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遺産相続のトラブル事例の典型例と防止・解決方法

相続トラブル 2016年4月22日 閲覧数:1727

相続がトラブルになるケースはいくらでもあります。

このページでは典型的なトラブルになる例を挙げて、その対処法についてお伝えしたいと思います。

 

Contents

遺産相続のトラブル事例1:遺産が土地・家屋等の不動産が多い

遺産相続でトラブルとなる例として多いのが、遺産の大部分を土地・家屋等の不動産が多い場合です。

どのような場合が多いか、事例別に考察してみましょう

不動産のトラブルの事例1:だれかが独占しようとしている

例えば、長男夫婦が被相続人となる人と一緒に住んでいたとします。

被相続人の老後の面倒を見てきたことや、自分が長男で後継ぎであるという考えをもって行動する結果、家は自分一人で相続しようと考えてしまうこともあるでしょう。

戦前の家督相続制度の下においてならば許された考え方ですが、現在の法律のもとでは長男であろうが次男であろうが、男性であろうが女性であろうが相続権が発生するので、他の相続人から主張されたならそれには応じなければなりません。

それを無視して他の相続人に無理やり遺産分割協議書を送りつけて実印と印鑑証明を預かるような方法で遺産分割協議をすすめようものなら確実にトラブルになります。

不動産のトラブルの事例2:いらない土地の相続

逆に、だれもいらないような土地がある場合です。長男と次男が居て、それぞれ独立して生計を営んでいる場合に、田舎にあった実家をどうするかという問題です。

そのまま放置をしておいて空き家にしておくと、トラブルの元になりかねません。とはいえ立地によっては買主が見つからない可能性もあるでしょう。

そうして時間が過ぎていくうちに固定資産税の支払いをだれか代表者がしなければならないのです。

いらない土地の相続での押し付け合いもトラブルの一因となります。

参考:不動産の分け方

不動産の分け方には以下のようなわけ方があります。

1.現物分割(資産ごとに分ける)

現物分割

例えば遺産の内容から、2人兄弟に土地建物は長男に、残った預金は次男にという財産分与をするやり方です。分かりやすい反面、いわゆる相続分に沿ったわけ方は難しくなります。

2.代償分割(代わりにお金を払う)

代償分割

そこで、例えば上記のような例では預金が1,000万土地建物の価額が3,000万とすれば、その差は2,000万あり兄弟で差が生じることになってしまいます。本来親が亡くなって兄弟2人が相続する場合、相続分は1/2ずつですので、預金を得た次男さんは不満だ!ということになりかねません。そこで長男は次男に1,000万円を渡すことで釣り合いを取るような財産分与をするやり方です。

釣り合いが取れるという意味では良いやり方なのですが、上記のような例では長男が現金を持っていて払える場合でなければこの手段は使えないということになってしまいます。

3.換価分割(売ってから分ける)

換価分割

上記のような場合で長男さんが次男さんに分ける現金がないような場合に、最後の手段として、不動産を売却をしてしまって現金で分ける遺産分割方法です。これなら釣り合いが取れるわけ方ができる一方で、不動産を持ち続けることができません。

遺産相続のトラブル事例2:相続人はだれかという問題

遺産相続のトラブルにありがちなのは誰が相続人になるのかという事例です。ここでもケースごとに見てみたいと思います。

相続人に関するトラブル事例1:甥や姪等関係が離れた相続

相続時に誰が生存しているかによって相続人が確定します。甥や姪も第三順位の代襲相続人として遺産を受け継ぐ立場にある可能性があります。

甥や姪といった親族は親しければいいのですが、現在においては疎遠になっている場合もあるでしょう。

このように突然遺産を受け継ぐことになった人の事を「笑う相続人」と表現することもあるくらいです。

甥や姪が相続人となる場合には、配偶者との相続割合は少なくされていますが、それでも1/4は甥・姪に行く計算になります。

夫や妻などの配偶者がまだ生存している場合で、当然に自分の死後は配偶者にいくのが当たり前だろうと思っていても、疎遠の甥や姪から相続権を主張されトラブルになる事があるのです。

相続人に関するトラブル事例2:養子縁組

相続税の回避や軽減を目的として養子縁組を利用する方法があります。

養子縁組をすると、実子がいる場合には1人分が、実子が居ない場合2人分が相続税の基礎控除における法定相続人の計算の対象となります。

しかし、その養子縁組のおかげで相続人になれるはずだった人がいた場合や、相続分が減ってしまうことでトラブルになる可能性があります。

相続人に関するトラブル事例3:前妻の子が居る場合

結婚を複数回している場合で、前の結婚をしていたときに子が居た場合、当然その子供たちにも相続権は発生します。

現在の配偶者や子がと一緒にあたらしい自宅に居るような場合、なくなってしまった場合には当然現在の配偶者と子らに家・土地がいくだろうと思っていたら、前妻の子から相続権を主張されたというようなトラブルは発生する可能性があります。

相続人に関するトラブル事例4:未成年者や成年被後見人が居るとき

遺産分割協議をするにあたって、未成年者や成年被後見人が相続人となっている場合には、特別代理人を立てる必要があります。

家庭裁判所に申立てをして、弁護士を選んでもらい、公平な遺産分割をしなければならなくなるのでトラブルの可能性があります。

遺産相続のトラブル事例3:相続分はどのくらいかという問題

遺産相続によくあるトラブルとして、相続分は法定相続分のままでいいのか?という問題があります。

相続分に関するトラブル事例1:寄与分が発生している場合

参考:寄与分とは

たとえば兄弟の間でも、「私はお父さんに介護等をずっとしてあげて、他の兄弟はしていないのに、相続のときに同じ相続割合だと不公平な感じがする…」、というのが一般的な感覚ではないでしょうか?。

このような一般的感覚を汲み取って、法律で「特別な貢献」をした場合に、その人は他よりも多く財産を受け取ることができます。このプラスアルファ分が「寄与分」です。

詳しくは、「相続での寄与分とは?親の介護をしていた場合などを解説」をご参照ください。

予想されるトラブル事例は?

相続人のうち、だれか一人が親の介護をしていたであるとか、家業の手伝いをしていたような場合には、寄与分が発生します。

このような場合に他の相続人が、法定相続の割合を完全に守るように主張してくるような場合にはトラブルになってしまいます。

相続分に関するトラブル事例2:特別受益が発生している場合

特別受益とは

特別受益とは、複数の相続人がいる場合に、ある相続人が亡くなった人から生前贈与や遺贈を受けているときの利益をいいます。
たとえば、冒頭に採り上げたマンションの購入資金や、家を建てるための資金、結婚資金(持参金等。結婚式費用は当たらず)、事業開業のための資金などが、これに当たります。
 特別受益が発生した場合、まずはその特別受益を計算し、これを遺産総額に組み込み計算をします。これを法律では「持ち戻し」と言います。
そのうえで、均等に分割し、また実際の遺産総額との調整を行ったうえで、相続分を決めていきます。

予想されるトラブル事例は?

たとえばマンションや家の購入資金をもらった人が、法定相続分をかたくなに主張する場合です。

特別受益が発生しているので、相続分はない可能性もあります。このような場合にトラブルになる可能性があります。

遺産相続のトラブル事例4:遺言書がある場合

よかれと思った遺言書が思わぬ遺産相続トラブルを起こすこともあります。

遺言書がある場合のトラブル事例1:自筆証書遺言が無効

費用を節約しようと思って、市販の本やインターネット等の情報をもとに、自分で自筆証書遺言を作成したとしても、その方式が法律の規定に則っていなかった場合には無効になってしまいます。

その取り扱いを巡って、遺産相続をした人同士でトラブルになる可能性があります。

有効な自筆証書遺言を記載したい方は自筆での遺言書の書き方を徹底解説!のページをご覧になってください。

遺言書がある場合のトラブル事例2:認知症なのに遺言書を作った

認知症をわずらっていてもその程度によって有効・無効が決まります。

このような場合には、トラブルになる事例になりえるでしょう。

詳しくは:「認知症の場合の遺言には効力があるの?」のページをご覧になってください。

遺言書がある場合のトラブル事例3:遺留分を無視する遺言書を作った

有効な遺言書であっても遺留分を無視する遺言書も作成は可能です。

しかしその場合にも遺留分を侵害された当事者としては、1円でも多く取り戻したい場合もあるでしょう。

このような場合せっかく遺言を遺したにもかかわらずトラブルになってしまうでしょう。

遺産相続のトラブルを回避する方法

では、どのようにして遺産相続におけるトラブルを回避すればよいでしょうか。

遺言書の作成

遺言書を作成しておいて、遺産相続トラブルを回避する事が考えられます。

たとえば、家・土地と預金を分けてだれかに相続させるとしっかり決めておくことで、不動産に関するトラブルを防げたりします。

ただし、無効にならないように、また遺留分の侵害に気を配っておく必要があります。

また、遺留分の侵害をしなければならない場合には、どうしてこのような遺言に至ったかの附言を付するのがよいでしょう。

エンディングノートの作成

エンディングノートを作成して、遺産相続トラブルを回避する事が考えられます。

遺言書の作成をしない場合でも、どのように遺産を配分してほしいかのお願いをしておくことは可能です。

エンディングノートに自分の死後の財産についての希望を書いておくことで、トラブルを防止するようにするのがよいでしょう。

日ごろから家族で話し合いをしておく

遺言書やエンディングノートがあっても、トラブルになる場合にはトラブルになります。

日ごろから家族でトラブルを起こさないように、相続について話し合っておくことは重要です。

専門家に相談をする

自分の死後の事はスムーズにいくだろうと思っていても、それは死後にならないとわかりません。

専門家に事前に相続でトラブルになりそうなポイントはないかチェックをしてもらうのも一つの手です。

相続の相談は、弁護士・司法書士・行政書士、相続税の相談は税理士にするのが一般的です。

代理人同士で話をしてもらう

すでに亡くなってしまって、これから相続でもうトラブルになりそうだという場合には、代理人を立てて話し合ってもらうのがよいでしょう。

代理人となれるのは弁護士のみなので費用はかかりますが、直接話し合いをしなくてよいため、感情的にならずにすみます。

遺産相続でトラブルになってしまったら

遺産相続でトラブルになってしまったらどのように行動すればよいでしょうか?

当事者で話をしないほうがいい理由

前述もしましたが、相続争いについては、当事者が感情的になってしまっている場合があります。

そうすると、例えば今まで家族で話し合って合意していた内容や、寄与分や特別受益を考えない主張などが混ざり、収集がつかなくなってしまいます。

弁護士や、請求額が140万円未満なら簡裁代理権認定司法書士などの専門家を通して話をしてもらう事で、トラブルになっていることを法律的な面でケアしてくれるでしょう。

妥協案に納得がいかない場合は調停を利用

調停は次のようにすすめます。

家庭裁判所に家事調停を申立てする場合の必要書類

まずは申し立てをするところからスタートです。

調停の申し立てには以下のような書類が必要です。まずどのような相続が発生しても必要なのは以下のものです。

  • 調停の申立書 1通およびその写しを相手方の数だけ…家庭裁判所に備えかれていますので、そちらで取得できます。また、裁判所のホームページからも取得が可能です。
  • 亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本等…除籍謄本や改正原戸籍など生まれてから亡くなるまでのすべてのものを本籍のある市区町村役場にて取り寄せてください。
  • 相続人全員の戸籍謄本および、住民票又は戸籍の附票…戸籍謄本だけではなく、戸籍謄本と住民票の組み合わせか、戸籍謄本と戸籍の附票の組み合わせとなります。
  • 遺産に関する証明書…(不動産登記事項証明書及び固定資産評価証明書,預貯金通帳の写し又は残高証明書,有価証券写し等)
  • 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合には、その方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本等

もし、相続人が父母、祖父母等(第二順位相続人)の場合または、兄弟姉妹(第三順位相続人)なら先順位の相続人が亡くなっていることを証明するための、戸籍謄本等が必要になります。

これは、先順位の相続人がいないことを証明して、第二順位、または第三順位の相続人であることを証明するためです。

なお、調停の手続き費用は1200円の収入印紙と郵便切手代のみとなります。

どこの裁判所に申立をするのか?管轄の問題

遺産分割の調停をするとしてどこの裁判所に申し立てればいいのか?ということを法律用語で「管轄」といいますが、これは法律上決まっています。

法律用語で「管轄(かんかつ)」とは、どの裁判所が役割を受け持つかの取り決めの事をいいます。

その種類には

  • どの種類の裁判所が裁判を受け持つのか?(簡易裁判所?地方裁判所?家庭裁判所?など)
  • どこの裁判所が裁判を受け持つのか?という土地に関する問題

があります。

調停の申立てをする場合の提出先は、相続人間で争っている場合に、申し立てたい人の相手方の住んでいる住所地を管轄している家庭裁判所となります。ただし、当事者が合意で決めて裁判所を決めることもできます(このような場合を合意管轄といいます)。

審判の申立てについては、相続開始地(被相続人の最後の住所地)を管轄する家庭裁判所又は当事者で定めた家庭裁判所が提出先となります。

なので、基本的には、争っている相手方の住所地の家庭裁判所を探すことになるでしょう。

どこの家庭裁判所が遺産分割調停の管轄をしているかは、下記のリンクから最寄りの家庭裁判所を探すことができます。

http://www.courts.go.jp/map_list/index.html

各地方ごとに家庭裁判所が掲載されています。リンクをクリックして場所を確認してみてください。

調停期日の決定

申立がなされると、申立後2週間程度で、調停の呼び出しの期日が決まり、裁判所での調停日が、相続人全員に通知されます。

期日自体は通知の1ヵ月後が目安です。

第1回目の調停が開かれる

当日は相互に呼び出しをされ、それまでの事情や財産の状況、どのような分割を望んでいるのかなどを調停委員に述べます。

実は、相続人がお互いに顔をあわせるのではなく、一人ずつ調停委員がヒアリングするのがポイントです。顔を合わせないように配慮してくれるところもあるようです。

調停における対応は印象良くする

調停において、よく、相手が隠している財産を調べられないかとの質問があります。残念ながら、調停委員は財産の調査は行いませんが、資料の提出は可能です。できれば相続財産である裏付けとなる資料の提出が望ましいです。

なお、不動産などでは遺産の価値を把握するために遺産の鑑定が必要な場合にもあります。

被相続人に借金がある場合ですが、どのような分割をしたとしても、債権者には主張できません。相続人間で法定相続分に応じて分割されるだけですから、財産の分割においても借金の負担について考慮する必要があります。

調停は、まとまるまで1ヶ月ペースでこの調停の期日が開かれます。

なお、調停においてすべて弁護士に頼みたいという方もいらっしゃるようですが、必ず一度は本人の出席が必要ですのでご注意ください。また、本人の出席があったほうが印象はよくなりますよね。

また、本人が出席した場合には、素直にお話するのがよいと言われています。

へたに隠し事をしたりすると、手続きが前後してしまったり調停委員の印象が悪くなります。

当然ながら、調停委員も人間ですから、判断をする際には礼儀正しい、清潔な方が好まれます。非常識な態度や横柄な口のきき方では印象が大変悪くなってしまいます。

できるだけ、冷静ににこにこしながら、しかし理路整然とお話されるのがよいでしょう。

調停の合意はするもしないも自由

通常は3回から4回程度の期日が開かれ、調停案が調停委員から出されます。

調停案には解決案の提示や助言が含まれます。

合意ができるようであれば、裁判所で調停調書が作成されます。

この調停調書ですが、強制執行が可能なほど強力な書面です。ですから、調停調書ができれば、ほぼ遺産分割の争いも終わるに等しいといえるでしょう。

しかし、合意ができなければ審判手続に入ります。

ここまでの調停の期間は早くとも1ヶ月程度といわれており、通常は半年以上はかかるようです。

なお、話し合いの仲立ちをしてくれる調停委員は、弁護士や司法書士の方がなっている場合がほとんどです。そんな調停委員は、こちらの意見によった考え方をしてくれるとは限りません。

おすすめの方法としてはこちら側の味方になってくれる弁護士に依頼することです。自分だけで手続きをしようとするのはおすすめできません。代理を依頼できるのは弁護士になります。

調停でも納得いかない場合は裁判に

調停でも納得がいかない遺産相続トラブルは裁判をしてもらいます。

弁護士等に代理人になってもらうのが効率的でしょう。

まとめ

このページでは相続トラブルと、その回避方法、トラブルになった場合の対処方法についてお伝えしてきました。

トラブルになってしまった場合には、感情的になってしまうのでなるべく早い段階で相続の専門家に相談するのがよいでしょう。

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