相続登記を自分でやるためのマニュアル、必要書類・費用・オンライン申請まで

相続した不動産の登記をオンライン申請で全て自分でやってみました。この記事を読むと、あなたも自分で相続登記ができるようになります。

事前の豆知識

Q:他の相続人の登記も、代わりに自分ができる?
A:兄弟姉妹など、他の相続人の不動産登記も自分が代理人としてオンライン申請することができます。

Q:いくつかの不動産をまとめて登記できる?
A:その不動産の場所によって管轄の法務局が決まっており、一緒の場所であればまとめてできます。違う法務局・管轄ですと1件ごとに申請・書類郵送が必要です。

Q:必要な道具や機械はある?
A:パソコンに加えて、ICカードリーダーが必要です。マイナンバーカードを読み取って電子署名を行うためです。

必要書類を入手する

必要書類および申請後に郵送する書類一式のリストは以下です。

「&コピー」となっているものは、原本還付のためにコピーが必要な書類です。

 

必要書類

  • 不動産の登記簿謄本

郵送する書類

  • 登記申請書(オンライン申請後にプリントして添付)
  • 戸籍謄本または除籍謄本(コピー不要で還付)
  • 相続人(不動産取得者)の住民票 &コピー
  • 被相続人の住民票の除票 &コピー
  • 相続人全員の戸籍(コピー不要で還付)
  • 相続関係説明図(PDFでオンライン添付)
  • 分割協議書 &コピー
  • 全員の印鑑証明 &コピー
  • 納税通知書コピー
  • 封筒
  • 切手1000円分程度

不動産登記簿謄本を入手

不動産の謄本はオンラインや法務局で入手してください。

戸籍を入手

亡くなった方の戸籍は出生から亡くなる分まで全て用意してください。現住所の市役所で取れる分だけとると、それ以前の戸籍があるかどうかが分かるので、その戸籍を各地で再度入手していきます。

相続人の戸籍謄本も必要です。

登記申請書は最後でOK

オンライン申請が終わった後に、登記申請書はプリントアウトして郵送するので最後になります。

住民票は2つ

住民票は相続人の中で不動産を取得する人のものが1通、亡くなった方のもの(亡くなった後の住民票は除票と言われます)が1通です。

遺産分割協議書は1通、まとめて申請したい場合は借りるか使いまわす

遺産分割協議書は1件ごとに1通必要です。よって他の相続人の分を一緒に登記したい場合は、その相続人の分の分割協議書も入手するか、もしくは1件終わって戻ってきたものを再度使うことになります。

相続関係説明図はPDF

相続関係説明図をワードなどで作り、PDFにしておきます。オンライン申請時にそのままファイル添付します。

原本還付と書類送付の用意をする

印鑑証明や住民票などは、コピーして署名などをする「還付」と呼ばれる手続きを行っておくことで、送った書類を完了後に返してくれます。

還付の手続きを行っておかないと書類は返ってきません。

いくつかの不動産で何度も登記手続きをする方や、他の手続きで書類を有効活用したい方は必ず還付の手続きを行っておきましょう。

還付してもらいたい書類をコピーする

以下の書類を全ページコピーします。

  • 相続人(不動産取得者)の住民票
  • 被相続人(亡くなった方)の住民票の除票
  • 遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑証明
  • 固定資産税の納税通知書

特に遺産分割協議書は何ページにもわたる場合があり面倒ですが、表紙や最後のページまで全てコピーしましょう。

原本還付のための表紙を書く

1枚の白紙に、

「原本還付 以下は原本と相違ありません」
「(申請する自分の住所)(氏名) (印鑑)」

を書きます。

ホチキスで書類をまとめて、割り印

先ほどの書類を表紙として、コピーした全ての書類を重ね、全てホッチキス止めします。

そしてページとページの間に、印鑑で割り印を押していきます。

割り印は、全ページに行います。

返信用封筒を用意する

A4サイズが入る角2号の封筒を用意します。手続きが完了したら、この封筒に書類を入れて返信してくれます。

本人限定郵便、という方式でのみ受け取りが可能なため、封筒の表紙に「本人限定受取」と赤字で記載してください。

加えて、二重線を封筒の真ん中に赤で引いておきます。

また、自分の住所、氏名を書いておきます。

切手を同封する

返信のための切手代は自己負担のため、切手を同封しなければいけません。

切手代 = 基本料金 + 一般書留の加算料金・435円 + 本人限定受取・105円

基本料金は書類一式の重さによりますが、定形外120円~580円程度です。
https://www.post.japanpost.jp/service/standard/one_price.html

合計で660円~1000円程度になりますので、1,000円分の切手を切手袋や小型のビニール袋等に入れて用意します。

注意したいのが、思ったよりも切手代がかかることがあり、ちょうどや少な目の金額を入れてしまうと申請後に「切手代が足りないので切手だけ送ってください」と言われてしまうことがあります。余った切手は返してくれますので、1000円分など多めに入れておくといいでしょう。その際に、切手1枚あたりの金額が全て大きいものだと端数が出たときにもったいないので、細かい金額のものも一緒に同封するといいでしょう。

レターパックに入れる

必要書類一式、原本還付用のコピー書類一式、返信用封筒、切手をレターパックに入れます。まだ封はしない、開けたままでおきます。

申請先の法務局の名前、住所を宛名として書きます。

依頼主は自分の名前、住所を書きます。

品目には「登記添付書類在中」と書きましょう。

申請する

申請用総合ソフトを利用して、登記情報を申請します。

右上のメニュー、申請書作成ボタンから書類を作成していきます。

登記申請書(権利に関する登記)→(4)所有権の移転(相続)署名要、を選びます。

 

ここでは例として、
・亡くなった方:オール相続の母、東京都世田谷区玉川台1-1-1
・相続する人:オール相続太郎、東京都赤羽2-2-2
・代理申請する人:オール相続二郎、埼玉県さいたま市大宮区桜木町3-3-3
として参考画像を作成してみています。代理申請でない場合は、申請人のところは相続する人に置き換えてください。

 

件名はなんでもかまいません、「自宅の登記」など自分が分かりやすい名称にしましょう。

納付情報は申請する方の名前をカタカナで入力してください。

登記の目的に、「亡くなった方(被相続人)の名前 持分全部移転」などと入力します。

原因は亡くなった日です。

相続人に、「被相続人の名前、その住所、持分、相続する人の名前」と記入します。

登記識別情報通知希望は、「送付の方法による交付を希望する」とします。

 

申請年月日は、申請日を入力します。

申請先登記所は、その不動産の管轄の登記所を選びます。

代理人は、相続人の代わりに代理で他の相続人が申請をする場合に住所、氏名などを書きます。

 

課税価格は、今回登記する物件の合計の課税価格を入力します。土地+建物など。固定資産税の納税通知書の価格でかまいません。1000円未満は切り捨てて記入しましょう。例)5,357,900円→5,357,000円

持分の移転の場合は、3分の1であれば価格も3分の1の価格にして記入しましょう。例)合計15,000,000円→5,000,000円

登録免許税は、課税価格に1000分の4を乗じた金額で、100円未満は切り捨てです。例)25,460円→25,400円

 

ここは特に分からなかったり、間違えやすかったりする箇所ですが、金額を仮に間違えてしまったとしても、申請後に法務局の方が電話で正しい金額を教えてくれて、修正することができます。

 

 

物件の情報を入力します。

「申請情報入力」の部分をクリックして、物件の情報を入力していきます。

不動産の登記簿謄本を見ながら、そのとおりに入力していってください。

 

地目、地積なども入力します。

マンションの場合も同様に登記簿謄本を見ながら入力します。

建物の種類、構造、床面積なども記入します。

 

 

記入が全て終わったら、完了ボタンで一覧ページに戻り、右クリックして「ファイル添付」を選んでください。

ここで相続関係説明図のPDFを添付します。

 

続いて、マイナンバーカードを使って電子署名をします。

 

電子署名が終わったら、「申請データ送信」で申請完了です。

しばらくたった後、一覧の右側部分のボタン「納付」がクリックできるようになるので、そこから登録免許税をオンラインバンキングで納付します。

 

登記申請書を印刷する

申請完了後に、申請用総合ソフトで「手続終了」となっているのを確認します。

ダブルクリックすると、WEBページ上に登記申請書と委任状の画面が立ち上がります。

 

これをプリントし、委任状のところに申請書の印鑑を押しましょう。認印でかまいません。

ウェブページからの印刷でうまくいかない場合は、ワード等に張り付けて印刷しましょう。

2枚にまたがる場合は、余白を調整して1枚にしてしまうか、ホチキス止めして割り印を押しましょう。

郵送する

印刷した登記申請書をレターパックに加えて、書類一式を郵送します。

最後にまた書類がそろっているか最終確認しましょう。

  • 登記申請書(オンライン申請後にプリントして添付)
  • 戸籍謄本または除籍謄本(コピー不要で還付)
  • 相続人(不動産取得者)の住民票 &コピー
  • 被相続人の住民票の除票 &コピー
  • 相続人全員の戸籍(コピー不要で還付)
  • 相続関係説明図(PDFでオンライン添付)
  • 分割協議書 &コピー
  • 全員の印鑑証明 &コピー
  • 納税通知書コピー
  • 封筒
  • 切手1000円分程度

補正に対応する

間違いや修正点があった場合、法務局の方が電話で連絡してきてくれます。

補正ボタンがクリックできるようになっているので、そこを押して正しい箇所・金額に直しましょう。

登録免許税の金額が足らなかった場合などは不足額を納付ボタンから納付します。

通知が来たら配達してもらう

手続きが完了しても、自分の家に書類が直接は届きません。

一旦、はがきで「本人限定受取」のお知らせが来ます。はがきに記載の郵便局まで取り行くか、配達希望日時を知らせます。書類は特定の郵便局に届いているため、どこの郵便局でも受け取れるわけではないので注意してください。

配達当日、受け取り時には、免許証などの提示が必要です。

完了

登記完了のお知らせや、書類一式を受け取ったら完了です。

 

まとめ

最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまうととても簡単に登記はできるようになります。

間違っていても法務局の方が教えてくれて、修正ができるので、気軽に取り組んでみましょう。

副業、プチ起業、スキルアップにおすすめ!アート・クラフトの講師になれる認定講座

 

世界中で大人気、NYやLAでは「第2のヨガ」と呼ばれる新しいアート・DIYのレッスン方法を学んでみませんか?

副業、プチ起業、スキルアップにおすすめ、講師として教えられるようになる「ペイントインストラクター認定講座」「DIYインストラクター認定講座」の講師が全国で誕生中!

講座の詳細はこちら

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。