美白の女王、鈴木その子さんの相続税は55億円！！

1990年代後半に「美白の女王」として様々なテレビ番組に出演し、人気を博した美容・料理研究家の鈴木その子さんは、2000年12月5日に肺炎のため68歳で亡くなりました。この記事では、鈴木その子さんの相続について説明します。
 

鈴木その子さんの生涯、料理研究家から化粧品販売へ

父親の遺産でレストランを開店

鈴木さんは、子供の頃から料理をするのが大好きでした。1974年にそれまでは、専業主婦だった鈴木さんが父親の遺産で、株式会社トキノ（現在：株式会社ソノコ）の前身となる新日本料理レストラン「トキノ」を開店しました。

息子の死の悲しみがあのベストセラーを生んだ

お見合い結婚をした鈴木さんは、一男一女の母になりました。けれども、1976年に拒食症を患っていた当時二十歳の長男がその病が原因でベランダから転落して亡くなりました。

このことをきっかけに鈴木さんは料理研究家として健康にダイエットができる献立を研究しました。そして、1980年に出版された、この研究をまとめた著書「やせたい人は食べなさい」はミリオンセラーとなりました。

一代で年商約９０億円の会社を築く

1983年に社名を株式会社トキノに変更してからは、1985年には食品の通信販売を開始しました。さらに、鈴木さんは、人々の肌が汚いことに心を痛め、1990年にはスキンケア用品等の化粧品の販売を開始しました。

実業家として多忙な生活のなか、1990年代後半には、「美白の女王」として「笑っていいとも」の準レギュラーを務めるなど、数多くのテレビ番組にも出演しました。鈴木さんが亡くなった当時の株式会社トキノの年商は約90億円でした。
 

鈴木その子さんの遺産は88億円！

鈴木その子さんの莫大な遺産

板橋税務署の公示によると、鈴木さんの遺産は、株式会社トキノの株式や預金、目黒区の不動産等総額約88億円でした。ちなみに、鈴木さんが亡くなった当時に、田園調布で建築中だった「その子御殿」の土地や建物は、会社名義だったため遺産には含まれていません。

この「その子御殿」を建築していた場所ですが、鈴木さんがホテルニュージャパン等の経営者であった横井英樹氏から13億6千万円で購入したものでした。このことが、当時のメディアでは大きなニュースとして取り上げられていました。

長女が支払った相続税はなんと55億円！！

鈴木さんの遺産は、長女が全て相続しました。もう一人の法定相続人であったご主人は何らかの事情により相続しなかったようです。鈴木さんの長女が納めた相続税は約55億円でした（板橋税務署の公示による）。

相続税の配偶者控除があればもっと節税できた。。

相続税には配偶者控除があり、配偶者の法定相続分または1億6千万円までのどちらか大きい額までは、相続税が控除になります。ですから、もし、鈴木さんのご主人が、法定相続額（遺産の2分の１）の約44億円を相続していれば、鈴木さんの遺産に対する相続税の支払い額は、約半分になったと考えられます。
 

相続税の税率は、昔のほうが高かった！

 2000年の相続税の最高税率

2015年1月1日から相続税の最高税率は55％（相続額6億円超）で基礎控除額が3千万円＋6百万円になりました。現在でも日本の裕福層への相続税率は高いと言われていますが、鈴木さんの長女が遺産を相続した2000年の相続税の最高税率は現在よりも15％も高く70％（相続額20億円超）で基礎控除額が5千万円＋1千万円×法定相続人の数でした。

1988年の相続税抜本改正前

相続税の最高税率が2000年は70％だったことは驚きですが、相続税の最高税率がさらに高い時代もありました。1988年の相続税の抜本改正前は、最高税率が75％で、基礎控除額が2千万円＋400万円×法定相続人の数でした。この当時に多額の遺産を相続した場合は、現在よりもさらに相続税の支払いに苦労したことと思われます。
 

まとめ

鈴木その子さんの長女が、どのように相続税対策や納税資金を捻出したのかが気になるところです。
相続人が配偶者ではない場合の、日本の相続税の税率は非常に高いです。現金以外の資産を相続する場合は、どのように相続制を納税するかについても、事前に専門家へ相談し対策をしておく必要があります。
 

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