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利用者拡大中!「事業承継税制」とはどのような制度なのか?

高齢化社会に突入した日本では、企業経営者も高齢化していると言われています。ビジネスの承継・引き継ぎをお考えの人、経営者が後継者へ事業を承継するときの税金について理解されてますか?この記事では、「事業承継税制」の概要を解説いたします。

相続税対策 2016年5月30日 閲覧数:165

事業承継税制とは?


事業承継税制とは、簡単に説明しますと「非上場株式などに係わる相続税・贈与税の納税猶予」制度のことを指します。

とは言え、なんだか日常では聞きなれないような言葉ばかりですので、あまりピンと来ませんね。もう少しかみ砕いて説明します。

中小企業の事業継承には、後継者不足・承継時の税負担が大きい、といった様々な問題点があります。そこで、事業の継承をスムーズにして、中小企業の事業継続・存続に役立てるために、「中小企業経営承継円滑化法」が制定されました。

その3つの柱の1つに「事業承継税制」があります。この制度は、中小企業の株式が継承される際の税負担が大きくのしかからないように、相続税や贈与税の納付を猶予してくれる制度です。

事業承継税制の内容は?


「相続税」と「贈与税」の2つに関する特例(納税猶予制度)が設けられています。ひとつずつ解説します。

相続税の納税猶予制度

後継者が相続・遺贈により取得した株式などに係る相続税に対して、約80%相当額が猶予されます。

しかし、この猶予を受けるには経済産業大臣の認定を受ける必要があります。また、最低5年間は雇用確保といった事業継続要件を満たす必要があります。加えて、その後継者が対象となった株式などを保有し続ける必要があります。

注意点

相続や遺贈によって得た株式すべてが対象となるというわけではありません。後継者が相続する以前に保有していた議決権株式を含め、その会社が発行した発行済議決権株式等総数の2/3が上限とされています。

贈与税の納税猶予制度

後継者が贈与により取得した株式などに係る贈与税に対して、約100%相当額が贈与者の死亡時まで猶予されます。

そして贈与者の死亡時において、株式などの贈与時の価値で相続財産に加算し、相続税がいくらになるかを計算します。

この猶予を受けるには、上記の「相続税の納税猶予制度」と同じように、経済産業大臣の認定を受け、5年以上の雇用確保といった事業継続要件を満たさなくてはなりません。

とはいえ、その相続開始時点において後継者がすでにその会社を経営している場合、その株式等の課税価格80%に値する「相続税」が猶予されます。

注意点

納税猶予の対象となる株数には上限があります。贈与直前の贈与者(親)と受贈者(子)の所有株式数が、会社がすでに発行した株式数の2/3より少ない場合、贈与者の所有株式数が上限となります。また、受贈者(子)がこの贈与の前から2/3以上所有していた場合は猶予特例の適用はありませんので注意が必要です。


税制改正によって更に使いやすくなった

平成25年度の税制改正によって更に利用しやすいように改正が行われました。簡単にまとめると下記のように改正されました。

・経済産業大臣の事前の確認を受けなくても、制度が利用できる(手続きの簡略化)
・親族以外承継も対象となる→親族に限らず、適任者を後継者にできる
・5年間「毎年」雇用8割維持の要件が緩和され、5年間「平均」雇用8割維持で評価→毎年の景気変動に配慮
・株式不発行も可能である
・役員退任要件が緩和される→代表者退任要件とし、有給役員として残留ができ、現経営者の信用力を活用することができる
・納税猶予打ち切りリスクが緩和される→利子税負担の軽減・事業の再出発の際にも納税猶予額を再計算し、一部を免除する
・特定会社の要件が厳格化される
・債務控除方式が変更される→現在の経営者の個人債務・葬式費用を株式以外の相続財産から控除するので、たとえ債務の相続があったとしても株式の納税猶予をフルに活用することができる。


これらの改正は、平成27年1月1日以降の相続・遺贈・贈与に適用されています。

課題はまだ残っています


利用しやすく改正が行われていますが、まだまだ課題が残っているのが現実です。「事業承継税制が使いやすくなりました!」という言葉を真に受けずに、その後のリスクなどをよく考えて慎重に決断しましょう。

・まず、この制度の根本が「税負担を免除する」のではなく、「税負担を猶予する」という点です。承継時の負担は大幅に減りますが、ただ先延ばしにされただけですので、いずれは全額払わなくてはなりません。

雇用確保8割のハードルが高すぎることです。経営にあたって「人件費」は非常に大きな固定費です。この制度を利用するということはリストラはできないということになります。

申告期限から5年間は、M&Aや廃業などができない。もしその場合は、猶予された税金を一括で払わなくてはならない。

つまり、中小企業の事業承継を支援するために設けられた制度であるにもかかわらず、あまりにも要件が厳しすぎるために利用しづらい…。というのが実情です。これらを受けて平成25年度に改正をしましたが、上記の問題点は緩和されただけであって、考え方は変わっていません。

まとめ


いかがでしたか?事業承継時の税負担が大きいために、せっかく先代経営者が人生をかけて築いてきた事業の歴史が途絶えてしまうことはとっても残念なことです。もちろん、経済活性化といった全体的な観点から見てもいいことではありません。

事業承継税制にはまだまだ課題が残されていますが、利用しやすいよう年々改正されています。この制度をもう少し詳しく知りたい、活用したいとお考えの方は、相続・事業承継に強い税理士やコンサルタントなどに相談してみましょう。
 

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