相続税はどのように納付するのか?

どうやら相続税がかかりそうだ、とわかりました。ではその相続税をどのように支払えばよいのでしょうか?ここでは、相続税の納付方法についてお伝えいたします。

納付方法

どこで

相続税は近所の銀行、郵便局の窓口で納付できます。納付書を持っていきましょう。納付書は税理士に税金計算を依頼していれば税理士からもらえます。もし手元にない場合は税務署に連絡して入手しましょう。

いつまでに

被相続人が亡くなってから10カ月以内に納付しなければなりません。この期限を過ぎてしまった場合は延滞税がかかります。延滞税は最低でも年利で2.8%かかります。

どのように

現金で一括納付が原則です。
しかし、現金が用意できない場合などは下記の「延納」と「物納」をすることもできます。

相続人ごとに納付する

相続税は相続人ごとに計算されます。相続人ごとにそれぞれが銀行などに行って納付します。

延納

現金一括納付が難しいときはまず、税務署に延納の申請をすることになります。延納とは現金で分割で納付することをいいます。延納でも納付が難しいとなった場合に物納の申請をします。

延納をした人はどれくらい?

延納について平成26年度の国税庁のデータは以下のとおりです。

  • 延納申請の件数 1,144
  • 許可された件数   887
  • 取り下げ・却下の件数 282

相続税申告は約70,000件ほどでしたので、延納をしている人は全体の1%ほどしかいません。延納はほとんど利用されていないことがわかります。

延納ができる条件

延納はほとんど利用されていないのは、許可されるのに条件がとても厳しいからです。その条件をご紹介します。

  • 相続税額が10万円を超えていること
  • 金銭で一括納付することが困難であり、その金額を限度とすること
  • 納付期限までに延納申請書を提出すること
  • 延納税額に相当する担保を提供すること。(50万円未満(平成27年4月1日からは100万円未満)で3年の分割なら不要)

以上の4つの条件を満たす必要があります。

延納申請書と担保

上記の4つの条件のなかでも厳しいのは延納申請書と担保提供です。

延納申請書は延納する理由を記載するのですが、言葉だけでなく数字を使って現金一括納付ができないことを証明しなければなりません。相続財産に現金が無いので払えません、という理由だけでは税務署は延納を認めてくれません。相続人が元々持っていた現金や預金が本当に無いのか?を証明しなければなりません。

担保の種類も国債・地方債、社債・有価証券、土地、建物、保証人の保証など決まりがあり、税務署長が担保として認めるものでないといけません。
 

物納

物納は延納によっても相続税を納めることができないと認められないと許可されません。延納よりもさらに許可される人は少なくなっています。
 

物納することが認められる要件は次の4つです。

1. 延納が困難な理由があること、納付が困難な金額までであること
2. 納付するものが国内にある、決められた種類の財産で、決められた順位に従うこと
3. 物納適格財産であること
4. 申請書や手続き関係書類を期限までに提出すること

 

1の「延納が困難な理由」というのは、相続する人に現金や預貯金のほか、公社債やゴルフ会員権など換金が容易な資産がないということを指すので、現金や預貯金を持っていれば、それが相続財産ではなく、もともと自分のものであっても認められません。

2の「決められた種類の財産」というのは、次のような順位が付けられています。

第1順位 国債、地方債、不動産、船舶
第2順位 株式などの有価証券
第3順位 動産

この順位に従って物納することになるので、国債は残しておいて株式で、というわけにはいきません。第3順位の動産には資産価値のある絵画などが含まれます。

物納を申請するには、物納申請書のほか、物納財産目録、金銭納付を困難とする理由書などを税務署に提出します。申請書には計算の根拠となった説明資料を添付する必要があります。

売る? 物納? お得なのはどちら?

現在、相続される遺産の70%が不動産です。こうした土地や建物を相続した場合、現金や預貯金に余裕がある人ならともかく、そうでない人の多くが土地などをもとにして相続税を納めようと考えるはずです。

その場合に考えられるのは、土地などを売ったお金で納付する方法と、不動産を物納する方法の2つです。お得なのはどちらでしょうか。

物納する財産の価額は相続税評価額になっているので、土地は取引価格(実勢価格)に比べて一般的に安くなります。

例えば、時価1億円の土地でも、相続税評価額が7000万円になっていれば、物納しても7000万円の相続税を支払ったことにしかなりません。そういう場合は物納ではなく、売却したお金で納めたほうが得です。

しかし土地は「一物四価」といわれるように評価がさまざまに変わり、売却時点の状況だけでも価格が変動することがあります。先ほどのケースとは逆に、相続税評価額よりも安い価格でしか売れない場合もありそんな場合は物納がお得になります。

物納を考える場合は、このあたりも慎重に見極める必要があります。

また、相続協議をする際は相続税を念頭に、不動産や預貯金などをどう分割するのがベストなのかを考慮して話し合いを進めるべきでしょう。

 

まとめ

  相続税の納付は現金一括納付が原則です。延納と物納という手段もありますが、実際にはほとんど延納・物納は利用されていません。その理由はご紹介してきたように条件が厳しいことと、利子税といわれる遅延利息がかかるからです。

相続税が発生しそうだとわかった場合には、納税するための現金を用意できるか?を確認するようにしましょう。延納という手段を取りたい場合には専門家である税理士とよく相談して利用できそうかどうかを早めに確認するようにしましょう。
 

 

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