葬式に数珠は必要?どこで買うか、持ち方は?

仏式の葬儀や法事の際に「数珠」(念珠)は絶対に欠かせないアイテムです。仏教においてはどの宗派でも数珠を大事にしますので、1つは持っておきたいものです。今回は数珠にまつわる基礎知識や数珠の買い方、選び方を紹介します。

数珠にまつわる基礎知識

仏教で最も身近な仏具の1つ

数珠とは穴が開いた多くの珠に糸の束を通して輪にした仏具で、本来は念仏を唱える際に擦り合せて音を立てたり、念仏の数を数えるために使われるものです。「数を念ずる」「数を記す」という意味で「数珠」と呼ぶわけです。

現在では「数珠を腕にかけて仏様に合掌すれば、煩悩は消滅して功徳を積むことが出来る」とも言われており、通夜や葬儀、法事の際は必ず持っていくものとされています。厄除けやお守りとしての意味もあり、普段から常に持ち歩いている人もいます。

数珠の起源

数珠の起源は仏教が宗教として体系化されるよりも前、古代インドのバラモン教で用いられていた道具である、という説が有力です。仏教の開祖である釈迦がそれを用い、中国を経て飛鳥時代の日本に伝来したようです。本格的に普及したのは鎌倉時代以降、浄土宗の開祖である法然が「南無阿弥陀仏」とひたすら唱える「専修念仏」の教えを説いた頃からです。この頃はまさに唱えたお経の数を唱えるためだけに数珠は存在しました。

葬儀の際に数珠は必ず持って行くべきか

数珠は仏教における仏具なので、まずは出席する葬儀や法事が仏式であることが大前提となります。いくら自分が仏教徒でも、出席する葬儀がキリスト教で行われるのであれば数珠はつける必要はなく、むしろつけてはいけません。

仏式の葬儀や法事に出る場合、自分が仏教徒であれば数珠は必ずつけなくてはいけません。無宗教者であればそれぞれの判断で、ということになりますが、「どうしても数珠はつけたくない」という特別なこだわりがなければつけた方が無難でしょう。仏教以外の宗教の信者であれば数珠をつける必要はありません。つまり仏教という特定の宗教の仏具である数珠を、仏教信者でない人に強制することは出来ないということです。

ただし地域や慣習によっては数珠をつけずに仏式の葬儀に参列することを咎められる場合もあるかもしれません。そのような場合は宗教上の理由がなければ臨機応変に対応した方がよいと言えます。

数珠の持ち方

葬儀や法事の会場に入ったら数珠は房を下にして手に持っておきます。お経を唱えたり、仏様や故人に対して合掌する際は左手の親指にかけた上で右手で挟むようにするか、合わせた両手の両方の親指にかけて持つようにします。

数珠はどこで買うのか

数珠はブラックフォーマルの洋服を売っている売り場で一緒に売られていることが多いです。つまり大抵のデパートやスーパーでは取り扱いがあります。たくさんの種類の中から選びたい場合はやはり仏具店へ行って買うのがよいでしょう。近所に仏具店がない場合はネット通販を使うと便利です。意外なところでは寺院や斎場で売っていることもあります。

数珠の種類

本式数珠

本式数珠は「本連数珠」もしくは「二輪数珠」という呼び方もします。 数珠は多くの珠を輪にしたものですが、正式な数珠の数は「108個」です。この数はどの宗派でも同じです。
この108という数字は仏教の教義でいうところの「煩悩」の数です。煩悩とは「心身を乱し、悩ませ、物事の道理を正しく判断・処理するための知恵を妨げる心の働き」のことで、数は諸説ありますが一般的には108個あるとされています。つまり108個の珠を繋いだ数珠を持てば、108個の煩悩全てを消滅させる功徳がある、というわけです。
本式数珠は108個の主珠と2個の親珠を繋ぎ、親珠に弟子珠と表房、露玉と裏房をそれぞれつけます。主珠の中には少し小さめの珠を4つ入れますが、これは四天王、四菩薩を表しています。これは本式数珠の基本的な形態ですが、細かい形は宗派によって多少異なります。真言宗用本式数珠は他の宗派でも利用することが出来ますし、浄土宗用本式数珠は時宗用としても利用出来るなど、多少融通の利く宗派もあります。どの宗派でも利用出来るものとして兼用本式数珠というものありますので、本式数珠の最初の1本としてはこれがよいでしょう。

略式数珠

本式数珠よりも珠の数を大幅に減らして持ちやすくなっているのが略式数珠です。略式数珠は「宗派を問わずに使える」「小さくて保管がしやすい」「仰々しくない」といった理由から最近は本式数珠を持たずに略式数珠のみで全て済ませるという人の方が多いです。

ただし略式数珠はあくまでも「略式」ですから、自分の親や兄弟といった家族が亡くなった時に使うものとしてはあまりふさわしくありません。また会社関係の付き合いで社葬やお別れの会に略式数珠を使うと、人によっては故人を軽く見ているととりかねません。ある程度の年齢になったらぜひ本式数珠も持っておくことをお勧めします。本式数珠と略式数珠の両方を持っておいて、適宜使い分けても構いません。

腕輪数珠

数珠は普段から持っておくのがよい、とされていますが、本式数珠や略式数珠は日常生活を送る上では少々邪魔になるのも事実です。そこで考え出されたのが「腕輪数珠」です。いわゆるパワーストーンを組み合わせて作るようなアクセサリー的なブレスレットも、広い意味ではこの腕輪数珠に入ると言えます。本式数珠や略式数珠とは違い、葬儀や法事の際に使うのは少々無理があるというのが正直なところです。

まとめ

誤解を恐れずに言うならば、数珠は「(仏教以外の宗教の信者を除いて)大人として必ず持 っていなくてはいけないもの」だと思います。葬儀に参列するのに数珠を持っておらず、 お焼香が終わった人から借りたり、斎場のスタッフに借りたりしている人をたまに見かけ ますが、非常識であり恥ずべき行為です。明確に仏教以外の宗教の信者であるなら ともかく「無宗教者だけどウチは何となく仏教だよ」という場合、略式数珠でもよいので 数珠は必ず1本は持っておきたいものです。

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