扶養家族とは何?新106万円の壁についても解説

所得税の控除額についての話をするときや,社会保険料の話をするときに、扶養家族という言葉を耳にすることが多いと思います。

そして、パートで働いている主婦は、配偶者の扶養家族でいられる範囲内で労働時間を決めていることも多いと思います。

そこで今回は、実は同じではない税法上と社会保険上の扶養家族についてと、2016年10月から適用される社会保険の適用拡大「新106万円の壁」について説明します。

税法上は「扶養親族」と呼び、年収が38万円以下などの条件がある

税法上の扶養家族のことを扶養親族(ふようしんぞく)といいます。

扶養親族は、配偶者を除いた6親等内の血族(納税者の父母、子、祖父母、孫、兄弟、甥姪など)と3親等内の姻族(納税者の配偶者の父母、連れ子、兄弟、甥姪など)のことをいいます。

同居していることが扶養親族の条件ではなく「納税者と生計と一にしていること」(納税者の収入で暮らしている人)なので、大学に通うために離れて暮らしていて仕送りをしている子なども扶養親族に含まれます。

そして、その年の所得が38万円以下であること、青色申告者の事業専従者として給料をもらっていないこと、白色申告者の専業専従者ではないことも扶養親族であるための条件です。このうち16歳以上の家族が、所得税の控除対象扶養親族です。

扶養親族がいれば、所得税が安くなる

扶養親族がいれば所得税の控除がうけられるため、所得税が安くなります。

扶養親族ごとに年齢などによって4つのカテゴリーに分けられ、それぞれ所得の控除額が決まっています。(全てのカテゴリーで、その年の12月31日現在の年齢を適用します。)

特定扶養親族

19歳以上23歳未満の扶養親族1人につき63万円の所得が控除されます。

老人扶養親族(同居老親等)

70歳以上の扶養親族と同居している場合は、1人につき58万円の所得が控除されます。

老人扶養親族(同居老親等以外)

同居をしていない70歳以上の扶養親族がいる場合は、1人につき48万円の所得が控除されます。

一般の控除対象扶養親族

上記の3つのカテゴリーに当てはまらない扶養親族1人につき38万円の所得が控除されます。

 

税法上、配偶者は扶養親族ではない

税法上の扶養家族には配偶者は含まれません。

配偶者の場合は扶養控除ではなく配偶者控除38万円の対象になります。

また、103万円の壁という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

給与をもらっている人であれば、控除額がだれでも103万円分はあるので、年収103万円以下は所得税がかからないのです。

これらがパートで働く多くの主婦が年収103万円を超えないようにしている理由です。

社会保険上の扶養家族は、年収130万円以下などの条件

被保険者が主に生活費を負担して養っている配偶者(内縁を含む)、子、孫、弟妹、父母等の直系尊属は同居をしていなくても被扶養となります。これらの直系尊属以外の3親等内の親族、内縁の配偶者(死後を含む)の父母、連れ子は被保険者と同居をしていれば被扶養となります。

被扶養となる条件の1つに、年収が130万円以下(60歳以上又は59歳以下の障害年金受給者は年間180万円未満)というのがあります。年収が130万円以上になると、これまで配偶者の扶養家族(第3号被保険者)として年金の支払いは免除されていたのが第2号被保険者となり、自分で厚生年金などを支払わなくてはいけなくなります。

よって、パートの主婦が働き方を考える年収の額は、所得税上は103万円、社会保険上は130万円なのです。

新106万円の壁とは?

2016年10月から年収106万円以上に社会保険加入義務が発生する

現在、短時間労働者(パートやアルバイト)はフルタイムで働く人の4分の3(週30時間)以上の勤務時間で社会保険加入が義務付けられています。

この条件が2016年10月から変わります。厚生労働省が発表した新しい短時間労働者の社会保険加入の条件は、従業員501人以上の会社に週20時間以上の勤務で1年以上働く見込みがあることです。

そして、年収が106万円以上(月額賃金8.8万円以上)という条件も加わります。

学生は対象外です。約400万人の短時間労働者のうち、全ての条件に当てはまり新しく社会保険に加入しなくてはいけない人は厚生労働省の発表では25万人だそうです。

年収106万円以下に抑えたほうが手取りの金額が多くなる

この年収106万円というのがパートの主婦が働き方を考えるときの新たな壁になります。

これまでは、年収が103万円を超えて所得税や住民税を多少支払うことになっても、社会保険上は配偶者の扶養でいられる年収130万円までは働いていた人も多いと思います。

けれども新しい制度が適用され配偶者の扶養から外れた場合は、年収を106万円以下に抑えたほうが厚生年金保険料等を支払わない分、年収106万円以上130万円以下よりも手取りの金額が多くなるようです。

企業側が勤務時間や賃金を制限することもありうる

今回の短時間労働者に対する社会保険加入の範囲が拡大されることはパートで働く人だけではなく、パートやアルバイトを雇用する企業にも影響を与えます。

理由は、社会保険料は会社と労働者が折半するからです。社会保険料を支払わないために、パートやアルバイトの勤務時間や賃金を制限する会社が出てくることも考えられます。

まとめ

パートの主婦を悩ます103万円の壁、130万円の壁に2016年10月からは106万円の壁が加わります。

国がこの制度変更を行ったのは、年金財源を賄うためです。今後の高齢化社会を考えると、扶養を外れて厚生年金を支払ったからといって、将来本当に年金を受給することができるかは疑問です。

まず、対象になるのは大企業で働く人たちだけですが、国は3年以内に見直しをして従業員の少ない企業にもこの被用者保険の適用を拡大する考えがあるようです。

ですから、2016年10月からは新基準の適用外で配偶者の扶養に残れる人も、今後の働き方を考える必要がありそうです。

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