

平成○○年○○月○○日

通知人
○○○○
○○県○○市○○町1-2-3
被通知人
○○○○
○○県○○市○○町3-4-5

遺留分減殺請求書

通知人は被相続人○○○○がすべての財産を長男である被通知人に相続させる旨の遺言書を残したことを知りましたが、通知人には遺留分が相続財産の○分の○があり、 被通知人は私の遺留分を侵害しています。つきましては、通知人は被通知人に対して本書面をもって遺留分減殺請求をいたします。

                以 上

平成○○年○○月○○日

通知人
○○県○○市○○1-2-3
鈴木二郎

被通知人
○○県○○市○○4-5-6
鈴木一郎

遺留分減殺請求書

 被相続人鈴木太郎は、平成24年12月16日付け公正証書により、長男である被通知人に対し、不動産、預貯金、その他財産全部を相続させる旨の遺言をなし、平成26年3月9日に亡くなりました。しかし、被相続人には、他に相続人として通知人がおり、上記遺贈により私の遺留分4分の1が侵害されています。よって、通知人は被通知人に対し、本書面をもって、遺留分減殺請求権を行使します。

以 上

内容証明郵便の提出の仕方

作成した遺留分減殺請求の内容証明郵便は、次のように提出します。

●同じものを3通準備する

郵便局に内容証明を提出する際に1通は郵便局で保管1通は相手方に送付もう1通は手元に謄本として返されます。

●封筒をに宛先を書く

差出人と受取人欄は内容証明本文の通知人と被通知人と同じになるように、間違わないように記載しましょう。

●窓口にて内容証明を提出

内容証明を取り扱っている郵便局の窓口に提出します。なお、内容証明はもれなく書留となりますので、書留郵便の備え付けの用紙に記載をします。

配達証明はつけますか?」と聞かれますので、必ずつけるようにしてもらってください。

内容証明を出した後は、交渉をしましょう

内容証明の送付が終わったら、現実に財産をもらった受遺者と交渉をしてみましょう。交渉をするポイントとしては、

・相続分がいくらになるのか、寄与分や特別受益といった分をどう計算するか?

・遺贈された現物を分割してもらうのか、金銭で解決をするのか?

という事になります。交渉期間は時効との兼ね合いでケースバイケースとなります。

調停・訴訟を利用する

交渉をしても成果が得られないような場合には場合によっては調停を利用するのも一つの手です。

調停とは裁判官一人と専門知識を有する民間人2人からなる調停委員が両者に「調停案」という形で仲裁をしてくれるものです。

専門知識的に妥当な案を出してくれるので検討の余地があるでしょう。

それでも不服な場合には訴訟を起こして決着をつける必要があります。

弁護士に遺留分の相談・依頼をする際の方法

遺留分であらそっている場合、弁護士しか対応できません。弁護士の先生に遺留分減殺請求を相談・依頼する際の方法は次のとおりになります。

相続に強い弁護士を探す

法律事務所にも様々な専門分野があり、企業からの案件のみ引き受けており、個人の相続は受けていないという事務所もあります。

ちなみに相続に長けている弁護士は「相続も扱っている」「一般民事を得意としている」などとプロフィールで書いてあるでしょう。

当サイトには相続を得意とする全国の弁護士先生が掲載されていますので、是非弁護士選びの参考になさってください。

相談したい弁護士に相談の予約をする

いきなり弁護士に相談をしに行っても、裁判所等への用事で留守であったりする可能性があります。

かならず事前に電話で予約をとるようにしましょう。

初回相談無料、などの弁護士さんもいますので、自分の条件に合いそうな方を探してみましょう。

持っていく資料を準備する

・相続人関係説明図

誰が誰に対してどのような基本的な割合で遺留分減殺請求ができるのかは相続関係がどのようになっているのかが一目でわかるようになっていると弁護士の先生も把握がしやすく相談時間の短縮に繋がります。

・遺言書の写し

どのような遺言により遺留分が侵害されたのかを確認するため遺言書の写しを持参するようにしましょう。

遺留分減殺請求の法律相談の日

相談の当日は、電話で指定されたものなど持参して、法律相談を受けます。家族構成や遺言書・生前贈与の内容、どのような事を希望しているのかを聞かれるでしょう。

その希望に対して弁護士は、その希望が通りそうか、可能性はどのぐらいあるか、という方針を導き出してくれるでしょう。

遺留分減殺請求の依頼をする

交渉を任せたいと思える先生に会えましたら、依頼をする事になります。

後述する相場の着手金の支払いをして弁護士に遺留分減殺請求の代理をしてもらうようにしましょう。

 

弁護士に依頼する場合の費用は?

弁護士報酬については自由化されていますので、一概に以下の料金が必要というわけではないですが目安にしていただければと思います。

相談をする場合

遺留分をきちんともらえるか、どのぐらいもらえるかなどの相談をしたい場合、30分5,000円程度が弁護士費用の目安になります。

内容証明を依頼をする場合

遺留分請求をしたい、そのために内容証明を送って欲しいと思った場合は、1通15,000円~40,000円程度が目安になります。

交渉の依頼をする場合

内容証明を送った後に、遺留分の交渉を弁護士さんにお願いしたいと思った場合、着手金と成功報酬の2つの費用がかかります。

着手金とは、依頼をした時点でかかる初期費用です。目安として30万円~は最低でもかかるでしょう。

成功報酬とは、交渉の結果として遺留分がきちんともらえた場合に、追加で発生する費用です。請求金額にもよりますが、5%~16%くらいで、金額が少ないほど多いパーセンテージが適用されます。例えば2,000万の遺留分請求の交渉をお願いして、10%の成果報酬だった場合、200円が成功報酬として追加でかかることになります。しかしあくまで成功報酬なので、お金が入ってから払えばいい費用です。

調停の依頼をする場合

着手金として同じく30万円以上が目安となります。ですので交渉の段階から依頼をしたほうが良いでしょう。

成功報酬も同様です。

訴訟の依頼をする場合

着手金として40万円以上が目安となります。最初の段階から依頼している方でも訴訟をする場合には別料金となる場合があるようです。

成功報酬は上記と同じ程度でしょう。

ケース別、弁護士費用の具体例

弁護士に依頼した場合の想定される費用を挙げてみましょう。

ケース1.弁護士に相談し、内容証明を作成してもらう

弁護士の先生に相談し、結果として内容証明をお願いすることになった場合。

相談料2時間 2万円
内容証明作成 3万円

合計 5万円

ケース2.家庭裁判所への調停の手続きを依頼

これまで本人同士で交渉したもののらちがあかず、5,000万円分の遺留分を取り戻すために弁護士に調停の手続きをお願いし、結果として遺留分がもらえた場合。

着手金 30万円
成功報酬 250万円(請求金額5000万円×5%)

合計 280万円 

ケース3.調停、その後の訴訟までを弁護士に依頼

まず調停の手続きを依頼したが、その後に訴訟にまで発展し、結果として遺留分がもらえた場合。

着手金(調停) 30万円
着手金(訴訟) 50万円
成功報酬 250万円(請求金額5000万円×5%)

合計 330万円 

弁護士費用が払えない場合、「分割払い」と「民事法律扶助」を活用!

どうしても着手金はかかってしまうため、もし手持ち財産が少ない状況で弁護士さんにお願いしたい場合は2つの方法があります。

分割払いができないか検討をしてみましょう

相続財産の争いは高額な経済的利益の争いになります。ですので一括での支払いはなかなか難しいという方もいらっしゃるでしょう。

最近では法律事務所への費用の支払いも分割やカード払いでもできる事務所もありますので、そういった事務所を選んでみましょう。

法テラスの民事法律扶助を受けてみましょう

経済的に余裕のない方には、法テラスが弁護士費用を立て替えてくれる民事法律扶助(みんじほうりつふじょ)という仕組みがあります。

収入証明書などを提出して審査受けることが必要になりますが、着手金などを立て替えしてもらって、毎月5,000円~10,000円程度の分割で支払いながら返すことになります。

遺留分減殺請求で弁護士に依頼する3つの理由

遺留分減殺請求はできれば弁護士に依頼すべきです。その理由には次のようなものがあります。

法律は複雑で素人には難しい!

相続分は遺留分の原則1/2という風に計算をしたいところですが、ベースになる相続分について、特別受益や寄与分という補正がかけられるため細かな金額の部分で争いになることがあります。その計算は法律に精通していない個人では難しい部分があります。

また、財産が不動産の場合の価額弁償の考え方などは素人には理解しにくい部分もあるでしょう。

相続に詳しい弁護士によるアドバイスは法律に基づいたものですし、難しい法律をわかりやすく説明してくれます。あなたの主張を法的に正しいものへするには、弁護士によるアドバイスが必要です。

冷静な交渉ができ、遺留分がきちんともらえる確率が高くなる!

遺留分減殺請求も含めて相続争いについては極めて相続当事者間の感情的な対立が激しくなってしまいます。当事者間での交渉よりも弁護士を間に入れた交渉のほうが冷静に進むことが期待されます。交渉や手続き期間を短く終わらせることも可能となるでしょう。

手間のかかる手続きを任せられる!

受遺者の側が任意の交渉に応じないような場合には調停・審判・訴訟の利用が考えられます。上述のように遺留分の計算自体大変複雑であるにもかかわらず、裁判所での手続きが加わってくるならば、やらなければならない事はさらに複雑かつ専門的なことの理解が必要になります。これらは大変な手間ですので、弁護士に依頼したほうがいいでしょう。

遺留分をなくす、使わせないためには?

遺留分は必ず請求しなければならないものではありません。そこで放棄をすることもできます。その際の方式は、相続放棄のときのように特に決まったものはありません。遺留分を放棄しますと一筆書くだけでよいのです。

遺留分を放棄してもらう側としては、心変わりがないように日付入りの書面を作成するのがベターでしょう。

これに対して相続開始前に遺留分を放棄する場合には、家庭裁判所の審判が必要なので注意が必要です。

遺留分は1年で時効、使えなくなる!

遺留分が欲しい、遺留分を請求する側にとって一番の注意項目は時効です。

遺留分の侵害を知った日から1年相続が開始したときから10年が経ったら遺留分は時効で権利がなくなってしまうのです。

請求をする場合は早めに行う必要があるのです。

まとめ

このページでは遺留分とは何か?その手続きの流れ、弁護士費用の概略と、弁護士に任せるべき理由をお伝えさせていただきました。

遺留分を侵害されている事態が「争族」状態であることを認識して、専門家である弁護士に依頼し、スムーズな解決を引き出されるようにしましょう。

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