相続手続きが簡単になる「法定相続情報証明制度」(仮称)の新設を法務省が発表
法定相続情報証明制度とは
被相続人の戸籍に関する戸籍謄本等の書類を法務局に提出しておけば、その後は法務局が戸籍謄本の代わりに1通の証明書として出してもらえる制度のことをいいます。
法定相続情報証明制度の背景
戸籍集めは専門家でも面倒なもの
現在は相続手続きにあたって、たとえば銀行口座の解約をするにあたっては、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本などの資料を大量に集める必要がありました。
これは相続人にとっては大変な負担です。通常はその内容を読み慣れない戸籍を何通も集めなければなりません。昭和の前半の戸籍ともなるとある意味達筆がすぎて、読めないものもあります。
とにかく戸籍収集は本人はもちろん、弁護士・司法書士・行政書士・税理士等の専門家ですら口を揃えて面倒である…。といえるものです。
結果として招いたのは金融機関・官公署の負担増と所有者不明の不動産
その結果、口座解約にあたる金融機関の窓口の負担は計り知れないものがあります。
相続税申告をした場合の窓口の負担も同じような事がいえるでしょう。(⇒相続税の申告に必要な書類はこんなにあるんです)
また同じく被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等が必要な、相続登記の申請が面倒でされておらず、だれが所有者なのかわからない?といった不動産が多数存在することになります。相続が発生したとしても登記をする必要性・しなかった事によるペナルティは現行民法ではありません。(⇒登記に必要な書類についてはこちらを参照してください)
法定相続情報証明制度はこのような負担を少しでも軽減しようとするものです。
法定相続情報証明制度の今後の流れ
今回の法定相続証明情報制度は、戸籍法等の規則の改正を行う動きをするものです。
規則の改正にあたっては、行政手続法所定の意見公募手続(いわゆるパブリックコメント)を経て、5月には運用開始を法務省が目指しています。
法定相続情報証明制度で士業の業務はどう変わるのか
ここから先は、士業の業務がどのように変わるのか、考えてみたいと思います。
法定相続情報証明制度で行政書士の相続業務の幅が狭まる?
相続に関しては士業でいうと弁護士・司法書士・行政書士・税理士がそれぞれの業法に基づいて業務を行っております。
まず、法務局に書類を提出する手続きになります。専門家でこれを行うことができるのは、弁護士と司法書士になります。
法定相続情報証明書制度の利用の手続き代理をできるのは、弁護士と司法書士のみとなりますので、この制度を利用する場合には行政書士が行うことは弁護士法違反ということになります。
しかし、あくまで法定相続情報証明書の提出の代理で、証明書の取得に関しては法務局で不動産登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)を取るのと同じですので、この制度をもって直ちに行政書士の相続業務の範囲には影響があるとみるのは時期尚早かもしれません。
行政書士への生前の対策の相談は、制度が制定されてもなお有効でしょう。
自分で手続きをしたいという人のサポートを!
今回の法定相続情報証明制度は、あくまで自分で手続きをしたい人のサポートを主眼においています。
これからも手続きは自分でしたい、という方が多数いらっしゃいます。
士業の方は、どうしてもその準備ができない部分のサポートを主眼においてサービスの構築をすべきでしょう。
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