土地の相場はどうやって決まる?
土地を売却しようとしたとき、「土地の値段は誰が決めているのか?」とふと疑問に思う人がいるかも知れません。率直に言うと、誰が決めても構いません。もちろん自分の土地ですから、自分で決めても構わないのです。 ただ売却するということは、購入する人がいるということで、自分でいくら値段を決めても、その値段で買ってくれる人が現れなければ売買は成立しないのです。つまり「その土地にその価格は適正なのだろうか?」と疑問符がつくのです。 そこで通常は、様々な方法を用いて土地価格を決めていきます。それらの方法を簡単にご説明します。
公的な土地の価格はたくさんある?
日本には政府や都道府県から発表される公的な土地価格があります。「路線価」「公示地価」「基準地価(都道府県基準地価格」「固定資産税評価額」といったものです。
例えば路線価とは、相続税や贈与税の算定基準となる土地評価額で、道路の査定に基準を置いて算出されます。つまり管轄は国税庁となります。
また「公示地価」は国土交通省の土地鑑定委員会が実施するもので、不動産鑑定士の鑑定評価に基づき土地価格が決定されます。
一方、「基準地価」は都道府県が主体となって調査を行い、その結果によって決定された土地価格です。
これらの公的な土地価格を元に土地の価格がおおよそ決まっていきます。一番簡単に行う場合は、路線価×0.8といったような数式が使われるようです。
日照条件が違うと土地の価格相場も違う?
もちろんほとんどの土地の場合、このように簡単に土地価格を決めることはしません。それぞれの土地によって状態が違うからです。同じ道路に面した土地でも、地盤や日照条件などが違えば土地の価格が違ってくるのは当然といえば当然でしょう。そこで査定のポイントとなる具体的な項目をいくつか挙げてみます。 まずは交通アクセスについてです。最寄り駅までの距離や、スーパーやコンビニなど日常生活に必要な施設との距離、小中学校や病院といった公共施設までの距離などが評価項目となります。 また前面道路の状況も評価を左右します。道路の幅はもちろん、舗装状態、道路の連続性もポイントです。 そして土地の状態については細かく査定されます。地勢や地質、地盤、面積、形状、方向、高低差、傾斜地、角地といったことでも査定が違ってきます。 これらのことを不動産会社が独自で査定し、土地価格を決めていくのです。
土地の価格の相場は最後まで決まらない?
こうして物件自体の土地価格を決めていきますが、最後に近隣の成約事例などと比較し、価格を調整していきます。同じ広さや同じ条件の土地が、近年どれくらいの金額で売買されたかを調べることで「いくらなら買う人がいるのか」という数字に辿り着くのです。 例えば、60坪3000万円で取引された例と、30坪2000万円で取引された例が最近あったとすれば、この近辺の坪単価は約55~60万円と計算されます。この相場と比較し、土地の価格を調整していくのです。 ただし、これが最終的な土地の価格とはなりません。それはまだ売買が成立していないからです。購入希望者との交渉を経て、売買された金額が適正な土地価格だと判断されるのです。こうした事例の積み重ねで土地価格の相場が決まっていきます。
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