預金がある場合の遺産分割協議書の書き方(ひな形付き)

「遺産分割協議書を作るのはなかなか大変だ」と戸惑う方も多いと思います。このページでは遺産分割協議書の書き方と遺産分割協議の進め方を解説します。

預金の遺産分割協議のやり方

遺産分割協議は相続財産について誰にどのように相続するかを全相続人で協議する場です。ここでの話し合いの結果を遺産分割協議書の形にまとめることになります。
一般的には以下のような手続きになるでしょう。
 

1. 相続人を確定させる

相続人を確定させるためには、亡くなった方の戸籍を取るのが第1です。市役所によっては、「亡くなってから死亡時までの戸籍ですね。」と案内してくれます。不動産登記の移転の時には、この亡くなってから死亡時までの戸籍が必要になりますので、一石二鳥ですね。

2. 全相続人に対して遺産分割協議の開催を知らせる

知らせる方法としては配達証明付でおくることも考えられるが、電話のほうがおすすめです。なかなか、亡くなった後でお話しづらいかもしれません。ずっと連絡を取っていない親戚ですとなおさらです。しかし、できるだけコミュニケーションを図り、信頼関係が深めるとその後の遺産分割協議はスムーズにしやすいということはいえます。

3. 遺産分割協議を行い、まとまったら遺産分割協議書に署名捺印(実印)をする

ポイントは遺産分割協議を円滑にすすめるために、事前に案を提出しておくことです。当日はみなさんの反応を見ながら構築していくのも一つですね。
ありがちな話ですが、この遺産分割協議書案を作成・提示し、遺産分割協議をせずに署名捺印と印鑑証明をくれということは、その後のトラブルの引き金になることがほとんどです。コミュニケーションをとらずに、納得しないうちに勝手に手続きを進めると、そのときは手続きがすんでも、後々しこりが残るものです。
 
このように遺産分割協議は、できるだけ円滑に進めるために事前に準備をし、仲良くすすめていきましょう。ここで争うとその後はどうすることもできなくなってしまいます。
なお、銀行によっては、預金解約のための書類を用意しておくところもあります。実質この資料は遺産分割協議書と同様のものです。
 

預金の遺産分割協議書の書き方

遺産分割協議書の書き始め

遺産分割協議書の書き方ですが、「遺産分割協議書」の表題の後に、始めに関係人の一覧を記載し、その後に合意した旨を書きます。


被相続人    鈴木太郎(平成◯◯◯◯◯◯年死亡)
最後の本籍   東京都新宿区神楽坂○丁目○-○
最後の住所   東京都新宿区神楽坂○丁目○-○-301号
 
鈴木太郎相続人 鈴木花子(平成◯◯◯◯◯◯年生)
本籍      東京都新宿区神楽坂○丁目○-○
住所      東京都新宿区神楽坂○丁目○-○-301号
鈴木太郎相続人 鈴木一郎(平成◯◯◯◯◯◯年生)
最後の本籍   東京都新宿区神楽坂○丁目○-○
最後の住所   東京都新宿区神楽坂○丁目○-○-201号
鈴木太郎相続人 鈴木二郎(平成◯◯◯◯◯◯年生)
本籍      東京都新宿区新宿○丁目○-○
住所      東京都新宿区新宿○丁目○-○-502号
 
被相続人鈴木太郎(平成◯◯年◯◯月◯◯年死亡、本籍地東京都新宿区神楽坂○丁目○-○)の遺産について、共同相続人 鈴木花子、鈴木一郎、鈴木次郎は、遺産分割協議の結果、下記の通り、被相続人の遺産分割について合意した。


以上のように、相続人関係者をまずは記載したのちに、柱書のように合意した旨の記載をします。
ただし、柱書の文面については、「合意した。」のほかに「分割した。」などなど、趣旨に合うような文面であれば大丈夫のようです。
 

預金についての文面

預金については、預金口座番号、残高などの情報を書く必要があります。


1 次の預金について、鈴木次郎が取得する。
  □□銀行□□支店 普通預金 口座番号 234567
   相続開始日の残高  金 2400万円


 もし、2400万円のうち半分が一郎さん、半分が次郎さんの場合は、以下のような文面になりますね。
 


1 次の預金について、鈴木一郎と鈴木次郎が2分の1ずつ取得する。
  □□銀行□□支店 普通預金 口座番号 234567
   相続開始日の残高  金 2400万円


遺産分割協議書の文面案については、何の財産を誰に、どのくらい渡すのかを明確に伝えるものであればいいようです。あまり、難しく考えずに上記の文面に当てはめて記載してみてください。
最後には、日付と相続人全員の署名捺印をお忘れなく。
 

書き方のまとめ

預金の場合は、不動産のように共有という話もありません。結局のところ現金化しますので、そのまま現金を分けることになります。よって、預金のみの遺産分割協議書については気楽に考えてください。
 

注意点

遺産分割協議なしは危険

最近問い合わせが多いのですが、協議なしに遺産分割協議書などの書面に署名を求められたというケースがあります。よく読んで意味を理解してされるなら良いのですが、言われるがまま署名してしまうのは大変危険です。協議なしだとしても、せめて説明をもとめ、理解してから署名捺印してください。

印鑑証明はむやみに渡さない

上記に似た話で、他の相続人から印鑑証明を実印をそのまま渡す方もいらっしゃるようです。いくら信頼していたとしても渡さないのが鉄則です。本当に信頼できる方でしたら、通常は遺産分割協議を行い、話し合うことを怠らないと思います。

遺産分割協議書は契約書と同様

遺産分割協議書という言葉はあまり聞かないからでしょうか?その重要性を知らない方が大変多くいるように思います。遺産分割協議書は預金や不動産など財産の所有権を決める契約書のようなものです。よって心してかかるべきと思います。
また、いったん作成した遺産分割協議書はしっかりと手元に保管してとっておくことをおすすめします。何十年間か後に次の相続が発生すると思いますが、そのときにどのような過程でこの財産を引き継いだのかなども確認できますからね。
 

まとめ

以上遺産分割協議書についてお話しましたが、「協議書」の書き方も大事ですが、なにより「協議」そのものが大事です。協議そのものがなされていればお互い安心して相続手続ができます。なによりももめたくないですからね。

 

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