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海外赴任中や、外国籍の人が相続を受けたときの相続手続きと相続税まとめ

相続税の申告 2015年11月25日 閲覧数:1097
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税制の抜け穴、相続税強化のきっかけに

相続税の増税が始まりました。平成27年1月から税率が高くなるだけでなく、基礎控除額が抑えられるため、これまでは対象にならなかった人にも課税の網がかかることになります。

課税回避に頭を悩ませる人たちの間で関心を集めているキーワードが「海外」です。

海外に移住したり、資産を海外に移したりして課税を免れる方法はないかと知恵を絞っている人が多いためです。

この海外にまつわる税制は、国が抜け道をふさぐ相続税強化のきっかけとなった有名な訴訟があります。 某消費者金融大手の創業者である父親(国内に居住)から海外に住む子(日本国籍)に、外国の会社の株式(国外財産)を贈与したことを、国は「実態は国内に居住していた」として贈与税を課しました。しかし最高裁まで争った結果、国側の敗訴が確定し、国は高額な還付加算金を付けて還付したのです。

これをきっかけに、国内に住所がある被相続人(財産を遺した人)または贈与する人から、日本国籍を持っている人が相続または贈与を受けた場合、外国に住んでいて国外財産を取得した場合でも、相続税や贈与税が課されることになりました。

海外赴任中に父親から贈与を受けたり、父親が亡くなって相続が発生したりした場合、国内財産はもちろん、国外財産でも贈与税や相続税が課税されるようになったのです。

それでも抜け道を探して課税を免れる手法が出てきました。息子の妻を渡米させて出産。生まれた孫に米国籍を取得させてそのまま米国に住む。日本にいる祖父が国内の財産を海外に移し、その海外財産を孫に贈与する、というものでした。国は贈与税を課しましたが、名古屋地方裁判所で敗訴しました。

先の消費者金融創業者からの贈与の場合は日本国籍を持っている人への贈与でしたが、このケースでは、外国籍で外国に住む人に国外財産を贈与した場合には贈与税がかからないという税制のすきを突いた手法です。このため国は、さらなる税制改正を迫られたのです。

相続税の「海外逃避」は困難に

平成25年4月の税制改正は、この「海外逃避」がターゲットでした。

国内に住む人が海外に住んでいる日本国籍の無い人に国外財産を贈与(相続)した場合にも、贈与税(相続税)が課税されることになりました。

このため、海外赴任5年超の人でも、日本在住の人の相続で財産を取得すると相続税がかかります。

言い換えると、海外居住の日本国籍の無い人が贈与税(相続税)を免れるためには、国外に住んでいる人からの贈与または遺産に限られたのです。

この5年間というのは、単に住民票など書類上の場所ではなく、生活の拠点としての「住所」が問われ、その間に住所を日本に1度も移していないことが条件です。このため、海外に住居があっても実際は日本で生活している場合の住所は日本とされ、日本の納税義務者となります。

課税を免れるために、「財産を贈ったり遺したりする人」と「財産を受け取る人」が共に5年間、海外に生活拠点を移すというのは、現実的には考えにくく、またそれを狙ったとしても準備期間が必要です。このところの度重なる税制改正を見ていると、「抜け道は全部ふさぐ」という国の姿勢が透けて見え、いたちごっこはまだ続きそうです。というわけで、海外赴任や海外留学をしている人が相続税や贈与税を免れることは非常に困難になりました。

海外赴任中の遺産分割手続きは?

ここまで読んでいただいて、海外に住んでいても相続税を免れるハードルが高いことをお分かりいただけたと思います。

なので相続税回避はあきらめ、海外赴任中に遺産相続に直面した場合の遺産分割の進め方を紹介することにします。

相続人全員が国内にいる通常の場合は、全員で話し合って「誰が、何を、どれだけ相続するのか」を記載した「遺産分割協議書」を作成します。

遺産分割協議書には、相続人全員の署名と実印の押印が必要で、印鑑証明を添付することになります。

海外に住んでいる場合は住民票がないので署名・押印はできても、印鑑証明を付けることは無理です。印鑑証明がないと遺産分割協議書が無効になってしまいますが、この場合は現地の日本領事館に出向き、印鑑証明の代わりになる「サイン証明」を発行してもらうことになります。

サイン証明は、遺産分割協議書を領事館に持参して係官の前でサインして発行してもらえます。また、海外在住であることを証明するためには「在留証明書」も必要です。これも日本領事館で発行してもらえます。
 

相続税がかからないケースも

最後になりましたが、肝心なことを一つ。 海外赴任中に相続があった場合、必ず相続税がかかるかというと、そうでもないケースもあるのです。

例えば、5年超海外赴任中の人が平成24年に父親を亡くしたものの、先に書いたような事情で相続手続きが遅れている場合を想定してみましょう。

相続は被相続人が死亡した時点で発生するのが原則なので、この場合の相続は24年に始まっていることになります。

したがって、相続税は24年時点のものが適用されることになります。この時点では5年超海外にいる人は海外財産に限っては相続税の課税対象外なので、海外財産には相続税はかからないことになるのです。
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