介護の現場で働く人たちの現状は?
介護職というのは、これからの後期高齢化社会を担う職業の一つになると思われますが、まだまだ社会的な地位が低くなっているのが問題視されています。就職市場などを見ていると、よく言われる話ですが「何も出来ないなら介護職になれば良い」というような言葉です。 確かに、介護職というのは現在の日本で最大の売り手市場といっても過言ではありませんので、資格や学歴が無くても誰でもなることができます。 バブルの頃の日本と同じように、企業としては「誰でもいいから来て欲しい」というような状況のために、経営者からは「誰でも出来る」というような認識で軽視されてしまうことも問題となっています。
労力の割に報酬が少ない介護施設が多い
これは全ての職業に言えることですが「低い労力で大きな報酬をもらう」というようなことはありえません。周りから見ていると低い労力に見えても、大きな報酬もらっている人は高い技術力を持っていたり、多くの知識を持っていたりすることが多いので、周りから見ると「楽をして儲けている」というように見えてしまうのです。
その点、介護職というのは、大変な労力が必要になります。介護をする体力についてもそうですが、利用者に不便を感じさせないように、精神的にも参ってしまう人が多いのも特徴の一つです。しかし、それらの労力が給与や福利厚生で反映されていない現場が多いために、常に入れ替わり立ち代わりで人材が育たないような土壌が出来てしまっているところもあります。
利用者と職員の間に溝がある現場も多い
特に女性の介護士が受ける被害として多いのが「利用者からのセクハラ」というものがあります。これは、日本特有の問題だと思われますが、「お客様は神様です」というような概念が根強いのがあると思われます。元々は歌手の故・三波春夫さんの語源となっていますが、本来の意味とは違った意味合いで使われる事が多く、「神様なのだから何をしてもいいだろう」というような意味で使われている事が多いです。その他にも、利用者が必要以上にワガママになってしまうことが多く、そのワガママに対して介護士が精神的に参ってしまい、仕事だけではなく日常生活に支障をきたしたり、中にはうつ病などの精神病になってしまったりといったケースも多くなっています。これらも、利用者と介護士との間に生じている溝が問題だと思われます。
介護士になる人に気をつけてもらいたいこと
ここまでを読んで、介護士という職業に希望を感じた人は少ないと思われますが、勘違いしないでもらいたいのは、「全ての現場がこのような状況ではない」ということです。介護士というのは現在の日本で最大の売り手市場となっていることから分かるように、介護士の資格を持っていれば職場を選ぶことが出来る状況にあるということになります。職員と現場に溝があるような現場や、正当な労力が評価されないような現場は早々に立ち去って新天地を求めることが出来るということになります。自分が現在置かれている状況が全てというように判断をしないで、新しい場所で介護を続けていくことが出来ます。
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