公正証書遺言に必要な証人は誰がなる?なれない人は?(証人欠格)
公正証書遺言の証人になれない人とは?
えっ?せっかく公証人役場まで行ったのに?
とならないように知っておいて欲しい知識が、公正証書遺言の証人になることができない、いわゆる「証人欠格」といわれる人がいますので注意が必要です。
証人になれない人は3種類
法律では以下のように定められています。
(証人及び立会人の欠格事由)
第九百七十四条 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
未成年者は証人にはなれない。なぜなれないの?
おさらいですが、未成年者とは20歳未満の者をいいます。(民法4条)。20歳人は証人になることができません。
未成年者は、取引行為について制限をされていますので、ある種財産の取引行為に類似する公正証書遺言についても制限をされているのです。
つまり、内容をしっかり把握できる人でないとだめということです
配偶者(奥さん・旦那さん)、親、子供、孫は証人になれない。
配偶者、親、子どもや孫は相続人になり得る、もしくは直系血族なので、直接の利害関係を持っているか、あるいはそれらに近い人たちです。
これらの人が証人となることは、場合によっては公正証書遺言を真意からすることを妨げてしまう可能性があることから民法は否定をしているのです。
つまり、口述の際に脅したりなどしないように配慮をしています。
子供の配偶者も証人になれない。
推定相続人(そのままだと相続を受ける予定の人)の配偶者も、親しい利害関係者なので証人になることはできません。
受遺贈(第三者で相続を受ける人)、およびその配偶者は証人になれない。
遺言で親族ではない第三者に相続をさせることもできます。
その場合に相続を受ける人を受遺贈者(じゅいしゃ)と言います。この人も利害関係者になるので証人になることはできません。
証人の奥さんは証人になれない
証人になった人の配偶者も証人になることはできません。
公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人は証人になれない
公証人はその職務上秘密を守る立場にあります。
公証人に近いこれらの人たちを公正証書遺言の証人にしてしまうことは、秘密を外部に漏らしてはならない公証人制度を台無しにしないためにあります。
結局だれが証人になれる?
孫の配偶者、など血のつながりが直接ない親族はOK
孫はだめですが、その配偶者は証人になることができます。
ただし、お子さんがすでに亡くなっていて、代襲相続としてお孫さんが推定相続人になっている場合は配偶者も証人になることができません。
しかし、利害関係者に近い立場にあるため、慎重に選定するほうがいいでしょう。
おじさん、おばさん、甥っ子姪っ子、など血のつながりはあっても傍系血族であればOK
親戚でも伯父、叔母、めいっ子や甥っ子などの「傍系血族」ならば証人になることができます。
兄弟姉妹はOK(ただし相続人じゃない場合)
親や子供がいない場合は兄弟姉妹が相続人になってしまうので証人にはなれませんが、そうでない場合は兄弟姉妹も証人になれます。
ただし、子供や親がその後亡くなってしまい、兄弟姉妹も相続人になるので争いが予想されるため、あまりおすすめはできません。
結局のところ誰がいい?
専門家に依頼がおすすめ
士業には守秘義務があるので、公正証書遺言のデメリットとされる内容がわかってしまうおそれがぐっと減ります。公正証書遺言をする際にはあなたの思いをとどけるためにもどのようにすればよいかアドバイスもしてくれる士業を活用しましょう。
こんな争いがあった!?判例
公正証書遺言の証人欠格にあたる人が立ち会いをしたような場合、公正証書遺言は無効となるか争われた事例があります。
裁判所は、
「遺言公正証書の作成に当たり,民法所定の証人が立ち会っている以上,たまたま当該遺言の証人となることができない者が同席していたとしても,この者によって遺言の内容が左右されたり,遺言者が自己の真意に基づいて遺言をすることを妨げられたりするなど特段の事情のない限り,当該遺言公正証書の作成手続を違法ということはできず,同遺言が無効となるものではないと解するのが相当である。」
と判断した上で、
本件において,受遺者であるEの長女のFらが同席していたことによって,本件遺言の内容が左右されたり,Dが自己の真意に基づき遺言をすることが妨げられたりした事情を認めることができないとした原審の認定判断は,原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足りる。 したがって,本件公正証書による遺言は有効である。
としました。
“
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