最新版 介護報酬の改定のポイントと影響

2025年には団塊の世代が75歳以上となります。この頃になると介護を必要とする高齢者の数が大幅に増加し、若い世代で支えないといけない仕組みに無理が生じるかもしれません。財政負担も大きくなるでしょう。

平成27年にはこのことを見据えて、介護保険制度においても介護報酬が改正されました。様々な分野に影響が起きているようです。この記事ではこの介護報酬について解説いたします。

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これまでの経緯

介護報酬は介護保険制度の施行後、3年ごとに改定が行われています。2003年度と2006年度はマイナスの改定になりましたが、2009年度には初めてプラスの改定になったのです。

2012年度もプラス改定でしたが、介護職員処遇改善交付金が介護職員処遇改善加算に組み換えられたので、実際はマイナス改定といえるものでしょう。これは、国からの交付金から介護職員の処遇に関する費用を負担するのではなく、利用料として算定する加算として徴収するようになったのです。

要するに、これまで国が負担していたものを、利用者が負担するようになったということです。これによって、国及び地方公共団体の財政的負担を減らそうとしたといえます。

2015年度の改定の目的は介護保険料抑制と職員給与の引き上げ

4つの視点から改定が行われましたが、中でも「介護保険料の上昇の抑制」と「介護サービスの利用者負担の軽減」の2点はダイレクトに介護報酬引き下げに影響したと言えるでしょう。

この2点だけ考えれば、利用する側の本人や家族に優しく、利用される側の事業所には厳しい結果になったといえます。

また、「介護職員の給与の引き上げ」という視点があります。介護職員処遇改善加算は2009年度よりアップされていますが、全体でマイナスになっているので、保険料と介護職員給与のバランスをとったといえそうです。

極端な例を出せば、介護職員処遇改善加算で職員の月々の給与をプラスに出来ますが、報酬のマイナスで賞与をマイナスにする場合があるかもしれません。

国に施策は介護職員の確保のためにと掲げていますが、現場で賞与をマイナスにすることがあるとすると想定外の状況といえそうです。

そもそもなぜマイナス改定になるのか

引き下げにならなければ、日本全体で考えると65歳以上の高齢者が払う保険料は全国平均で5800円になる予定でした。これが、今回の引き下げで何とか平均5550円で抑えられるようになったのです。年間で3000円軽減されることになります。

背景には、特別養護老人ホームやデイサービスの利益率が1割前後といわれ、他のサービスに比べてもうけが大きい分、他に報酬分をシフトしてきめ細やかな設定をしたことが影響されているようです。

また、全体の単価を下げないと個人の保険料負担のほか国や地方自治体の財政負担が膨らんでしまうこともあるようです。

全体で2.27%の報酬引き下げ 介護現場は大丈夫か!

今回の介護報酬改定では2.27%の引き下げになりました。ただでさえ介護報酬が低く、職員の給与等にも影響がでているのに、働く側からすればとても悲観的になってしまう方もいるでしょう。

しかしながら財政負担の問題と介護現場の人材確保(人件費)、介護保険料の負担という相容れない三つ巴の状態の中では、各事業所の経営の質を高めながら、役所との連携を密にするしか現在のところは方法はないと言わざるえない状況といえます。

デイサービス、特別養護老人ホームはマイナス6%

デイサービス、特定施設、特別養護老人ホームはマイナス6%と過去最高の引き下げになりました。訪問介護だと利用時間にもよりますが、最高で4.7%に通所介護は4.9%の引き下げになっているのです。

訪問看護では2.9%、訪問リハビリでは1.7%の引き下げになっており、医療的な面のサービスはややマイナス率が低いようです。この引き下げの部分は基本報酬の部分で、いわゆる一割、二割負担のところに該当します。

引き下げだけではない、引き上げもある

基本報酬は引き下げられましたが、実は加算の部分は引き上げられることもあります。

加算とは各事業所で特に力を入れて取組んだ事柄について評価を受け、算定できる分野です。要するに、介護等の質を上げるために努力しない事業所は評価されません。

一方で努力を行う事業所にはそれに見合った加算を算定してその分だけ報酬が入るとようになったのです。事業所側は生き残りをかけてより一層の努力が必要といえます。

まとめ

介護報酬の引き下げで小規模施設にとってはその経営が難しくなってきたといえます。

利用者からすると、介護費用を支払うことで生活のサポートを受けるのですが、できるだけ質のよいサポートをうけたいと思うのが心情です。

他方、事業者側からみると効率よくサービス提供をしたくとも、利用者の要望を聞くと非効率な業務に陥ってしまうのも確かでしょう。

一般的には、利用者一人当たり単価を確実にして利用者数の増加を図る経営が求められているといえますが、これを求めようとすると、大規模事業所による戦略を取るという方法になりそうです。

経営効率を求めると小規模施設にとっては死活問題になってしまい、最終的には施設が減少することで利用者が十分なサービスを受けられない状況にならないか心配です。

国や地方の財政負担はやはり税金でまかなっていますから、そのバランスを人件費ではなく、効率的な経営と行政との連携に求められているといえそうです。

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