menu

相続の専門家を検索

富裕層への徴税強化は進んでいる?ポイントを解説

最近の報道でも取り上げられているように国税庁が富裕層向けの徴税強化に乗り出しています。(日経新聞電子版2016年5月6日 www.nikkei.com/article/DGXMZO00109830W6A420C1000000/
実はこれ、今に始ま

マネー 富裕層,,徴税,強化,出国税,財産債務調書,マイナンバー, 2016年5月26日 閲覧数:172

富裕層は資産が1億以上の層

「富裕層への徴税強化」とは言いますが「富裕層」の定義がはっきりしません。
この点、野村総合研究所によると、「富裕層」とは「預金や株式などの有価証券、保険などの金融資産から負債を差し引いた額が1億円以上5億円未満」の層を指します。野村総合研究所では5億円以上の資産を持つ世帯は「超富裕層」と呼ばれ別の層となっていますが、「富裕層への徴税強化」の場合には「超富裕層」も合わせて「富裕層」と言ってしまってもよいでしょう。

富裕層が増えているので徴税強化か

実は、2014年11月の少し古いデータにはなるのですが、2013年の富裕層の世帯数が2011年と比べ増加しているのです。具体的には富裕層は25.4%、超富裕層は8.0%の増加です。これは、2000年以降でピークだった2007年を上回る数字なのです。

また、資産総額についても、富裕層は16.7%の増加、超富裕層においては65.9%も増加しています。こちらは2007年の数値には届かないものの、富裕層・超富裕層の資産が増加の傾向にあることは間違いないでしょう。

(野村総合研究所 https://www.nri.com/jp/news/2014/141118.aspx

つまり、「富裕層」は増えており、しかもその資産も増加傾向にあるためかなりの担税力(たんぜいりょく)があるとも考えられるのです。

「担税力」とは、「どれだけの税金を負担する力があるか?」と、いうことを示す用語です。

「なぜ富裕層への徴税強化か?」を簡単に言ってしまえば、富裕層(超富裕層も含む)にこの「担税力があるから」ということになるのでしょうが、それだけではありません。
これは後で説明する「出国税」とも関係するのです。

出国税は富裕層が海外に住所を移す場合に課される税金

出国税とは、金融資産が1億円を超える人が海外に住所を移す場合に課される税金です。
具体的には、先物取引やオプション取引などの金融派生商品(デリバティブ取引)などに対して、売却をしなくても、もし売却すれば得られるであろう利益(含み益)に課税する税金です。

一見すると、海外に住所を移すだけで実際に得てもいない利益に課税されるわけですからかなり理不尽な税金に思えます。

しかし、出国先が香港やシンガポールなど、外国資本や外貨獲得のために税金を優遇している国や地域(いわゆる「タックス・ヘイブン(租税回避地)」)の場合、本来なら、得た利益に対して所得税が15%、住民税が5%の合計20%の税金がかかるところ、タックスヘイブンでは税率が著しく低いか、かからないケースもあります。つまり、20%の税金を払わなくても済むことになります。

そこで、通常通りの所得税15%(5%は住民税のため、住所が海外だと課されません)を課す制度です。

今まで合法であったものを違法とするわけですから反発もあろうかと思いますが、納税者が公平に税金を負担するという「租税公平主義」によるものとも考えられるのです。

実際にアメリカやイギリスなどこの「出国税」採用する国が増えています。

財産債務調書は財産の監視のためのもの

これは、直接税金を課されるものではありません。
富裕層に対してその財産の監視をするものです。
以前は「財産債務明細書」の制度でしたが、それが強化されたものです。

具体的には、年間所得2,000万円を超え、全財産が3億円超(不動産、預貯金などを含めて)もしくは、国外に住所を移した人で、株式など(有価証券等)の売却金額が1億円を超える人が対象となります。
これらの人たちは、確定申告の時に財産債務調書を提出しなければなりません。

提出をしないことに対して直接の罰則はないのですが、過少申告加算税が課されることもありますので、実際のところは強制的な制度といえます。

実務的には、財産・債務のすべてを記載しなければなりませんのでかなり煩雑な事務作業となります。

少し補足ですが、この財産債務調書の対象とはならなくても、国外に5,000万円以上の財産を持っていれば「国外財産調書」提出の対象となり、こちらを「わざと(法律用語で故意といいます)」提出しなかった場合、懲役や罰金がありますので注意が必要です。

マイナンバー制度で富裕層は監視される

マイナンバーについては本年からの運用にあたり、昨年あたりから話題に登ることも多く、商工会議所や銀行などが主催のセミナーなどが多く開催されていましたのでご存じの方も多いかもしれません。

マイナンバーとは、国民一人ひとりに番号を割り当て、情報を一元管理するもので、社会保障や確定申告のような納税の場合にも使われます。
つまり、縦割り行政によって社会保障と税は別に考えられていましたが、マイナンバーの導入によりこれらは横断的に連携できるようになるとされています。

一見便利になるようにも思えますが、これがどのように徴税強化につながるかというと、銀行などの金融機関は、将来的にマイナンバーによって口座などを管理することになっています。

つまり、マイナンバーにより国は個人の資産を把握しやすくなるのです。
明らかな資産隠しが認められないことは当然ですが、今までグレーゾーンにあったもの、もしくは今まで「良し」とされていたものにも課税される可能性はあります。

また、徴税強化とは関係がありませんが、マイナンバー漏洩による「なりすまし」の可能性も否定できません。

まとめ

以上が富裕層に対する徴税強化のポイントです。
たとえ今回のこの「富裕層」に当てはまらなくとも、決して対岸の火事ではありません。マイナンバー制度などは国民全員に適用される制度ですし、今後この「富裕層の定義」が拡大される可能性がゼロとも言えないからです。
いずれにせよ、この件に関してはアンテナを伸ばして継続して情報を収集することが良いでしょう。

この記事について
オール相続の最新情報をお届けします。

マニュアル・手続き書類ひな形、無料プレゼント中!

オール相続では、相続・終活の手続き方法や重要なポイントについて解説した冊子を無料配布しています。

「誰がいくらもらえる? 」「相続税はいくらから?」「手続きのスケジュールは?」

また、自分でも手続きができるように各種書類のテンプレート・ひな形をマイページから無料でダウンロードできます。

オール相続のメルマガに登録!

相続・資産に関するお得な情報や、限定セミナーのご招待などをお届けします。

メールアドレスは abc@example.jp の形式で入力してください

「マネー」に関する他の記事

「マネー」に関する相談Q&A

ページトップへ

Copyright © 2015 All Partners Inc. All Rights Reserved.